あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

酒の肴

2018-04-06 | 
僕はビールが好きで色々と作っているのだが、ビールを飲みながら米の飯を食べる気にならない。
『とりあえず』という言葉はビールの枕言葉だと誰かが言っていたが、ナルホドうなずける。
先ずはビールで喉を潤す。
これは鉄則だな。
米の飯を食べるのならばビールが終わってから食う。
前回作ったビールはベルリナーサワーエール、直訳してベルリンの酸っぱいエールビールである。
このビールは見事に賛否両論に分かれた。
「うん、なかなかいけるじゃん」と言う人と「イマイチだな」と言う人。
僕は自分で作っといてなんだが後者である。
でもこれだって別に不味いわけではない。
こういうビールだと思えばそういうものなのだ。
ベルリンという場所に行ったことはない。
ベルリンどころかヨーロッパに行ったことがないのだが、ドイツのどこかということは知っている。
そうかドイツのビールってこういう味なのか。



ビールに合うつまみというものもある。
あまり水っぽいものはビールに合わない。
ドイツの食べ物ってソーセージだよな。
それから冷蔵庫に、この夏できたキャベツがあったな。
ザワークラフトって確かドイツの辺りの食べ物じゃなかったっけ?
物は試しでやってみよう。
ソーセージは粗びきっぽいやつがいいな。
これが大当たりだった。
ビールの酸味、ソーセージの肉の味、そしてザワークラフトの酸っぱさが三位一体。
ホップの効いたビールなどはビール単体で楽しめるが、このビールはドイツ風のつまみと一緒に飲むのがよろし。
でも、もう作らないだろうな。



蔵で働くようになって、晩飯の時に日本酒を飲む機会が増えた。
いわゆる晩酌というやつだ。
日本酒の良いところは、ご飯を食べながら飲める。
ご飯が進むようなおかずは、酒の肴になるものが多い。
自然と味付けはしょっぱいものになる。
饅頭をおかずに米の飯は食わない。
塩辛いものというと塩分の取りすぎ云々という話を聞く。
僕は塩の質と言うものを考える。
良質の天然塩、ミネラルは体に必要なものである。
だもんで料理に使う塩は岩塩もしくは海の塩だ。



酒のさかなというだけあって日本酒は魚とか貝に合う。
港街で育ったせいかむしょうに魚が食いたくなる時がある。
最近ではクィーンズタウンでもいい魚が手に入るようになった。
シマアジは三枚におろしてシメアジ。
カレイは煮つけ。
ムール貝は昆布と一緒に佃煮。
お客さんで北海道の人がいて、いつも昆布をいただく。
昆布も利尻昆布とか羅臼昆布とかあるのだろうが、ニュージーランドに居る身には北海道産昆布というだけでご馳走だ。
白身魚は酒粕に漬けて焼く。
こういった肴をつまみにチビリチビリと日本酒を飲みながら飯を食らう。
旨い物を食うと人は幸せになる。
自分が幸せになると人も幸せにできる。
幸せのスパイラルは先ず自分自身を幸せにするところから始まる。
今日もそうやって、旨い肴で飲むのである。
乾杯。


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