イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

身近なお店、ローカルスパ

2013年11月10日 | 暮し
    写真   美容サロンのお店   TRINADI Salon
バリの既婚の女性は長く伸ばした髪を後ろにまとめていることを知り
中学生以来、ショートカットでしたが数年前から髪を伸ばし始めました。
髪を伸ばしてから日本ではカットすることもないので美容院には
6カ月に1度行けば良い方でしたが、暮らしているロスメン(民宿)の
近くに観光客向けの美容サロンやスパがあるので行ってきました。
シャンプーとクリームバス(頭皮マッサージとスチーム毛髪トリートメント)で
8万ルピアでした。(日本円で約800円)お湯は時々しか出ず、
ぬるい水でしたが1時間たっぷりとケアーをしてもらいとても
気にいりました。これならば1週間に1回は通えるかなと思えます。
贅をつくした高級感のあるいわゆる高額なスパではありませんが
地元の人が利用することはありません。
ご近所のビスマ通りにはレストランやスパ、日用雑貨屋、学校帰りに
子どもたちが立ち寄るワルン、ランドリーなどのお店があります。
なるべくインドネシアの人が経営する店を利用するようにしています。
日本でも地元の商店で買い物をするようにしていました。
バリ島では地元の価格と観光客向け価格との2本立てで成り立ちます。
オーナーが外国人のお店はそれだけで十分地元の経済からは優位です。
働く人が賃金として手に入る金額は地元経済の価値です。
じゃかるた新聞によると日産モーター・インドネシアで働く人々が
2013年4月8日に同自動車業界の他社と同じ250万ルピア/月 (約25,000円) の
賃金を求めてストライキをしました。お金は天下の回りもの。
循環してこその経済です。格差を生みだしてアジアから日本に
回ってきたお金をアジアで使う、ささやかな行為です。



ビスマ通りにあるローカルスパ
  (ヘッドスパ=Hair Cream Bath の価格を表示)


Lily Spa     Special Cream Bath  1hour Rp.70.000
Phone / +62-361-9277625


TRINADI (Tri nadi) Salon     Hair Cream Bath  1hour (short) Rp.70.000  (long) Rp.80.000
Phone / 0361-977-934


RDA Hair Cream Bath Rp.70.000
Phone / +62-361-973325

Nick`s Spa    Hair Cream Bath 1hour Rp.150.000
Phone / +62-361-972484

クニンガン  Kuningan

2013年11月05日 | BALINESE LIFE
  お参りをするカディさん

11月2日はウク暦(ジャワ=バリ暦ともいい210日を1年としている)での
クニンガンでした。ガルンガンから10日目にあたり、帰ってきた祖霊神を
見送る日です。数日前から花供物の準備が始まります。クニンは黄色を
意味していて黄色に色づけしたご飯をお供えます。前日は家寺の飾り付けを
していました。当日は9時30分ごろから各家の家寺に家族がそろいお参りが
始まりました。カディさんはゲストの朝食の支度で行かれなかったので
後から娘のプトゥさんとお参りしました。私も一緒にお参りをさせて
いただきました。バリ島では各家に家寺があり、敷地内で一番アグン山に
近い場所に家寺 Sanggah を建てます。泊まっているロスメンはゲストハウ
スの2階の屋上に2年ほど前に新しくりっぱな寺を作りました。それまでは竹を
組んでお供えの台がある簡素な物でした。聖なる方向(霊峰アグン山には
バリ・ヒンドゥー教の総本山のブサキ寺院がある)をカジャといい、敷地内の配置も
淨の方向に家寺があり、隣には儀式を行うBale Dabgin の部屋または東屋があります。
不浄な方向はクロッドといい、遺灰を流す海を望む方向です。台所など水を流す場所が
そうです。バリ島の家は部屋ごとに一棟づつ建てられていますので敷地内には家族の
部屋、台所、ゲストハウスといくつもの建物があります。
  前日に準備をする三男のコマン・ルーニャアンタラさん、
               二男カディ・デグースのお嫁さんワヤン・ヤンスさんと
               祭壇で遊ぶ長男ワヤンさんの息子のカディ・タケシ
  ゲストハウスの2階の屋上が家寺です。ワヤンさんが供物を運んでいます。
  お祈り 
             Jepun(プルメリア)の黄色の花びらを持ち線香の煙で清めて、                                    指先にはさんで頭上で手を合わせマントラを唱えます。3回繰り返し、
             その都度新しい花びらに替えます。
             黄色のJepunの花はお祈りには欠かせず、どの家にも木が植えられています。
  神様を祭る祭壇は日本の神道の神棚と良く似ています。
         3つの部屋に区切られていて向かって左側の部屋には男性の祖霊神、
         中央が3神、右側が女性の祖霊神が戻る部屋だそうです。

王家の葬儀、火葬のセレモニー

2013年11月03日 | BALINESE LIFE

 写真 大きな張り子の牛の御輿を担ぎ、火葬場まで行列は続く

ウブドの王家では一年の間に二回目というめったに無い火葬の葬儀が
11月1日に執り行われました。家一軒が建つという出費だそうです。
葬儀は人生の中でも最大のセレモニーと言われています。
亡くなってから火葬にいたるまでにはたくさんの儀式の過程があり、
多くの人が参加します。ロスメンのオーナーのバルーンさんも
パンジャールの一員として参加しました。
日本の葬儀で行われている湯灌 (仏葬で遺骸を棺におさめる前に
沐浴させること) がバリ島の葬儀でも行われています。王家の人の
遺骸は小ウブドの人びとの手によって清拭されます。
バルーンさんのお話では小ウブド (旧ウブド) には4つのパンジャール
があり各バンジャ―ルのトップが協議する場の上に王家があるそうです。
4つで約1200人の構成だと聞きました。バルーンさんはミドルウブドに
所属していて約300人が属しています。小ウブドは共有の墓地を持ち、
各家の葬儀も王家の葬儀に準ずる過程で執り行います。王家の格式と
同じ儀式が執り行える誇りを感じました。ウブド市の人口が28000人
 (郵便局のデータ―) 近くですからその中で王家周辺の旧住民はわずかです。
ウブド市でも小ウブド以外の地域は別の墓地を持ち、省略した葬儀が
行えます。他国民の私が小ウブドと同じ葬儀を望む時はまずワヤン
さんの家族として登録し、所属するパンジャールの長から王様に申請
します。調整機関の審査により許認可されるそうです。
現在のバリ島の王家は東ジャワ貴族からの末裔といわれ、8つの王国に
分かれました。19世紀にはオランダの統治がはじまり、1908年に最後の
クルンクン王家が全滅してバリ島全域がオランダの支配下に入りました。
王国は無くなりましたが今でも続く4つのカースト (ブラフマナ階層/祭司・シャトリア
階層/王族・ウェシア階層/地方貴族・スードラ階層/平民) と王家の権威は生活に
密着していると思えます。
ロスメンのカディさん (長男のお嫁さん) の祖母が実家のギャナールの村
でガルンガンの日に亡くなりました。その日のうちに墓地に仮埋葬(土葬)
されました。火葬までに至る葬儀の費用が出来るまで仮埋葬のままです。
お父様の時は5年、かかったそうです。王族のシャトリア階層ではすぐに
火葬されるのが普通だそうですが一平民のスードラ階層では葬儀にかかる
費用は日々の現金収入の額からすると膨大な金額のように思われます。
仮埋葬のままですと祖霊として家寺に戻ってこれないのでなるべく早く
火葬の葬儀をするために費用を貯めていくそうです。
いつも利用するタクシーの運転手のマデさんは家族の火葬が出来ない
ために病気になってしまったと聞きました。火葬をして遺灰は海に流し、
霊は家寺に戻るという信仰が生きています。ガルンガンの日に祖霊は
家寺に戻り、10日後のクニンガンの日に帰っていきます。
11月2日、クニンガンは火葬の次の日でした。

   
 棺を乗せる御輿は約15メートルもある塔で作られていて、棺を納めるために階段が作られています。
 御輿の飾り付け 
 葬儀のスケジュール表
   御輿は大勢の人に担がれて勢いよく進む
   遺影は王様の3男の奥様  王宮の前に並ぶ花輪
                                  行列を見守るために早くから場所取りをする人びと 
 普段よりもたくさんの物売りの人たち 
     
 御輿の担ぎ手は各パンジャールから出ている
 パトロールをする軍人
 同じ色のクバヤkebayaを着て行列に参加している女性たち