操作された感じがどうしてもいやだったので
即座にやり直した。
ごめんごめん、もうしない。
からだが止めていた息を吐く。
もう決して自分の中から聞こえる声を押し殺したりしない。

操作された感じがどうしてもいやだったので
即座にやり直した。
ごめんごめん、もうしない。
からだが止めていた息を吐く。
もう決して自分の中から聞こえる声を押し殺したりしない。
本当にしんどいところを抜けて来て、今は開けたところに立っている。
気がついたら足元に大きな穴が洞窟の入り口のようにぽっかり口を開けているので面白くそれを眺めている。
娘は大人になり、他も手を離す時が近づいてきた。
どうやらここ数年、いやもっとか、続いていた任務はそれぞれ形は違えど一旦完了しつつあるらしい。
久しぶりの踊り場。
でも今度はここからつながる階段は見えなくて、ここから私はどこへ飛んでいく、らしい。
今は他ならぬ自分を拾い集めて身繕いをしている。
ずっとそこにあったとても小さなピース。
それを自分に取り付けた時の深いところから湧いてきた満足感。
なんだいままで私は一本足で立っていたのか。
調子が悪いとアピールする人のこと、
なんで気になるのかな。
なんで優しくできないのかな。
こころのなかをたぐってみた。
それは「なんでそんなに甘えるのか」を通り「なんで人に自分の不調や不快の責任を持ってもらおうとするんだ?」経由でおおきな蓋のようなものにつながっていた。
(「お互い」に気遣う人にはこの反応は出ない)
蓋は重そうな大きな石の灰色の円盤(みたいな感触)で、そこには「自分の面倒は自分でみる、というか人にみさせるなんて!!」と書いてある、かな?
今はまだ自力ではこの蓋をどけることはできない。
(昔私が今より力と形が小さかったころ、たくさんの苦しみが私のまわりに積み上げられ、高くなっていくそれをなすすべもなく恐ろしくみつめた。それはだって火がついて私を焼く焚き木なのだから。)
悪意も自覚もなく、ナチュラルに自分の荷物を人に持たせる/持たせようとする行為を、私はまだ見逃すことができない。