私とこどもが前を通った時に、初老の男が何か「なんで〜んだ!」という風に怒鳴りつけた。前を横切ったのが気に食わなかったのだろう。
すいません、と返して素早く離れたけれど今日は怒鳴られたのがこどもだったこともあり、珍しく私はそいつを許していなかった。
直接会う人間に対して怒るということを私は普段ほとんどしない。
娘は私を過激だと言うけど。
(たしかに、私の中の人ならざるエリアに倫理や常識は存在しない)
それでも戦闘的ではない理由のひとつは、大概の場合、怒ることも戦うことも私の手間とエネルギーに値しないから。
この部屋より建物より大きい羽が私の背中から広がり、その気になれば飛ぶこともなく誰でも吹き飛ばせる、ように感じている。
例えば、ね。
あんまり負ける気がしない。
多分できる。
でもしない。
あ、だからしない、か。
その上例え私が弱くても私が負けても、気にしない。どうということもない。
あ、だから負けないのか。
怒鳴った男とは他生の縁があったのかもしれないが、なんの怒りも恨みも繋ぎたくない。
ぶつかりそうな相手のボートを強く蹴るように、彼を彼の流れに押し戻しておさらばする。
いや、違うか。
動くのはいつだって自分。
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