日々乃家日誌 まにまに・てい子の日々の発見

母まにまにが娘てい子と始めた、日々の発見を綴るブログです。

いつかの夏

2018年07月20日 | 命について
その病院にこどもがいたのは三カ月くらい、やっぱり暑い暑い夏だった。

通常は何週間も待って入院するんだろうから、初診の当日に入院するなんてことはあまりないんだろう。どうなるかもわからず点滴するこどもの側で何時間も待つ間、ひとりの看護師が私の背中にそっと手を置いていた。
初めは気がつかなかった、それどころじゃなくて。気がついてからは、その手を意識せずにいられなかった。
そうか、私は気遣われているのか。
そうか、それだけ状況は困難なのか。

結局入院させてもらえたので、熱風が吹き百日紅の花が咲いて散る夏、毎日そこに通った。
私のこどもは生きて病院を出ることができた。
病棟にいたこども全員がそうであったかわからない。

あの時背中に置かれた手を思い出す。

普段は気がつかないけれど、私たちはたしかに繋がり支えられながら生きている、ということを。

頭を垂れ祈るような気持ちで。

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