日日不穏日記gooブログ版

引き返すのは、今

 “もう終わりにしよう”と一度書いたイリーナ博士の件ですが、何でこの問題に執着したかというと、これが、市民(や一部の生協)が進めている運動が最近おかしくなっている象徴的な出来事だと感じたからなんですよ。
 今回の講演会がズサンだってことで、理系の素養のある人は、怒ってますね、で怒りを抑えながら、松永和紀さんも幻影随想さんも書いていますが、素養が全然ない僕が思ったことは“悲しい”に尽きます。
 (博士はもちろんですが)こういう運動に関わってる主催者のリテラシーの低さに絶望したんですね。反GMをやってる人たちは国産自給を目指している、そうした商品を買い支えている、素性の確かなものを求めている・・・考えは違えど、そうした姿勢に敬意を持ってる部分もあるわけですよ。多少視野狭窄であるにしても。
 生協の組合員活動の事務局を何年かやったこともあるんで、最初にコメント頂いたマツバさんの心情も確かにわかる。食の安全に熱心なコアなヒトほどそういう反応をしがちだってことも(b^-゜)。



 だから、反GMを商売にしてるとか貶めたくない。ただね、今回の実験はないだろう。純粋なGMとそれ以外の比較じゃない。大豆原料の納豆と冷奴でどっちが粘り気があるか比較してるようなもん。しかもレシピを公開しない。そんなものを全国6ヶ所縦断の講演をした挙句、最初の講演で叩かれたから、質問を認めない。講演の度に内容が修正される。結局、主催者にあるのは保身とメンツだけ。
 新しい技術である遺伝子組み換えには未知の部分がある、安全性評価だって問題点がないわけじゃない。non-GMを進めることは使われている原料の素性を吟味するいい機会になる。反GM運動には、そうした大義や優位性を生かして消費者を啓発して行政や企業と“真っ当な土俵”で渡り合って欲しかった・・・
 それが、デタラメなデータで危険を煽るという安易な反則に出てしまい、一気に信頼を失ってしまうという結末にyellow22
 危惧するのは、世間と身内の論理の度し難い落差に、運動が内向化し、一層純化され、先鋭化していくこと。期待は持てないけれども、主催者が今回の教訓を正面から受け止め、総括し、対外的に明らかにしていって欲しいと思ってる。間違いなく今が引き返す最後のチャンスなのだから。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

コメント一覧

haikyotansaku
洪水の件では長野県がずいぶん大きなニュースになってしまいました。今も激しく雨が降っていますが、南北に長い県なので、同じ県でも被害の状況はずいぶん違います。長野市は支援する側ですので・・・
 さて、本題ですが、現在の「食の安全」で言えば食材で危険なものはさほど内と思います。課題になっているのは、「異物混入と食品衛生」くらいのもので。
 情報化社会の中で不安情報ばかりが溢れ、その微細なリスクを必要以上に煽る向きがある。その象徴が今回の事件であったと思います。
科学者とは?
まずは、大水害で大変かと心中お察し致します。うちの県も過去大変な目に会いましたので・・・
昭和30、40年当時は、本当に食品の安全性を脅かすような事件がありました。食品業界も衛生管理、知識も低いレベルでしたので、「食の安全性」を守るという生協の使命は高尚なものだったと言えます。
しかし、今の時点では国の法律や科学的知見がしっかりしてきたため、「食の安全性」がそれほど不安を覚えるほどのレベルではない、だいぶ安心できるものとなってきています。
うちでも、「怖い怖い」ではなく、変化している現実を直視し、中立的科学的なリスク評価により考えていくことを行い、組合員の学習会でもそれを実施しています。
ただ、それはもう、とある団体からも反発されました。恐らく、それで離脱された方々は、グリーンさんの方へなびいていっているのではないかと推測します。理事さんの気持ちはわかります。私も経験ありますから・・・
でも、「食の安全性」を脅かす事例はこれからもあると思います。その時にこのような情けないことをやっていては、生協の発言の信用度が低下して、本当に組合員を守ることはできません。少なくとも「食の安全・安心」を掲げているのなら、各生協の経営陣も科学的知見を有し、もしくはそういう部署を置き、理路整然と説得力のある発言をできるようになって欲しいと切に望みます。
頼む!今回の件には全く「正義」はない。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「食の安全」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事