日日不穏日記gooブログ版

無垢な善意ほど性質の悪いものはない

にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ
にほんブログ村

 フードサイエンスの記事を読むまで知らなかったのだけれど、国会の内閣委員会で、自民党の参議院議員からトランス脂肪酸に関して、表示を求める質問が出されたことを受けて、“福島瑞穂消費者行政担当相”が「トランス脂肪酸の食品への含有量の表示義務化を検討するよう消費者庁に指示した」(11月24日)のだそうだ。

 トランス脂肪酸は「多量に摂取すると動脈硬化や心臓疾患などの発症リスクを高めるとされており、欧米などでは食品への含有量の規制や表示の義務化が進んでいる」のは確かだ。表示を求めている消費者団体の動きもあることは知っている。

 福島氏は有機農業の“理解者”であり、NON-GMOの旗手でもある“あの”安田節子女史とも交流がある。まぁ、“善意”の消費者(団体)の味方であることは間違いないとは思う。

 でも、この日記でも再三触れたように、「平均的な日本人の食生活ではすぐに健康被害が出るようなことはない。バランスの良い食事を心がけることが大切」であって、欧米と同様の規制(表示)をとる必要はないんじゃないか・・・って書いてきたんだ。

 でも、福島氏は「日本人の(一般的な)食生活では摂取量が少なく、すぐに問題になるようなことはない」と述べる一方、「偏った食事をしている場合には問題になりうる。表示をする方向で検討すべきだ」と言ったそうだ。

 なるほどね、一応理解はしてるんだ。要は食生活も崩れてるから、表示はすべきだと。それも消費者団体の言い分だよね。多少のリスクのあるものは表示するに越したことはない・・・まぁ、一理はあるよ。

 騒がれてる発端になったニュースはこれだね、たぶん。

</object>

 でも、フードサイエンスの記事を書いた畝山さんはこう書いているんだ。

 「表示義務の有無や最大含量に関する法的規制の有無にかかわらず、先進国においてはトランス脂肪の削減が進んでおり、その結果リスクは減少してきています。実際に心血管系疾患の減少という当初の目的が達成されるかどうかは今後の調査を待たなければ分かりませんが、現時点でできることはほぼ実行に移されていると考えられます。むしろ対策すべきはなかなか摂取量が減らない飽和脂肪という状況です。日本ではもともとトランス脂肪摂取量が問題になるような量ではなく、飽和脂肪についても西洋諸国に比べれば摂取量は少ないのでリスクは諸外国より小さいと言ってよいでしょう」

 「ところで、もし日本でトランス脂肪の表示について検討するとすれば、大きな問題が一つあります。加工食品へのトランス脂肪の表示義務があるカナダや米国はもちろんのこと、条件により表示する必要があるヨーロッパやオーストラリア・ニュージーランドでは、トランス脂肪含量を表示する場合にはそれのみが表示されているわけではなく、食品の栄養成分表示の中で総脂肪や飽和脂肪含量と一緒に表示される、ということです

 「トランス脂肪は脂肪の一種であり、トランス脂肪を削減した結果飽和脂肪や総脂肪が増えたというのでは意味がありません。日本の場合一般的な加工食品への栄養成分表示の義務がありません。本来トランス脂肪を含め、栄養成分の多寡を論じる場合には全体に占める割合、つまりバランスが大切になります。ですからまず基本的な栄養情報があって、その上で特定の成分が多いとか少ないとかいう話になるのですが、日本ではその基本的な情報提供をする必要性をすっとばしていきなりトランス脂肪の表示という話が持ち上がっているわけです

 あちゃあ・・・。トランス脂肪酸より、飽和脂肪酸の方が問題だってことは知ってはいたけど、表示が実行された場合に、偏った一部の情報だけに踊らされて、消費者が混乱するのは目に見えてるねぇ。

 リスクを考えるのに重要なのは、その毒性はもちろん、摂取量。対策は優先順位を付けること。畝山さん、こう締めくくってます。

 「消費者のため、という枕詞が消費者の「健康の」ためであるならば、リスクの大きい項目について対策するのが先決でしょう。消費者が間違った情報に踊らされている状態を放置したまま「消費者の機嫌を取る」のが消費者庁の役割だとは思いません。消費者にはまず何よりも適切な情報の提供こそが保証されるべきでしょう」

 まぁ、福島さんでなくても、消費者庁そのものの成り立ちが問題だったから、同じような問題は起きてたかもしれないけどね。

 無垢な善意ほど性質の悪いものはないよ、本当に・・・。

・食品安全委員会の資料「トランス脂肪酸についてのファクトシート
・日本生協連「トランス脂肪酸問題についてのQ&A

にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ
にほんブログ村

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

コメント一覧

haikyotansaku
http://m.jword.jp/jw.php?jmb_u=b9a20d34f46a9577e4cb86225bc6ff7a8
ちなみにこのブロガーさん、僕の知り合いです。該当記事は読んではいませんが、そういう記載があったとすれば、日生協の見解も揺れているということになりますね。

僕とすれば、品揃えの一つとして、どうしても「トランス脂肪酸フリー」(に近いもの)が必要であれば、扱うのは、しゃあない。ただ、それを優良誤認のような表示をするのは止めてほしい。

まぁ、それに尽きます。まぁ、生活クラブは会員生協の一つではありますが、独自路線取ってますから。

結果的に生活クラブのものは、トランス脂肪酸の含有量は一般よりは低いようです。それは「遺伝子組み換え対策として油脂原料をパーム由来に切り替えてきたことが、結果的にトランス酸含量を引き下げている」とのこと。

トランス脂肪酸対策で下げてるってわけじゃないようですね。で、パーム用を使っていると(苦笑)。
もこみち
どうも日本生活協同組合連合会のQ&Aの内容が昔と今では変わってますね。
それは以下のサイトのコメントを見れば合致しなくなってることから言えるでしょう。
http://blog.livedoor.jp/kcoop/archives/51003575.html
>生協は、「出来るだけ体に悪いと思われるものは、避ける」という姿勢が根底に
流れているせいか、加工食品のトランス脂肪酸を低減する可能性の検討が必要、と
日生協の見解にも掲載されています。

で、確かその当時含有量を減らしたような記憶があったけど??改訂されては過去が見れないな・・・・
haikyotansaku
自分のところの商品カタログでは、あまりトランス脂肪酸云々のPR見なかったしねぇ。サイトでもQ&Aでもトランス脂肪酸を排斥してるように見えなかったし。

そういう商品が開発されてる・・・ってことはこっちの勉強不足かぁ。だとしたら感心しないな。含有量を表示するのは、それはそれで良いとしても。

松永さんの記事は、読んでますけどね。もともと民主党には辛口だし。山田副大臣って、山田正彦衆議院議員ですね。

本は立ち読みしたことありますが、松永さんが書くような、官僚とのやり取りがあるのだとしたら、相当ヤバイかと。

彼も福島さん同様、善意の夢想家のように思えます。僕はあの連立政権に関しては、ほとんど評価してません。皇室問題を含む、政治的な動きも不愉快ですが、これなら、自公政権のほうがマシかもね・・・って気もしなくはないですよ。

ま、トランス脂肪酸問題の火付け役は自民党でもあるわけですから、自民党も叩くべきでしょう。

まぁ、自民党も元気ないですし、叩き甲斐がないって気もしますけどね。存在感薄いし。
もこみち
>生協でやってるのは、トランス脂肪酸を減らすとかという取り組みじゃあないです
日本生協連合会のホームページには減らした商品の数々が見れたのは気のせいかな?って言えば意地悪かな?

小若さんのところはね~あんなものでしょ~しかしまあ先立つものは生協もかな~~

連立政権がなくならなければ良識はないよね~そういえば松永さんところで民主党をぼこぼこに叩いていたけどこの自民党議員は叩くのでしょうか?それによって松永さんの信念が見極めることができそうですね。

ごめんね。辛口モードで。
haikyotansaku
http://www.sokensha.co.jp/products/transsan.html
意地悪だなぁ。以前あった生協の掲示板で、トランス脂肪酸に不安を持つ組合員さんがコメントしてて、レスしたんですけど、思い込みの激しい人は聞く耳持ちませんでしたね。

福島さんも“善意の人”だとは思います。だからこそ問題だと。まぁ、質問したのが自民党だってことで、救いようがないなぁ、と思いますねぇ。

生協でやってるのは、トランス脂肪酸を減らすとかという取り組みじゃあないです。まぁ、不安に思ってる人は「ファットスプレッドをお使いいただくことをお勧めいたします」と言ってるわけで、自己選択ですね。

自然食品を扱ってるメーカーでは、その手の商品を扱ってますね。長い間、購読してた消費者団体の機関誌で、好意的にそれを紹介したことで、幻滅して購読を止めました。

まぁ、ビジネスですから、「どうしてもそういう商品が欲しい」って要望が殺到すれば、扱わざるを得ないでしょう。そんなことにならないように、消費者庁は良識を持った結論を出してほしいと思います。

その消費者団体(食品と暮らしの安全基金)が推奨してたのは、このメーカのもの↓
もこみち
偏った食事の人には栄養指導すべきでしょう。トランス脂肪酸うんぬんよりも成人病で確実に早死にしてしまうではないか??
結局消費者の利益にならない悪の弁護士(橋本知事いわく)ですな。

ちなみに、トランス脂肪酸を削減するためにパーム油が代用される傾向だが、エコナで問題になったグリシドール脂肪酸エステルの含有量はエコナを除くとトップクラス!まあエコナとは30倍違うけど、消費者団体の自己矛盾は非常に滑稽であきれてものも言えない。

もし、消費者団体にパーム油は危ないともの申したらどのような言い訳が返るのだろうか??消費者団体はこれを自覚しているからジアシルグリセロールを大きく出すのでしょうよ。あの騒ぎはなんだったのでしょうか。

ちなみに生協さんはパーム油をどんどん増やして組合員にグリシドール脂肪酸エステルをたくさん食べさせてんのかな?
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「食の安全」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事