平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

バグダッドでの平和行事(3)

2005年03月23日 | Weblog
 3月20日の土曜日の午後、イラクの宗教的な伝統の多様性を代表する宗教的指導者たちや、幾人かの地方のイラク人や、様々なメディアから来たカメラ班たちが国立劇場に姿を現わし始めました。最初に到着したイラクの宗教的指導者たちは、バグダッドのスンニ派イスラム教の長老たちでした。彼らの後に、前日会ったスーフィーの太鼓団がついてきました。カルデア派キリスト教の主教と幾人かのキリスト教神秘主義者たちもやって来ました。

 さらにシーア派の僧侶が一人参加しました。彼は非常にユニークな神学施設で教えています。それはバグダッドの南のヒラにあるヒラ宗教学校です。この学校はキリスト教やユダヤ教のテキストを教えることも含めて、宗教間の寛容について若いイラク人に教えています。

 この学校については、
http://www.christiansciencemonitor.com/2003/1007/p01s04-woiq.html
で読むことができます。

 ジェームズ・トワイマンは、キリスト教の伝統から、聖フランシスの祈りを歌うことによってセレモニーを開始しました。「主よ、私をあなたの平和の道具となさしめたまえ。憎しみのあるところに愛をもたらせたまえ」

 次に、チーフ・アーヴォル・ルッキングホースは、彼のラコタ、ダコタ、ナコタの偉大なスー族の人々の話を物語りました――サウスダコタのブラックヒルズで行なわれたあらゆる被造物間の競争の末、二本足を持つもの(人間)が勝った。鷲は、地球を祝福するために空高く飛ぶことによって、人間に庇護を提供した。しかしながら、鷲が空高く飛べるのは、人々がタバコや歌や祈りの供物で鷲のために祈るときだけであった。祈りは弱くなり、今では鷲はガラクタの囲いの中で見られる。私たちはみな結びついているので、人類もまた不健康である。私たちにはウィルスや病気の黒雲が見える。それは、私たちは再び平和を祈り、母なる地球をケアしなければならないという、動物界から人類への警告なのである。

 ホゼ・アグエイアスはフルートを吹き、マヤの伝説のメッセンジャーとして語り、マヤ歴では時間がBC3133年にウルク(古代イラク)で始まり、このサイクルは2012年に終わると説明しました――マヤの予言によると、そのサイクルの終わりが近づくにつれて、物事は加速化され、混沌のように見える。私たちがこのサイクルの終わりまでに、調和のうちに生きることを学びさえすれば、到来する人類普遍的宗教は平和の宗教である。「私はこのメッセージを伝えにバグダッド、古代ウルクの近くに来たのです。それは予言の成就を助けるためです」

 それからスーフィーの長老アーマド・アジズと3人の他のクアディリ派のスーフィーがアラビア語で歌い、手に持った太鼓を演奏しました。それはみんなを非常に感動させました。3人のイラクの子供たちが歌い、次世代の声をもたらしました。次に皮革製品と毛皮を着たヤロヴィトがシャーマン的な祭儀の踊りと歌を捧げました。彼はその時、「平和のために。愛のために。アルハンヅリラー」と歌い、すべての人を自分の歌に巻き込みました。

 ケニヤからきたワリギアは、国の長老たちからイラク国民への祝福を伝えました。それから彼女は、彼女の10歳の娘ニャンブラの手紙を読み始めました。「戦争は何も解決しないでしょう。もし銃を降ろしさえすれば、殺すことは傷つけるだけであることが分かるでしょう。私たちみんなは心と魂において、1つの大きな家族であることを、彼らは見ようとしません。平和と愛をあなた自身の中に発見して下さい。そうすれば、戦争はもはや起こらないでしょう」。その手紙はすべての人の心に響きました。

 ヒラから来たシーア派の僧侶、シャイフ・アブド・アル・タエイは私たちに語りました。「どこへ行っても、私は愛の宗教を信じています。これが私の宗教です。出し惜しみという地獄ではなく、慈悲のしずくを私たちはどれほど必要としていることでしょう。平和と統一への私たちの使命は、緊急に必要なことです。私たちの間に橋を架けることは、溝を深めることよりもよいのです。私たちはすべての予言者がもたらしてくれたメッセージの神聖さと偉大さを実現しなければなりません」

 スンニ派の長老は、イスラエルの政策とイラクにおけるアメリカの駐留について、厳しい批判をしました。彼は平和と正義を求める祈りの叫びを付け加えました。

 それからバグダッドのカルデア教会の副司教シュレモン・ワードュニーは、イラクの古代キリスト教共同体について話し、イラクと世界の人々に平和の祈りを捧げました。バグダッドのカルメル会の修道院から来たシスター・ナディラ・キャイヤットは、アラム語でイエスの名において平和の祈りを捧げました。