☆あまちゃんの毎日ガハハハ日記☆

三男児+夫との生活、代表を務める会http://shirouiryo.com/のこと、自分の日常を綴る日日是好日

受け入れ先探し

2006-11-11 23:18:58 | 医療のこと
奈良の大淀病院の一件で、搬送受け入れに多大な時間がかかったとありました。当初の報道では6時間、とありましたが、結局は2時間以内だったらしいですが・・・

受け入れ先に時間がかかる、というのは理解ができるのですが、自分の子が一刻を争う状況だと本当に早くしてください!と祈ると思います。まもなく赤子を産む私としては、どうしてそんなに時間がかかるのか、気になるところです。友達の小児科の先生から教えてもらいました。

『受け入れ先を探すというのは簡単なことではありません。病態(病気の状態)が複雑であればあるほどです。先日の奈良の件で言うと、受け入れ先を探す方の医者は、心当たりの病院に電話をするわけです。一般の方は、「ベッド空いてますか?」、「空いてますよ」で済むので一件あたるのにまあ、数分もあればいいと思うかもしれませんが、実際は全く違います。受け入れ先を探す方の医者は心当たりの病院へ電話します。すると、普通は事務の当直の方がでます。ここで、自分の名前を名乗り、産科の先生へ電話の取次ぎを頼みます、運よく産科の先生が出てくれたとします(処置中や、緊急の帝王切開で電話に出れない確率も少なからずあります)。電話にでた、産科の先生に経過を伝えます。何歳の、妊娠何週目の患者さんがいつからどういう状態になっていて(本当はこれ以外に、その患者さんは今までどういう病気をしたことがあるかなどもっと伝えなくてはならない情報がありますが割愛します)、治療はこれこれをして、現在はこんな状態ですという具合です。今度はその連絡を受けたほうの産科医が自分の病院の状態を確かめます。奈良のお母さんでいうと、お母さん用のICUのベッドは空いているか、生まれてくる子どものためのベッドをNICUに確保することができるのか。緊急の帝王切開が必要だから、麻酔科医は確保できるのか。手術につく看護婦は確保できるか。産科医1人の当直だとすると助手をする医者も確保しなくてはなりません。おまけに、意識障害が続いていたり、痙攣を起こしたのだとすると、もしかしたらこの妊婦さんは脳に異常がある可能性もある。そうすると、CTをすぐに撮れる準備も必要だろう。放射線技師を呼ぶのにどのくらい時間がかかるか(放射線技師さんが当直している病院はそんなに多くないと思います)。もし脳に異常がある場合は脳外科の緊急手術も必要な可能性もある。そうすると脳外科医も確保しなくてはならない(この場合医者同士の話だと最低でも手短に患者さんの経過や状態を説明しなくてはならない。なぜなら、脳外科の医者自身が自分で対処できるかどうかを判断しなくてはならないから。ここでまた数分はかかる。)全部大丈夫だということを確認して、やっと受け入れが決まる。普通はどんなに急いでも、受け入れ先の医者があちこち連絡し確認をとる時間を入れると30分やそこらはかかります。受け入れ先が見つかるまで、この作業を繰り返さなくてはなりません。一人の医者が、目の前に重症の患者がいて、その患者の治療を続けながら、受け入れ先を探す。さらに患者の家族に詰め寄られそちらにも対処しながらというのは過酷です。当直師長(看護師長の当直)とかが上手くフォローしてくれるといいのですが、残念ですがそれができる師長はそんなに多くは居ません。』

なるほど。電車やホテルの空席空室状況とは訳が違うのはよくよくわかります。でもお医者さんが電話して事務の方が出て・・・なんていう構造、なんとかならないんでしょうか・・・いろんなブログで活発な議論が展開されていますが、改善の方向に向かうことを願ってやみません。