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「不思議なもんだねぇ、良いとこしか思い出さないよ」
3年前に奥さんを癌で亡くした知人がポツンと言った。
数え切れないほど喧嘩もしたし、コンチクショ~とも思ったけど・・・
「及第点のつく女房だったかなぁ・・・」少し遠くを見ながら、
70歳に手の届いた知人は照れたように笑った。
「今頃気付いたの!?って、奥さんが言ってるかもね」
私は少々、憎まれ口をきいた。
大切な人が逝ってしまって、
漸く自分の中で悲しみと対峙できる時間が重なったのだろう。
好物の玉子焼きを食べて知人は帰って行った。
夕方、実家に出向いた。
母の知人の息子さんが亡くなったと聞く。
その方は、去年も二男が病死されたという。
何とも不幸な話に胸が詰まった。
現代は成人病等によって、【さかさ】が珍しくない。
昔から親より先に逝くことほどの親不幸はないというが、
それにしても、この方の悲しみは余りに深い。
父の戦友に母はミカンのお礼として僅かな品を送ったという。
昨日、恐縮して電話があったようだが、
独りすることもなく炬燵で日を過ごしているとのこと。
高齢者の寂しい後ろ姿を想像し、鼻の奥が痛くなる。
人間は、矢張り支え合って生きられることは代え難い幸せと思う。
しかし、それが叶わぬ人もいるのだ。
お金では買えない人情や心の温もり。
が、それは無い者の僻みかも・・・
ん・・・っ、数十億?数百億?の金を手にしている某幹事長。
金が、権力が全て!!との生き方なのであろうが、
その周りに集まる人間もまた、金と権力に擦り寄る輩。
全てを手にしても、矢張り【孤独】かも。
いや、いや、それらを手にできない者の、
これまた僻みなのかなぁ~~
しかし、国の根幹、存亡にかかわる法案を連発しながら、
【国民の生活が第一】とは、よく言うわ!!
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