二八と云われるこの時期、山は客足が少ない。
夫と二人、炬燵の番をしながら日を過ごすことが多い。
「三人ですけど、いいですか?」
幼稚園児と思われる女の子を連れた家族がみえた。
ホールに案内すると、「ママ、帰ろう~~」と盛んに女の子が言う。
大人二人がやっと宥めると、今度は寒いを連発。
ストーブのあるコーナーへ移動してきた。
すると着ていたコートを床に投げ捨て熱い々と繰り返す。
母親は躾がゆかなくてと小さく言った。
父親と思われる男性は、何故かヤレヤレといった表情をしている。
少し我儘な子なのかとハラハラした。
食事を終えて帰り支度をしていると、
母親が団子の土産を買うから先に車に乗っているよう女の子に言った。
すると女の子は、「あのおじさんの車に乗るの?」と、
少し甲高い声を上げた。 私はハッとして女の子を見た。
キツイ目をしているが、顔立ちの可愛い女の子。
何より利発そうで繊細な感じがした。
女の子は不安な気持ちを訴えたかったのかも知れない。
車を見送りながら、女の子が幸せになるよう祈らずにはいられなかった。
いつからか娘は留守ばかりひいなの日 初桜
切るような風に枝ふる桃の花 初桜
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