山の頂から

やさしい風

もったいない!?

2008-06-10 06:16:52 | Weblog
 友人の義母は90歳。頭脳はいたって明晰という。
字を書かせれば達筆、簡単な計算は暗算、読書と大正琴が趣味で
新聞は端から端まできちんと読む毎日。

 十数年前に義父を亡くした時、同居を勧めたが何としても承知せず、
友人夫婦が小さく商う店の奥に住まわっている。
他人との接触を好まぬ性格だが、説得をやっと聴き入れ
週に数回のデイ・サービスを受けるために外出するようになったようだ。

 そんな義母だが、最近、失禁をするようになった。
デイ・ケアのマネージャーの指導により尿取りパットを使用。

 或る日、留守の義母の部屋が妙に匂う。
押入れを開けて、友人は腰を抜かさんばかりに驚いたそうだ。
大きなビニール袋に使用したパットが沢山入っていたという。

 友人は、仕事の合間に老人介護のボランティアをしているそうだが
或る老婦人の家に行った折、洗濯物を干して欲しいと依頼された。
その方は昔は女子高の教員をされた方で、しっかりとした性格の持ち主。
二つ返事で引き受け、洗濯機の中を見て唖然としてしまった。
なんと!紙オムツが洗いあがって(??)いたという。

 専門家の話では、今、そういった方が非常に多いらしい。
戦前に生まれ、戦争を経験。辛い品不足の時代を経てきた故に
物が捨てられない【もったいない】が身に沁みているのだと聞いたという。

 決して笑えない。 問題は深く、暗い未来を予測させると感じた。
そして、消費時代に育った我々の根幹を考えさせられる話である。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿