それ恩河深く底なく、
徳山峻(さか)しくして天を衝く。
林烏(りんう)なお反哺(はんほ)を知る、
尤霊(いうれい)あによく遺忘せんや。
★ 親から受けた恩は、底知れぬ大河のように深く、
親から受けた恩は、天を衝くばかりにそびえ立つ。
山よりも高い。
あの林になく鳥でさえも
親に養育された恩を知って
その恩返しをする。
まして
万物の霊長たる人間が
どうして親から受けた数々の恩を
忘れてしまうことがあり得ようか。
朝から雲の多い日ではあったが、父の「七七日忌」が無事済んだ。
改めて、今日までのことを思い返し涙が止まらなかった。
約一ヵ月間、無事退院を願って夢中で過ごした日々。
肉親の切なる願いも虚しく、この世を去った父。
夢であって欲しいと、どんなにか思ったことだろう。
今日の御本尊様は薬師如来様だそうだ。
應病与薬を説かれる薬師様。
悪い事が起きたら、薬師様の助言と思い気を付け、
それを乗り越え、もう一つ大きくなれと云うことだそうだ。
閻魔大王に最後の審判を受けた父さんは、
絶対に極楽往生できたことでしょう。
安堵の心を持って、父は懐かしい家を離れ てくれると思う。 合掌