山の頂から

やさしい風

舞台・バカの力

2010-07-29 17:25:30 | Weblog
  友人4人と連れだって舞台を観に出かけた。
ワハハ本舗の【バカの力】という舞台だった。
途方もなくバカバカしくて、そのくせどこか懐かしくて、
幕が下りてからの虚脱感が心地よかった。
大の大人が放送禁止語を連発する不摂生さ、
誰もが心の奥に持つ言ってみたい莫迦な放言。その小気味よさ。
彼等舞台人が汗だくで楽しむのを、いつの間にか許せなくなって、
一緒にバカになってしまうのだ。
3時間という長丁場、少々お尻が痛くなったけど、
久しぶりに心の殻から抜け出した気がした。

 宇都宮市在住の98歳の女性が詩集を出版した。
多くの女性がその詩に励まされたと聞いた。
柴田トヨさんという方で、詩は90歳から書きはじめたという。
テレビで紹介されているのをチラッと見て気になっていた。
すると友人が、その本を購入し読んだから貸すと言って持ってきてくれた。

 世間では65歳になると、その先を一緒くたにして高齢者と宣ふ。
人によって差はあるものの確かに全てが鈍くはなる。
が、しかし、心の瑞々しさまでもが退化してしまうものではない。

       秘密

 私ね 死にたいって思ったことが 何度もあったの
 でも 詩を作り始めて 多くの人に励まされ
 今はもう 泣きごとは言わない 

 九十八歳でも恋はするのよ 夢だってみるの
 雲にだって乗りたいわ                 
             詩集・『くじけないで』より


 本当に驚く程に瑞々しい感性。
クスッとしてしまう様なユーモラスな詩もあって、
なんて素晴らしい年の重ね方、時の見つめ方をされたのかしら、
と感心しきり。バカになりきれる人間と、
心の有り様を表現できる「高齢者」に出会えた昨日だった。
暑さなんて吹き飛ばし、元気が出せそうな7月も下旬。

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