それは偶然だった。
テーブルに置かれていた夫の携帯が着メロを流す。
「電話よ!」と夫の正一を呼ぶが返事がない。
美佐子は放っておいたが何となく気になった。
しかし、夫と云えども他人の携帯電話を覗き見るのはタブーだ。
と、そう自分に言い聞かせた。
少しして正一が戻った。
彼は電話を取り上げるとモカの散歩に行ってくると出て行った。
モカは雑種犬だが利口な犬だった。
我が家に迷い込んで来てから10年になる。
はじめこそ正一は嫌がったが、今はもっとも夫が散歩を担当している。
3人の子供等は、皆、家を出て其々に生活をしている。
夫と二人、小さな飲食店を営みつつ平穏な日々が過ぎてきた。
美佐子は機会ものに弱かった。
が、夫の正一とて現代の機械類パソコンや携帯電話の機能は苦手である。
しかし、夫は何故か携帯電話を片時も放さない。
何時からだろう?と、ふと美佐子は考えた。
テーブルに置かれていた夫の携帯が着メロを流す。
「電話よ!」と夫の正一を呼ぶが返事がない。
美佐子は放っておいたが何となく気になった。
しかし、夫と云えども他人の携帯電話を覗き見るのはタブーだ。
と、そう自分に言い聞かせた。
少しして正一が戻った。
彼は電話を取り上げるとモカの散歩に行ってくると出て行った。
モカは雑種犬だが利口な犬だった。
我が家に迷い込んで来てから10年になる。
はじめこそ正一は嫌がったが、今はもっとも夫が散歩を担当している。
3人の子供等は、皆、家を出て其々に生活をしている。
夫と二人、小さな飲食店を営みつつ平穏な日々が過ぎてきた。
美佐子は機会ものに弱かった。
が、夫の正一とて現代の機械類パソコンや携帯電話の機能は苦手である。
しかし、夫は何故か携帯電話を片時も放さない。
何時からだろう?と、ふと美佐子は考えた。