活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

療育の風景(2)

2013-04-15 | 療育
当ブログをご覧頂きありがとうございます。尾串光康です。

先日の当ブログの記事で「療育の風景」なるタイトルで記事を掲載しましたが、その際に「お買い物」と「キックスケーター」の指導と記載していましたが、キックスケーターの指導場面の写真をまだ掲載していなかったので、今回は「キックスケーターの指導場面」について掲載します。



*前回も記載しましたが、この写真の著作権を私と写真の教え子の保護者は放棄していません。よって、いかなる場合においてもこの写真を使用することを固く禁止します。

この場面は、もちろんキックスケータの場面です。キックスケーターの「加速」をプロンプト(手助け)しているところです。
乗り方などはほとんど指導していません。私の乗り方を何回か見せたらすぐに乗り方を覚えていました。

乗り方をあまり教えなくても達成できたのは、前回(療育の風景)にも記載したように、模倣を重点項目として幼児期に指導していたので、モデリングで様々なことが獲得しやすくなっているからです。
なお、模倣は幼児期の指導において最も大切です。なぜなら、模倣は社会性を向上させる課題にもなり、また、学習(お勉強だけではありません。物事を獲得する広い意味です)を行う上で非常に有効だからです。

後は、早く片足で地面を蹴ること。なので、早く地面を蹴ることを教えるために、「加速」の練習をしています。

そして、この練習、写真の教え子が自分から練習したいと意思表示をしたので教えています。

以前の記事でも記載しましたが、キックスケーターを購入したのは保護者の方ですが、「キックスケーターを教えるために」買ったのではありません。必ず興味を持つものと確信し、現時点で子どもが達成しやすい玩具を購入しようとした結果、キックスケーターになったのです(自転車や車などに興味を持っていたことが理由の1つです)。

そしたら、購入したその日から興味を示し、少し見本を見せたらすぐに乗り方を覚えました。

幼少期から様々なものに興味を持ち、様々なものへトライできていたわけではありませんよ。
様々な「不安」に対して激励し、行動させ、しっかりと褒めて達成させてきた賜物です。

ここで強調したいことは、いわゆる「興味を持って様々なことへ挑戦できたのは、この子だったから」では無いということです。

もちろん、獲得までにかかる時間には個人差があるでしょう。興味の内容も、できることも個人差があって当然です。
しかし、興味の幅を広げ、毎日の生活の中に動機を持ち、自分で自分のことを、その生活領域と発達領域の中で決めていく、いわゆる「自己決定」の力をはぐくませることは必ずできます。

療育で最も私自身が「楽しい」と思うこと、それは的確なアプローチによって、「行動が改善する可能性が常にある」ということです。

不安無く、様々な楽しみを見出し、適応的な行動によって充実した生活を過ごすことができる、これが最も大切です。
そして、そのために「指導計画」と「課題学習・プログラム」があり、認知の向上、それは課題の結果としてついてくるものです。


と、こんな内容の話も、いよいよ今週にNPO法人すくすくで開催する講座「自立とは」でお話していきます。

もう講座は準備万端です。後は当日を楽しみにしています。

今回も、NPO法人すくすくの近隣の学校や診療所、保健センターなどにパンフレットが貼ってあるようです。
ご協力いただいた皆様へ、この場でも御礼申し上げます。

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