北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度四月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.04.29-2023.04.30)

2023-04-28 20:04:20 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 ゴールデンウィークがいよいよはじまります今週末は旅団祭に混成団祭に連隊祭と学校祭が執り行われます。

 第14旅団創設17周年善通寺駐屯地祭、駐屯地は73周年を迎えることとなりました。四国全域を防衛警備管区とします第14旅団はかつて第2混成団として編成され1981年より任務に当たっていましたが、即応近代化旅団として第14旅団へ拡大改編、そののちに機動戦闘車や装甲車両を大量に装備し即応機動連隊を隷下に置く機動旅団へ改編を受けています。

 善通寺駐屯地、最寄り駅はJR四国善通寺駅で、ここは空海さん縁の善通寺に隣接していまして、駅から善通寺のほうへ行きますと四国学院大学前を経て駐屯地前の大通りに到着します。さすが四国というべきでしょうか、駅から駐屯地まで、うどん屋さんが何軒もありまして、朝から営業しているお店もあり、おうどんを朝食とできるのが四国らしいです。

 市街パレードをおこなう駐屯地としても知られまして、記念行事と訓練展示をおこなったあとに市街パレードを行うというのが例年の実施でした。ですからよい場所をどのように確保するのかということと、数両が参加し意外に大きな16式機動戦闘車の空包射撃で発砲炎をどのように撮影するか、というところが善通寺駐屯地祭の印象ぶかいところでした。

 中部方面混成団創設16周年大津駐屯地祭、今年、大津駐屯地は64周年を迎えます。中部方面混成団は教育訓練部隊である第2教育団へ中部方面隊管内の即応予備自衛官基幹普通科連隊を隷下に統合し新編された混成団で、第109教育大隊と第110教育大隊に加えて第47普通科連隊と第49普通科連隊、そこに陸曹教育隊という、かなり大きな部隊なのです。

 大津駐屯地祭、昔失敗したのは新快速の停車するJR東海道線大津駅からシャトルバスを利用したのですが、意外と渋滞するのです。始発バスがかなり時間がかかってしまいまして、最寄り駅の京阪南滋賀駅から徒歩のほうが早いのかもしれません。琵琶湖畔の駐屯地、体験試乗では琵琶湖上での94式水際地雷原敷設車に乗れたり、いろいろ凄いことがおおい。

 教育訓練部隊ということですが、自衛官候補生が多数訓練を受けている部隊ですので、見所は、自衛隊体操です。体操なんてとおもわれるかもしれませんが何しろ人数が根本から違いますので迫力も凄いのです。例年であれば訓練展示も実施され、74式戦車とFH-70榴弾砲の空包射撃が琵琶湖上に響きなかなかの迫力、空挺部隊が降下することもありました。

 高射学校創設記念下志津駐屯地祭、駐屯地は68周年を迎えます、つつじ祭という別名がありまして、駐屯地はつつじの花が満開で美しいのですが、高射学校の装備が凄いのでだれも花を見ていないということで有名な駐屯地でもある。下志津駐屯地は、最寄り駅四街道駅から若干距離があるのですがシャトルバスの運行が無く、道に迷わぬようご注意を。

 下志津駐屯地は、映画"ガメラ大怪獣空中決戦"で地対空ミサイルのロケを行った場所、このマンションだ、と直ぐ気づく立地なのですが、なにしろ装備が87式自走高射機関砲に03式中距離地対空誘導弾に11式短距離地対空誘導弾とかなりのもので、現在北朝鮮の人工衛星発射危機が進行中であるだけに、空襲警報とタイムリーで注目の行事といえましょう。

 87式自走高射機関砲は、車体部分が74式戦車となっていまして瞬発交戦能力の高い装備です、これは現在共通装軌式車両に車体部分を交換してえんめいする計画が示されているのですが、大柄ですが意外に素早く動き回ることができる装備で、各種高射装備の動きのちがいなどを比較できるのも下志津の高射学校祭の興味深いところなのかもしれません。

 金沢駐屯地創設73周年記念行事、第10師団隷下の第14普通科連隊が駐屯しています。師団普通科連隊ということでナンバー中隊が4個と重迫撃砲中隊に本部管理中隊という編成、十年近く前の話ですが昔は対戦車中隊も置かれていまして、当時はこれだけの重装備があって後継装備に置き換えられるならば充分、と唸らされたものなのですが。さてさて。

 第14普通科連隊の金沢駐屯地、路線バスが交通手段です。最寄り駅は北陸鉄道の野町駅なのですが直線で3kmほどありまして、金沢駅からは7kmほど離れている、市バスの21系統と22系統と25系統、もしくは金沢大学付属学校自衛隊前、という大学の自衛隊みたいな名前のバス路線を利用しますと金沢駐屯地は目の前ですので、充分ご確認ください。

 金沢駐屯地祭の見所は、火炎放射やガラス割です、こう書きますと後者の方はよくわからないのですが、市街戦展示においてけっこう荒っぽい展示を行うのですね。このほか、式典会場は案外に広い場所ですので戦車の空砲射撃や普通科部隊ならではの近接戦闘展示など注目する点も多い。例年九月に行われています行事、今年は早いのが印象です。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・4月29日:高射学校創設記念下志津駐屯地祭
・4月30日:金沢駐屯地創設73周年記念行事
・4月29日:中部方面混成団創設16周年大津駐屯地祭
・4月29日:第14旅団創設17周年善通寺駐屯地祭

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペトリオット部隊先島諸島展開完了-北朝鮮人工衛星発射,アメリカ海兵隊のPAC-3とF-35戦闘機連節運用研究

2023-04-28 07:00:51 | 防衛・安全保障
■臨時情報-北朝鮮人工衛星
 北朝鮮人工衛星発射に備え沖縄救援隊のミサイル防衛部隊が先島諸島へ展開中です。

 自衛隊のミサイル防衛部隊先島諸島展開がほぼ完了しました。北朝鮮人工衛星打ち上げに備えての ブースター部分や分離した格納容器など落下物警戒、航空自衛隊は西部航空方面隊のペトリオットミサイル部隊のうち、弾道ミサイル迎撃部隊の大半を引き抜いて沖縄に配置するとともに、もちろん海上自衛隊もイージス艦を展開させ落下に備えます。

 27日朝には石垣島へ自衛隊傭船はくおう入港となり、39両の各種車両を石垣駐屯地へ搬入、また、はくおう輸送任務は続いて与那国島へも向かっているとのこと。またこのほか、宮古島には輸送船2隻の入港をNHKが報道しています。宮古島分屯基地へは前回の北朝鮮人工衛星打ち上げにさいしても沖縄救援隊のペトリオットミサイル部隊が展開していました。

 はくおう、報道されるところでは今回輸送したのはPAC-3ミサイル発射機以外の車両とのことで、ここに弾薬車が含まれるかについては報道されていませんが、傭船契約の関係上弾薬を輸送できない可能性もあります。たほう、PAC-3発射機そのものはC-2輸送機によりいちばん最初に空輸されており、今回の輸送では迎撃体制の準備に影響はありません。

 F-35戦闘機との連接、今回痛感したのはペトリオットミサイルPAC-3発射機だけであればC-2輸送機により空輸できるという点と、アメリカ海兵隊が進めるペトリオットミサイルのF-35戦闘機との連接試験を自衛隊でも進める必要性についてです。ペトリオットミサイルは発射機単体では射撃できません、レーダーや火器管制、電源車などの支援が必要です。

 アメリカ海兵隊はこの点について、F-35とペトリオットミサイルをデータリンクさせることでF-35のレーダーによりペトリオットミサイルを誘導する新しい運用を構想しており、これが実現するならば、自衛隊は緊急時にC-2輸送機により発射管制装置とPAC-3発射機だけを空輸するだけで、ミサイル防衛が可能となり、機動性が飛躍的に向上するのです。

 C-2輸送機によりPAC-3発射機だけを空輸した第一報に接し、発射機だけでは撃てないのだけれどもと若干気になりました。しかしもし政府傭船はくおう等の民間傭船では弾薬を運べないというならば即応性の点で問題であり、しかし、はくおう輸送が必要な多くの機能をF-35により補完できるならば、新しいペトリオットの可能性が開けるように思います。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする