北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度四月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.04.15-2023.04.16)

2023-04-14 20:05:40 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 桜の開花時期が例年以上に早まった関係で行事の時期も早まった、という訳ではないのですが例年の行事が行われる時期と若干違いがあります故にご注意を。

 岩国基地日米フレンドシップデイ2023、明日14日土曜日に挙行されます。例年は、といってもCOVID-19感染拡大前の時代ではありますが、毎年5月5日こどもの日に開催されていました行事が装いも新たに四月中旬の行事となりました。岩国といえば厚木基地より第5空母航空団が移駐し、アメリカ第1海兵航空団とあわせアジア最大の戦闘機基地だ。

 海上自衛隊の航空基地である岩国では海上自衛隊とアメリカ海軍、アメリカ海兵隊とさまざまな部隊の航空機が展示されるとともに飛行展示が実施、そして飛行展示には同じ山口県の小月航空基地T-5練習機教官たちによるホワイトアローズによる飛行展示、海上自衛隊航空機によるセレモニーフライト、更に陸上自衛隊も多用途ヘリコプターを飛ばします。

 ブルーインパルスも飛行展示をおこなう岩国、その飛行展示はF-35Bによる飛行展示、太平洋航空団デモフライトチームによるF-16飛行展示、第五空母航空団による編隊飛行、築城基地からはF-2戦闘機による機動飛行もおこなわれ、民間でもウィスキーパパこと内海昌浩氏やエアレースで有名な室屋義秀氏による曲技飛行展示などもおこなわれるという。

 MAGTF海兵空地任務部隊訓練展示、岩国ならではの展示としましてはアメリカ海兵隊の訓練展示が挙げられ、これは水陸両用部隊であり空中機動や航空部隊との一体運用を重視するアメリカ海兵隊ならではの戦闘様相の展示を行い、戦闘機の支援下でMV-22可動翼機による海兵地上戦闘部隊の展開、近接航空支援などの再現などが大迫力で行われる。

 ロナルドレーガン艦載機などによる展示飛行と編隊飛行とあわせ迫力がすごいのですが、一方で注意事項が。身分証明書や持ち込み禁止品などです。上記の通りアジア最大の戦闘機部隊基地であるためにその警備はアメリカの環太平洋戦略に直結、自衛隊行事では考えられないような実弾を装填した狙撃銃に機関銃や装甲車両などが展開することさえある。

 アメリカ軍基地であるため、まず日本国籍表示と顔写真が明確である旅券や自動車免許証もしくはマイナンバーカードが必要となりますし、12歳以下の方は大人の同伴が必要、運転免許証を交付されない未成年の方は学生証かマイナンバーカードが身分証として用いることが出来ます。これがないと基本、基地へは入れませんのでかならずご準備ください。

 基地保安の関係上、以下のものは持ち込めず持ち込んだ場合は没収され返還されません。無人機、キックボード、盲導犬など介助犬以外の動物、違法薬物、軍用銃や拳銃、武器となりうるもの、武器のような形状のもの、ガラス瓶、酒類、2m以上の自撮り棒、無線通信機、エアバンドレシーバー、ビーチパラソルや特大傘、テントが禁止、現用軍服なども。

 南岩国駅から2kmほどですのでシャトルバスを使わずにいっそ歩いてしまうというものも選択肢ですし岩国駅からのバスでの移動という選択肢もあります。COVID-19感染収束をうけひさしぶりの開催です、どの程度混雑するのかは想像がつきませんが、何度かいきました経験上、なかなかすばらしい飛行展示と地上展示で、おすすめの行事といえます。

 駒門駐屯地創設記念行事、もうひとつは静岡県において、こちらもCOVID-19感染拡大以来中止されていました行事がついに再開されます。日程にご注意ください、この駒門駐屯地ですが、コロナ禍下で行事が行えない内に、駒門の看板部隊でありました第1戦車大隊、あの10式戦車を装備していました第1戦車大隊が、部隊改編で廃止されてしまった。

 第1戦車大隊は自衛隊を象徴する戦車部隊の一つでした。第1偵察戦闘大隊が第1戦車大隊と第1偵察隊の廃止をうけ編成されているのですが、こちらは16式機動戦闘車を装備する部隊であるも、駐屯地は駒門ではなく朝霞駐屯地となっていますので、駒門駐屯地に残る第1師団隷下部隊は、とうとう第1高射特科大隊と支援部隊だけとなってしまいました。

 機甲教導連隊、ただ駒門駐屯地には富士教導団戦車教導隊と第1機甲教育隊を統合して2019年に新編された機甲教導連隊が駐屯していまして、こちらは戦車中隊4個と機動戦闘車を装備する戦闘中隊に偵察隊を隷下に有する、戦車部隊としてはかなり大きな部隊が駐屯しています。そして国際活動教育隊も駐屯、富士地区は戦車、を象徴する駐屯地だ。

 御殿場市の御殿場線富士岡駅が最寄り駅、そして戦車部隊といえば富士地区では富士学校の置かれる富士駐屯地が有名ですが、駒門駐屯地は富士駐屯地と比較して驚くほど狭いのでご注意ください、ご注意というのは人口密度がすごいことになり、ちょっと撮影には早めの行動か工夫が必要という駐屯地です。しかし展示も迫力ある新年度お勧めの行事です。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・4月15日:駒門駐屯地創設記念行事
・4月15日:岩国基地日米フレンドシップデイ2023

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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北朝鮮ミサイル脅威-仮に落下した場合,不発弾や漏洩物など安全管理をいかに迅速に行うか-消防救急は対応可能か

2023-04-14 07:00:25 | 国際・政治
■臨時情報-ミサイル防衛
 ミサイルは弾頭は危険ですが同時に、液体燃料型であればヒドラジンが発癌性の高い危険物ですし固体燃料型であれば残滓は燃焼危険のある危険物です。

 ミサイル脅威、今後真剣に検討しなければならないのは、もし実際に本土へ落下し被害がでた場合の対処法です。もちろん反撃だ、という意気軒昂な意見が出てくるかも知れませんが、それよりも人的被害がでた場合の救助などについてです。これは即座に消防を派遣し救助や消火作業をおこなうことができるのか、という視点から先ず重要となります。

 通常弾頭で爆発した場合、これはもちろん戦術弾道弾であれば直径20m程度のクレーターが生じる程度、直撃した建物以外は鉄筋コンクリートであれば前回は免れる可能性があります。しかし、クラスター弾頭や化学弾頭、核弾頭など弾頭には様々なものが想定されます。すると消防や救急車を即座に出動させてよいのか安全なのか、と疑問符が生じます。

 着弾で負傷者がでた場合には、そんなことを後回しにしたくなるのでしょうが、NBC防護部隊による安全確認と不発弾処理を行わずに救助活動を行えるのか、行うとしたならばどの程度の時間を要するのか、という問題が生じます。他方、自衛隊のNBC防護部隊は、今回ミサイル警報が発令された北海道では、札幌、旭川、帯広、千歳などに置かれている。

 道知事より自衛隊へ出動要請が出された場合に、即座に出動したとして落下地域がこれらNBC防護部隊の駐屯地付近であれば比較的短時間で安全確認は行えるでしょうが、また不発弾などの危険性の確認を含め安全確認を行う場合、武器科部隊の不発弾処理隊を派遣することになりますので、救助作業開始まで現状で十時間程度は掛かるのかも知れません。

 福島第一原発事故、忘れてはならないのは安全確認が出来ない場合、2011年の福島第一原発事故における警戒地域での国民保護、病院入院患者輸送などに消防が支援に対応できなかったように安全確認をできなければ消防や救急が任務に当たることが出来ない可能性もあります。核汚染や特殊武器防護機材は消防警察に余裕がない。平時からの準備が必要だ。

 ミサイルが落下したが、大きな爆発が発生しなかった場合、これが実験弾頭で爆発しないものなのか、不発で危険なものなのか、核汚染物質を搭載しているものが不発であるのか、専門機材と訓練された部隊を即応待機させなければ、外見だけでは判断できません。このあたりをどう対応するか、事態の前だからこそ警察消防と自衛隊で詰めておく必要があるでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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