■特報:世界の防衛,最新論点
二月に発生したトルコシリア地震により計画に影響が在るのは必至でしょうが、震災前に提示されたトルコの潜水艦産業養成計画と新型航空機や無人機について。例によって写真はまあ代役で。
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トルコ海軍が導入する214型潜水艦4番艦についてセクション50区画というブロックが完成しました。この潜水艦はトルコのSTM社がトルコ国内のゴルチュク造船所において進めている将来潜水艦計画で、もともとドイツのHDWホヴァルツヴェルケドイツ造船社が輸出用に設計していた潜水艦、2009年にトルコとの輸出契約が一旦結ばれています。
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214型潜水艦はもともと2009年の段階で2014年から6隻が引き渡される計画でしたが、トルコ政府がライセンス生産を求めたため、計画が頓挫、改めて2016年に6隻のライセンス生産契約が締結されました、6隻の214型潜水艦のライセンス生産費用は100億ドルという巨額のもので、推進システムと燃料電池システム以外はトルコで建造されるという。
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セクション50区画は今回トルコがライセンス生産したもので、先行建造されたものは海上試験中、艦首部分のソナードーム区画や魚雷発射管などの複雑な構造となりますが、今回トルコ国内においてライセンス生産されたとのこと。トルコ政府はこの巨額契約とともに潜水艦建造技術を習得し、将来的にはトルコ製潜水艦の海外輸出を検討しているようです。
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パキスタン海軍はトルコのSTM社よりフランス設計アゴスタ90B型潜水艦改良型2番艦カハリドを受領しました。これはパキスタン海軍が3隻を装備しているアゴスタ90B型潜水艦が導入から長期の運用を経て老朽化と旧式化が進んでおり、トルコのSTM社により延命改修とともに近代化改修を実施するものです。既に一番艦か改修が完了しています。
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アゴスタ改修パッケージ、トルコSTM社では新造潜水艦建造ではなく、敢えて旧式潜水艦の延命改修を提示しており、パキスタン海軍は3隻の改修を契約、ハムザ、一番艦は2022年までに改修を完了するとともにその改修実証訓練としてシースパーク2022演習へ参加し、実魚雷発射実験に成功、続いて魚雷による退役艦を標的とした実験を完了しました。
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アゴスタ級潜水艦は1970年代にフランスが開発しフランス海軍が導入するとともに各国へ輸出した潜水艦で、スペイン海軍とパキスタン海軍へ輸出した実績があり、魚雷16発を搭載するほか、エクゾセ艦対艦ミサイルの水中発射能力を有しています。この改修によりパキスタン海軍は今後も15年程度はアゴスタ級潜水艦を継続運用することが可能となります。
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トルコのTAIトルコ航空宇宙産業は、新型のハージェットHAT高等練習機とLCA軽戦闘航空機の試作機について、初飛行へエンジン搭載試験を開始しました。ハージェットアドバンスドトレイナーとライトコンバットエアクラフト、TAIトルコ航空宇宙産業では一機種の基本航空機を基に二機種の航空機、高等練習機と軽戦闘機を同時開発する計画です。
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ハージェットHAT高等練習機は現在試作機が4機同時製造されています、このエンジン搭載は二月初旬に実施されましたが、TAIトルコ航空宇宙産業によれば初飛行を三月中旬に予定しているとのことです。同社の構想では2024年までに試作作業を完了し7機程度の先行量産に入り、2025年からは月産2機年産24機の量産を計画しているとのこと。
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T-38高等練習機とF-5軽戦闘機、トルコ空軍では老朽化が度を越して進行中のこれら後継機にハージェットHAT高等練習機とLCA軽戦闘航空機を充てる構想とのことで、トルコスターズアクロバット飛行隊へも配備を計画、併せてF-16ほどの高性能を求めないものの一定水準の戦闘機を必要としている諸国へLCA軽戦闘航空機を輸出する構想です。
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トルコのバイラクタル社は新型のバイラクタルDIHA垂直離着陸無人機の飛行試験において高度2500mまでの上昇を達成しました。バイラクタルTB-2無人機などトルコ製無人機は2022年ロシアウクライナ戦争における当初難しいとされたロシア軍への攻撃に成功し、2020年ナゴルノカラバフ戦争では初動において航空打撃力を担った航空機です。
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バイラクタルDIHA垂直離着陸無人機は、いわゆるクワッドドローンのようなヘリコプター型の航空機ではなく固定翼を有し、且つ回転翼による垂直離着陸能力を有するもので、自動巡航と自律離陸及び自律着陸さらに加えて半自律巡航飛行機能などを有しており、着陸には垂直着陸か胴体着陸、パラシュートによる制動落下などが選択できるとのこと。
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バイラクタルTB-2無人機と同じく管制には傍受されにくい指令ビーム方式が採用、逆に飛行管制を行うにはこの特性上有視界内を飛行する必要がありますが、今回の高度2500mまでの上昇能力は、高ければそれだけ広範囲からの指令受信が可能となります。バイラクタル社はこの種の航空機を水上戦闘艦や強襲揚陸艦からの運用も視野に開発を進めています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
二月に発生したトルコシリア地震により計画に影響が在るのは必至でしょうが、震災前に提示されたトルコの潜水艦産業養成計画と新型航空機や無人機について。例によって写真はまあ代役で。
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トルコ海軍が導入する214型潜水艦4番艦についてセクション50区画というブロックが完成しました。この潜水艦はトルコのSTM社がトルコ国内のゴルチュク造船所において進めている将来潜水艦計画で、もともとドイツのHDWホヴァルツヴェルケドイツ造船社が輸出用に設計していた潜水艦、2009年にトルコとの輸出契約が一旦結ばれています。
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214型潜水艦はもともと2009年の段階で2014年から6隻が引き渡される計画でしたが、トルコ政府がライセンス生産を求めたため、計画が頓挫、改めて2016年に6隻のライセンス生産契約が締結されました、6隻の214型潜水艦のライセンス生産費用は100億ドルという巨額のもので、推進システムと燃料電池システム以外はトルコで建造されるという。
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セクション50区画は今回トルコがライセンス生産したもので、先行建造されたものは海上試験中、艦首部分のソナードーム区画や魚雷発射管などの複雑な構造となりますが、今回トルコ国内においてライセンス生産されたとのこと。トルコ政府はこの巨額契約とともに潜水艦建造技術を習得し、将来的にはトルコ製潜水艦の海外輸出を検討しているようです。
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パキスタン海軍はトルコのSTM社よりフランス設計アゴスタ90B型潜水艦改良型2番艦カハリドを受領しました。これはパキスタン海軍が3隻を装備しているアゴスタ90B型潜水艦が導入から長期の運用を経て老朽化と旧式化が進んでおり、トルコのSTM社により延命改修とともに近代化改修を実施するものです。既に一番艦か改修が完了しています。
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アゴスタ改修パッケージ、トルコSTM社では新造潜水艦建造ではなく、敢えて旧式潜水艦の延命改修を提示しており、パキスタン海軍は3隻の改修を契約、ハムザ、一番艦は2022年までに改修を完了するとともにその改修実証訓練としてシースパーク2022演習へ参加し、実魚雷発射実験に成功、続いて魚雷による退役艦を標的とした実験を完了しました。
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アゴスタ級潜水艦は1970年代にフランスが開発しフランス海軍が導入するとともに各国へ輸出した潜水艦で、スペイン海軍とパキスタン海軍へ輸出した実績があり、魚雷16発を搭載するほか、エクゾセ艦対艦ミサイルの水中発射能力を有しています。この改修によりパキスタン海軍は今後も15年程度はアゴスタ級潜水艦を継続運用することが可能となります。
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トルコのTAIトルコ航空宇宙産業は、新型のハージェットHAT高等練習機とLCA軽戦闘航空機の試作機について、初飛行へエンジン搭載試験を開始しました。ハージェットアドバンスドトレイナーとライトコンバットエアクラフト、TAIトルコ航空宇宙産業では一機種の基本航空機を基に二機種の航空機、高等練習機と軽戦闘機を同時開発する計画です。
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ハージェットHAT高等練習機は現在試作機が4機同時製造されています、このエンジン搭載は二月初旬に実施されましたが、TAIトルコ航空宇宙産業によれば初飛行を三月中旬に予定しているとのことです。同社の構想では2024年までに試作作業を完了し7機程度の先行量産に入り、2025年からは月産2機年産24機の量産を計画しているとのこと。
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T-38高等練習機とF-5軽戦闘機、トルコ空軍では老朽化が度を越して進行中のこれら後継機にハージェットHAT高等練習機とLCA軽戦闘航空機を充てる構想とのことで、トルコスターズアクロバット飛行隊へも配備を計画、併せてF-16ほどの高性能を求めないものの一定水準の戦闘機を必要としている諸国へLCA軽戦闘航空機を輸出する構想です。
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トルコのバイラクタル社は新型のバイラクタルDIHA垂直離着陸無人機の飛行試験において高度2500mまでの上昇を達成しました。バイラクタルTB-2無人機などトルコ製無人機は2022年ロシアウクライナ戦争における当初難しいとされたロシア軍への攻撃に成功し、2020年ナゴルノカラバフ戦争では初動において航空打撃力を担った航空機です。
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バイラクタルDIHA垂直離着陸無人機は、いわゆるクワッドドローンのようなヘリコプター型の航空機ではなく固定翼を有し、且つ回転翼による垂直離着陸能力を有するもので、自動巡航と自律離陸及び自律着陸さらに加えて半自律巡航飛行機能などを有しており、着陸には垂直着陸か胴体着陸、パラシュートによる制動落下などが選択できるとのこと。
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バイラクタルTB-2無人機と同じく管制には傍受されにくい指令ビーム方式が採用、逆に飛行管制を行うにはこの特性上有視界内を飛行する必要がありますが、今回の高度2500mまでの上昇能力は、高ければそれだけ広範囲からの指令受信が可能となります。バイラクタル社はこの種の航空機を水上戦闘艦や強襲揚陸艦からの運用も視野に開発を進めています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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