■選挙狙うテロリズム再び
一票よりも一発の方が確実という状況が再来しました。昨年安倍元総理大臣暗殺事件の際にバポン滴対策が行われなければ政治を変えるには暴力という時代の到来を懸念しましたが。
雑賀崎漁港、和歌山県の漁港において本日1130時頃、現職の総理大臣をねらった暗殺未遂事件が発生しました。事件は衆議院補欠選挙の応援演説に訪れた岸田総理大臣をねらい、集まった聴衆の中に潜んだ暗殺者が演説直前にパイプ爆弾を投擲、総理大臣は警護官に守られ無事でしたが暗殺者が二発目に点火しようとしたところを、聴衆に叩き落されている。
警察は兵庫県川西市在住の21歳男を威力業務妨害野疑いで緊急逮捕しました。現職の総理大臣、しかも昨年の安倍元総理大臣暗殺事件と同じ選挙演説中の襲撃事件であり、さらに現職総理大臣の襲撃という危機管理上の問題、文字通り日本の国家運営さえ左右する状況はロイターやCNN,BBCやAFPなど世界でもいち早く、驚きをもって報道されました。
警備強化、昨年七月の安倍元総理暗殺事件の教訓が殆ど活かされていないという印象で、考えなければならないのは今回使用されたパイプ爆弾はもともと昨年、暗殺者が安倍元総理襲撃を計画するさいに、爆弾を検討していたが爆発力が十分ではないために手製銃を製造した、という点です。この点でいえば襲撃方法が殆ど同じだったという点を挙げたい。
街頭演説、今回は水産センターでの襲撃となりましたが、根本的な要因は不特定多数が集まる場所での街頭演説という、安倍元総理暗殺事件に際しての警備問題が全く解決されていないという点です。事件現場は突堤が海に突き出るような地形であり、言い換えれば入り口は一カ所、入口手荷物検査をおこなえば簡単に爆弾持ち込みを発見できた場所です。
選挙、日本は街頭演説を寿視しており候補者全員の立ち会い演説のような、会場を設定して御選挙活動は過去のものとなっています。これは有権者の政治無関心、というよりも日本の労働形態が政治活動に参加する余暇を捻出しにくいことが背景にあるためといえるのですが、気軽に駅前や人の集まる場所での選挙活動が重視される背景といえるでしょう。
立会演説会への回帰、難しいのはやはり投票率が低下しており、これは政治無関心なのか政治不信なのかが明確にわかり難いものなのですが、街頭演説から警備が簡単である立会演説会へ回帰した場合に政治無関心が拡大しないかということです。一方、街頭演説を制限する場合は、一部政治家のみに適用するようでは選挙の公正性を保てない難点もある。
警備強化。人数は増えていたようですが今回の襲撃事件は、実行犯が二つ目の爆発物に点火しようとしたところをたたき落としたのは和歌山県の漁師さんでした。思い出すのは1978年12月18日の大平総理暗殺未遂事件で、首相官邸で大平総理が襲撃された際に襲撃者を警護官とともに取り押さえた毎日新聞記者の活躍です。漁師さんの頑張りがすごい。
警備、しかし言い換えれば対応したのが民間人であり、もちろん相手が爆弾投擲に着手した時点で警備失格といえるのですが、この警備体制をどうにかすることはできなかったのか、そもそも人数を増員したこと以外に警備体制の強化が行われていないように見受けられるのです。そしてこうした警備は、日本国内だけで養成できるのかという疑問もある。
アメリカのUSSSシークレットサービス、もしくは紛争地域での要人警護を担うデルタフォースのような、日本国内には教育訓練基盤がないことを素直に認め、要人警護訓練を同盟国などに協力を要請し、特殊部隊要員養成は200週間といいますので、このうち外国語課程を必要とするかは議論の余地があるでしょうが、海外での要員養成も検討すべきだ。
日本型の警備の必要性は、一方で同時に検討すべきではあります。これは安倍政権時代の北海道選挙演説妨害事件に際して、司法は警備過剰という判決を下した事例があり、要するに政治家が暗殺される危険性と警備過剰の中間線を担うには、日本型の警備と、各国の、少なくとも襲撃を回避させる手法との中間線、難しいその分水嶺は検討せねばなりません。
暗殺犯の動機などを報道すべきではないようにも思う。表現の自由や秘密裁判を禁じた日本国憲法に抵触すると反論があるでしょうが、日本国憲法は首相暗殺未遂事件や元首相暗殺事件というものを想定していません、この上で考えなければならないのは、犯人が政治主張を行う際に暗殺を殺害目的ではなく主張の流布が目的である場合がある。留意すべき。
憲法と抵触の可能性があるために、例えば犯人の主張などは裁判において明らかにするなど、例えば公判が始まるまでの期間的なものであっても、主張をマスコミが報道することを自制させ、暗殺事件を実行することで政治主張が通りやすい環境を提供することがあってはならない、ということです。この為には報道機関の倫理観が問われるものと考えます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
一票よりも一発の方が確実という状況が再来しました。昨年安倍元総理大臣暗殺事件の際にバポン滴対策が行われなければ政治を変えるには暴力という時代の到来を懸念しましたが。
雑賀崎漁港、和歌山県の漁港において本日1130時頃、現職の総理大臣をねらった暗殺未遂事件が発生しました。事件は衆議院補欠選挙の応援演説に訪れた岸田総理大臣をねらい、集まった聴衆の中に潜んだ暗殺者が演説直前にパイプ爆弾を投擲、総理大臣は警護官に守られ無事でしたが暗殺者が二発目に点火しようとしたところを、聴衆に叩き落されている。
警察は兵庫県川西市在住の21歳男を威力業務妨害野疑いで緊急逮捕しました。現職の総理大臣、しかも昨年の安倍元総理大臣暗殺事件と同じ選挙演説中の襲撃事件であり、さらに現職総理大臣の襲撃という危機管理上の問題、文字通り日本の国家運営さえ左右する状況はロイターやCNN,BBCやAFPなど世界でもいち早く、驚きをもって報道されました。
警備強化、昨年七月の安倍元総理暗殺事件の教訓が殆ど活かされていないという印象で、考えなければならないのは今回使用されたパイプ爆弾はもともと昨年、暗殺者が安倍元総理襲撃を計画するさいに、爆弾を検討していたが爆発力が十分ではないために手製銃を製造した、という点です。この点でいえば襲撃方法が殆ど同じだったという点を挙げたい。
街頭演説、今回は水産センターでの襲撃となりましたが、根本的な要因は不特定多数が集まる場所での街頭演説という、安倍元総理暗殺事件に際しての警備問題が全く解決されていないという点です。事件現場は突堤が海に突き出るような地形であり、言い換えれば入り口は一カ所、入口手荷物検査をおこなえば簡単に爆弾持ち込みを発見できた場所です。
選挙、日本は街頭演説を寿視しており候補者全員の立ち会い演説のような、会場を設定して御選挙活動は過去のものとなっています。これは有権者の政治無関心、というよりも日本の労働形態が政治活動に参加する余暇を捻出しにくいことが背景にあるためといえるのですが、気軽に駅前や人の集まる場所での選挙活動が重視される背景といえるでしょう。
立会演説会への回帰、難しいのはやはり投票率が低下しており、これは政治無関心なのか政治不信なのかが明確にわかり難いものなのですが、街頭演説から警備が簡単である立会演説会へ回帰した場合に政治無関心が拡大しないかということです。一方、街頭演説を制限する場合は、一部政治家のみに適用するようでは選挙の公正性を保てない難点もある。
警備強化。人数は増えていたようですが今回の襲撃事件は、実行犯が二つ目の爆発物に点火しようとしたところをたたき落としたのは和歌山県の漁師さんでした。思い出すのは1978年12月18日の大平総理暗殺未遂事件で、首相官邸で大平総理が襲撃された際に襲撃者を警護官とともに取り押さえた毎日新聞記者の活躍です。漁師さんの頑張りがすごい。
警備、しかし言い換えれば対応したのが民間人であり、もちろん相手が爆弾投擲に着手した時点で警備失格といえるのですが、この警備体制をどうにかすることはできなかったのか、そもそも人数を増員したこと以外に警備体制の強化が行われていないように見受けられるのです。そしてこうした警備は、日本国内だけで養成できるのかという疑問もある。
アメリカのUSSSシークレットサービス、もしくは紛争地域での要人警護を担うデルタフォースのような、日本国内には教育訓練基盤がないことを素直に認め、要人警護訓練を同盟国などに協力を要請し、特殊部隊要員養成は200週間といいますので、このうち外国語課程を必要とするかは議論の余地があるでしょうが、海外での要員養成も検討すべきだ。
日本型の警備の必要性は、一方で同時に検討すべきではあります。これは安倍政権時代の北海道選挙演説妨害事件に際して、司法は警備過剰という判決を下した事例があり、要するに政治家が暗殺される危険性と警備過剰の中間線を担うには、日本型の警備と、各国の、少なくとも襲撃を回避させる手法との中間線、難しいその分水嶺は検討せねばなりません。
暗殺犯の動機などを報道すべきではないようにも思う。表現の自由や秘密裁判を禁じた日本国憲法に抵触すると反論があるでしょうが、日本国憲法は首相暗殺未遂事件や元首相暗殺事件というものを想定していません、この上で考えなければならないのは、犯人が政治主張を行う際に暗殺を殺害目的ではなく主張の流布が目的である場合がある。留意すべき。
憲法と抵触の可能性があるために、例えば犯人の主張などは裁判において明らかにするなど、例えば公判が始まるまでの期間的なものであっても、主張をマスコミが報道することを自制させ、暗殺事件を実行することで政治主張が通りやすい環境を提供することがあってはならない、ということです。この為には報道機関の倫理観が問われるものと考えます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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