◆快晴に恵まれた第三師団記念行事の二日間
本日も昨日の予行に続いて実施された千僧駐屯地祭、その本番へ行ってまいりました。
第三師団は、師団司令部を伊丹市千僧に置き、三個普通科連隊と特科隊に戦車大隊と施設大隊及び後方支援連隊や飛行隊等を中心とした師団で、京阪神大都市圏を含む近畿地方全域及び紀伊西部を防衛警備管区とする中部方面隊隷下の師団です。
観閲行進に臨む軽装甲機動車、千僧駐屯地祭は土曜日に全体予行を行い、日曜日に本番を実施する通例となっていまして、土曜日は来賓を招かない予行として実施されるため本番では立ち入ることが出来ない来賓席からの訓練展示などを撮影し、本番に別の位置から撮影する、という方法で撮影できるところ。
本年度の新装備の目玉、NBC偵察車、二両が並んでの観閲行進への参加となりました。教育部隊を除けば、福島第一原発を抱える第六師団と首都防衛を担う第一師団に続いての第三特殊武器防護隊への配備、当方も実戦部隊に配備されたNBC偵察車を見たのは、第三特殊武器防護隊の車両が初めてでした。
第三戦車大隊の74式戦車、遠からずこの74式戦車は機動戦闘車か10式戦車に代替されることとなり、2日部隊へは射程の大きな中距離多目的誘導弾が配備されることでしょう。その後間をおかず、93式近距離地対空誘導弾は近接戦闘車へ。特科隊のFH-70榴弾砲は自走榴弾砲である火力戦闘車に置き換えが始まる事でしょう。
訓練展示は三脚を設置できない地形でしたので、EOS-7DとEOS-50Dのみで撮影しました。従って、速報記事ではG-16で撮影しました状況終了後の写真を。第三師団ですが、ここ十年間で96式装輪装甲車や軽装甲機動車と01式軽対戦車誘導弾、着実に近代化を進めていまして、想定される脅威への対応に尽力してきています。
元々陸上自衛隊の師団は、野戦特科部隊が牽引砲としては世界最高性能のFH-70を対砲レーダ装置や情報システムに裏打ちされた装備を持ち、対空レーダ装置と低空レーダ装置を持ち野戦用としては比較的充実した防空戦力を有し、戦車は近代化の更新速度が落ちてはいますが常に世界最高水準のものを開発してきています。
陸上自衛隊全体としては空中機動部隊を重視し輸送ヘリコプターと対戦車ヘリコプターの質と量では世界的に見ても非常に充実した装備体系を持っています。ただ、国土の地形に対応するべく地形防御を重視した運用体系を採ったため装甲車両がこれまで少なく、識者のなかにもこの点を理解せず批判する方がいましたが、近年、順次地形防御から機動防御へ転換を進めており、今後の近代化が大きな関心事と言えるでしょう。
北大路機関:はるな