北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

パシフィックパートナーシップ2014 ヴェトナム・カンボジア・フィリピン輸送艦くにさき等派遣

2014-05-21 23:55:06 | 国際・政治

◆人員230名・NPO職員12名と輸送艦・輸送機派遣 

 防衛省によれば、自衛隊は6月6日より実施されるパシフィック・パートナーシップ2014へ部隊を派遣することとなりました。

Img_6611_1 パシフィック・パートナーシップは民主党鳩山政権時代より自衛隊を友愛ボートとして派遣することとなった多国間演習で、関係国との間の相互理解及び協力の促進を図ると共にNPO等との協力の促進を図るとともに、参加国軍間における国際平和協力業務及び国際緊急援助活動に係る医療及び輸送に関する技量の向上を目指すもの。

Eimg_7436  自衛隊の派遣部隊は、訓練参加部隊としまして、自衛隊医療要員として人員約40名、陸自施設要員として人員約10名、派遣部隊の輸送支援に海上自衛隊より人員約150名と輸送艦くにさき、航空自衛隊より輸送支援として人員約30名、C-1輸送機1機が派遣されます。

Fimg_5899 民間NPOとしては、公募制での資格を満たした機関として特定非営利活動法人国際緊急医療衛生支援機構から12名の職員が参加します。鳩山内閣時代の本演習への参加が決定した際には自称NGOの親民主系団体が参加するのでは、という危惧もありましたが、参加開始以降民間団体にも一定の経験などが求められ、杞憂であったことが分かりました。

Img_1802 本演習には米軍なども参加し、この他様々な自然災害や人道危機の際などに活動実績を有する各国のNPOも多数が参加、特に我が国は国際平和維持活動や国際緊急人道支援任務においてNPOとの享禄体系を構築することが非常に重要であり、パシフィック・パートナーシップの成果は既に実任務において反映されているとのこと。

Iimg_1655 特に今回派遣されますフィリピンは昨年台風30号被害に際しての自衛隊統合任務部隊派遣においてパシフィック・パートナーシップの成果が反映されたといいますし、我が国としても例えば南海トラフ地震等の大規模災害に際しては、その被害想定の大きさから東南アジア諸国や各国NPOとの連携は十分考えなければなりません。

Mimg_5259 訓練地域はヴェトナムにおいて6月6日から15日まで、カンボジアにおいて6月19日から28日まで、フィリピンにおいては7月4日から15日までの期間が予定されています。なお、本訓練は参加国間の信頼醸成が目的の一つともされていますので、我が国とヴェトナムやカンボジアにフィリピンとの友好関係強化にも寄与することでしょう。

Nimg_9835 他方で副次的な波及効果としまして、我が国が直面する海洋秩序への周辺国からの軍事力をもっての恫喝という防衛上の憂慮すべき諸問題について、今回自衛隊がパシフィック・パートナーシップとして派遣されるヴェトナム及びフィリピンに対して同様の環境があり、信頼醸成の強化は大きな意味があるところです。

Mimg_1303 これは単純に集団的自衛権論争に収斂させるようなものでは無く、多国間の信頼醸成措置を以て武力紛争以外の対応を最大限正面に出すことにつなぐことが出来ると共に、その輪に軍事圧力を掛ける当事者同士を包含する方策を模索し、国際公序の輪に含めるという国際関係への展開も期待できるでしょう。

北大路機関:はるな

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コメント (2)
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