防衛省によれば自衛隊は6月2日より平成26年度自衛隊統合防災演習を実施するとのこと。
この演習は震災発生時の自衛隊の対処能力と頭語運用能力の強化を期して実施され、陸海空自衛隊の幕僚監部、陸上自衛隊各方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、海上自衛隊各地方隊、航空総隊、航空支援集団、在日米軍や各府省庁と地方自治体より3000名が参加し、統合幕僚長が統裁官を務めるもの。
本演習は、発災直後の震災対処統合任務部隊と各上級部隊の指揮幕僚活動及び連携要領を演練すると共に、関係各機関との連携を併せて演練するもので、演習地区として市ヶ谷基地を拠点とし、演習参加部隊所在地との間で演習が進められると発表されました。
東日本大震災災害派遣を契機に自衛隊は迅速に統合任務部隊を編成し統合運用体制を展開するという訓練がそのまま実任務へ反映させることが示されています。他方、南海トラフ地震は被害想定地域が広大であり、被害も非常に広い地域に及ぶこととなるため、その準備態勢の構築に充分と言えるものはありません。
特に太平洋岸の大都市が一斉に震災と津波被害を受ける想定であり、本来、被災地域の支援拠点となるべき大都市が一斉に被害を受けると共に重要港湾と沿岸の空港設備が津波被害を受け、日本海側の空港と港湾、鉄道と道路を駆使しなければ初動にも支障が及ぶでしょう。
併せて、南西諸島における緊張状態が現状のまま推移した場合、防衛警備体制を維持したまま、場合によっては防衛警備体制を強化させる必要が生じる程度に圧力が加えられる危惧があり、我が国として如何に被害を局限化させ、復旧を復興の端緒に繋げるかが、大きな課題となります。
現段階では大阪府や国の中央防災会議などの想定で、京阪神都市圏は大阪市で、中京都市圏でも名古屋市でその中心部までが津波浸水の可能性を有し、死者は最大で32万という東日本大震災を遙かに超える想定となっており、減災と防災の両立、国全体の課題ですが、その状況下で自己完結能力を有する自衛隊がどういう役割を担うか、事前に充分検証し備えなければなりません。
北大路機関:はるな