北大路機関

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CH-47J輸送ヘリコプター(空自) 新造497号機

2007-05-12 01:30:47 | 航空自衛隊 装備名鑑

■川崎重工の新造機

 航空自衛隊向けCH-47J輸送ヘリコプターの新造機である497号機の写真を資料分析の狭間にて発見した。機体に497号機とある為、川崎重工岐阜工場を離陸した新造機の試験飛行中のものであると思われる。

Img_3614_2  撮影日時は記録によれば五枚とも2007年2月3日1500時前後に撮影。航空自衛隊には現在18機(16機と装備年鑑05には記載)のCH-47Jが配備されているが、この新造機は耐用年数限界に伴う用途廃止機の代替として導入される機体で、27機目のCH-47Jである。

Img_3613  機首部分の形状から、陸上自衛隊のCH-47JAに準じた仕様の機体で、487号機以降の調達分から機首にレーダーを搭載した能力向上型に移行しているが、本機は機首下部に前方監視赤外線センサー(FLIR)を搭載した最初の機体との事である。

Img_3608  航空自衛隊ではレーダーサイト間の物資輸送などに輸送ヘリコプターを用いており、運用環境に準じて、陸上自衛隊とは異なる迷彩を施していることが見て取れる(機体番号などはJウイング誌通巻105号記事などを参考)。

Img_3611  自衛隊装備年間によれば、胴体は15.88㍍×4.80㍍。有効搭載量は11.2㌧、巡航速度は200km/hで、7㌧搭載時に燃料を満載しての航続距離は約750km。1984年に初号機調達、1986年より配備開始。ただし、実質的に陸上自衛隊がJ型JA型と区別している部分をJ型として自衛隊装備年鑑には掲載されている。

Img_3617  能力向上型の機体はFLIRの搭載により夜間飛行能力に優れ、また燃料タンクも大型化されている。これは、レーダーサイトへの末端輸送以外に、災害派遣に際しての物資輸送や、山林火災における消火(05年の小牧基地航空祭で展示された)にも威力を発揮する事が期待されるものである。

HARUNA

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