■61式電車:パノラマカー
日本には様々な鉄道車両があり、日々国内の交通を支え、経済活動を担い、余暇の観光を支えてきており、新幹線が無ければ高度経済成長は鈍化したであろうし、都市間高速鉄道網が無ければ持続的成長は停滞に陥り、広域路線網が不備であれば過疎は更に深刻化したであろう。
小生は様々な鉄道車両を目にしてきたがその中で最も秀逸であると感じるのは雑誌“鉄道ファン”創刊号の表紙を飾った名鉄7000形である。1961年から1975年にかけて116輌が生産された7000形は、数こそ減らしつつあるが、まだ多くの車両が現役である。今回は、一月の名古屋市消防局出初式に向かう途中撮影(こんな事をしているから“みずほ”を撮り逃す!)した7000形急行電車パノラマカーの写真を三枚掲載したい。なお、61式電車とは最古参の電車へ小生が敬意を込めて命名した愛称である。
当時、特別料金不要の鉄道車輌において冷房装備のものでさえ珍しかった中で、冷房のみならず運転台を二階に上げ、乗客に前面展望を提供するというサービスを日本に持ち込んだ最初の車輌である(特急料金不要車輌としては世界初ではないかと思う)。更に側面は連続窓を採用し、眺望を良好なものとしている(なお小田急電鉄ロマンスカーに前面展望車3100形(2000年に全車用廃)が登場したのは1963年になってからである)。
今回は、早朝の逆光時間帯を衝いて、あえて日照量から生じる淡い朱色が描かれる調整を行った。こうすることで、冬季ならではの厳しい情景がお伝えできるのではなかろうか(本当はC.ジョニー氏のような雪景色とともに撮りたいのだがそういう日ばかりに小生が名古屋にいるわけではない、残念!)。近く7000形特集紀行を計画しているので、お楽しみに。
HARUNA
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