井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

日高・富川公園の春1

2014年05月26日 | 日記


オオバナノエンレイソウ。ユリ科エンレイソウ属。
日本のエンレイソウ属、エンレイソウ、ミヤマエンレイソウとこのオオバナノエンレイソウとが基本3種とされる。
通常の植物は染色体2組をもつ2倍体だが、エンレイソウの仲間で2倍体なのはこのオオバナノエンレイソウだけで、エンレイソウ、ミヤマエンレイソウは4倍体、種間雑種には3倍体や6倍体もある。



ミヤマエンレイソウ。ユリ科エンレイソウ属。
ミヤマエンレイソウは日本全土に分布する。
ミヤマエンレイソウの学名には明治の植物収集家・須川長之助の名がつけられている。ミヤマエンレイソウ以外ではミネカエデ、イヌシデ、ミヤマイボタ、ウサギギクなどがある。和名では「チョウノスケソウ」がある。



シラオイエンレイソウ。ユリ科エンレイソウ属。
「オオバナ」と「ミヤマ」の白花同士の種間雑種がシラオイエンレイソウである。4倍体のミヤマと2倍体のオオバナとから3倍体と6倍体のシラオイが生まれる。3倍体のシラオイは両親より大型になるが種子は作れない。6倍体のシラオイは大型にならないが種子は作れる。ここのシラオイエンレイソウは6倍体の方。
シラオイには花弁の縁が波打つのと雌しべが雄しべより長くなるという特徴がでる。
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日高富川オコタン川畔の春5

2014年05月25日 | 日記


カラフトノダイオウ。タデ科ギシギシ属。
ノダイオウは「野大黄」で、根茎が薬草の「大黄」に似ているところからの命名。
エゾノギシギシが帰化種で人里の乾燥地に生えるのに対して、ノダイオウ、カラフトノダイオウは水辺、湿地に生える。エゾノギシギシの果実では縁に刺が目立つがカラフトノダイオウでは刺はなく円形になる。



レンプクソウ。レンプクソウ科レンプクソウ属。
1科1属1種の個性的な花。
花の集まりを花序というがレンプクソウの花序は他にあまり例がない。茎の頂部に上向きの花を1個つけ、その下に横向きの花を4個つける。 5個の花をつけるところから「五輪花」の別名がある。
正式な花序名ではないが、「サイコロ型花序」という言い方もある。



コバノカキドオシ。シソ科カキドオシ属。
カキドオシは「垣通し」で、花後に茎をつる状に伸ばして垣根を通り抜けるというので垣通し呼ばれる。
「コバノ」は「小葉の」で、葉が小さい垣通しの意味。こちらは帰化種。
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日高富川オコタン川畔の春4

2014年05月24日 | 日記


カラハナソウの芽だし。アサ科カラハナソウ属。
つる性の多年草。茎にも葉柄にも刺があって他の植物などに寄りかかって伸びていく。
雌雄異株で果実や苞葉に腺点があり香りをだす。ビールに使われえるホップに近い。(ホップは西洋カラハナソウの果実)。
葉の多くは3~5裂し異形葉性が強い。幼葉には先祖返りする傾向があるというから、カラハナソウの先祖は切れ込みの無い葉をもっていたのかもしれない。



フッキソウ。ツゲ科フッキソウ属。
木のようでもあり草のようでもある、中間的な存在。
上部には雄花が集まる。雄しべが4本、白い花糸に黒褐色の葯がつく。下部には数少ない雌花がつく。白い花柱が2本、ヤギの角状に開く。
常緑であるところから「富」の字をあて、果実が真珠のように見えるところから「貴」の字をあて、「富貴草」と名付けたという。



ウメノキゴケ。ウメノキゴケ科ウメノキゴケ属。
「コケ」の名がつくが菌類と藻類とが共生する地衣類の1種。
梅の木の樹皮につくことが多く「梅の木ごけ」と呼ばれる。
サクラの木にもつくが大気汚染に弱いので札幌辺りのサクラに見られない。大気汚染の指標にも使われる。
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日高富川オコタン川畔の春3

2014年05月23日 | 日記


エゾタンポポ。キク科タンポポ属。
北海道でも都市部で見られるタンポポの殆どは帰化種のセイヨウタンポポである。
セイヨウタンポポに対して在来種のタンポポを「日本タンポポ」と呼ぶ人もあるが正式な和名ではない。
在来タンポポには地方型があり、「関東」「関西」「東海」などの地方名がつく。北海道のものは「エゾタンポポ」である。
セイヨウタンポポと在来タンポポの見分け方、総苞片が反り返るのが「セイヨウ」で、反り返らないのが「在来」。エゾタンポポの総苞片も反り返らない。
北海道では「タンポポの花は黄色い」というのが常識だが、西日本には「シロバナタンポポ」がある。



オランダガラシ。アブラナ科オランダガラシ属。
明治の初めに野菜として持ち込まれた帰化種が野生化した。一般名は「クレソン」。
繁殖力が大変強く、切った茎を水に入れておくと容易に発根する。その繁殖力の強さから「要注意外来生物」に指定されている。



クサソテツ。イワデンダ科。
湿地や明るい草地に群生する。
根茎には直立茎と匍匐茎とがあり、匍匐茎を長く伸ばしてところどころで直立茎を出す。
若芽は「コゴミ」の名で親しまれている山菜である。
栄養葉と胞子葉とをだし、胞子葉が雁の足に似るところから「雁足(がんそく)」の別名がある。
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日高富川オコタン川畔の春2

2014年05月22日 | 日記


オコタン川と湿性林。
オコタン川は沙流川の最下流の支流。
川の両側にハンノキ・ヤチダモ林と呼ばれる湿性林が続く。



エンコウソウの群落。キンポウゲ科リュウキンカ属。
エゾノリュウキンカの仲間だが花茎はエゾノリュウキンカのようには立ち上がらず横に延び拡がっていく。その横に伸びる姿を手長猿に見立てて「猿猴草(エンコウソウ)」と呼ばれる。猿も猴も何れも「サル」のこと。



エンコウソウの花。
花はエゾノリュウキンカに良く似る。エゾノリュウキンカ同様花弁はなく、花弁状の萼片が5個。雄しべ、雌しべともに多数。雄しべはエンコウソウの方が多く、雌しべは逆に少ない。
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