安全・安定の欲求が満たされると
社会的帰属欲求を求める。
皆んなと同じ物が欲しい
皆んなと同じスパイクが欲しい
人並みの生活がしたい
子供が出来れば人並みの教育を受けさせたい
皆んなの仲間に入っていたい
簡単にいうと仲間の欲求。
そこまでいくと、今度は周りを見まわして
相手より、ちょっと良い思いをしたいとか
相手より、ちょっと優れていたい
相対的に周りと比べて何か自分の方が
良い所にいたいと思う
これを自我自尊の欲求と言う。
良い暮らしがしたい、良い家に住みたい
良い服を着たい、良い物を持ちたい
綺麗な奥さんが欲しい、
子供には、より良い学校に入って欲しい
これは、私達の人生を豊かにする
あるいは社会を豊かにするという意味では
自我自尊の欲求は大きな働きをする。
日本の歴史は、特殊な歴史を持っている。
75年前、戦争焼け跡の中で
価値観も物理的な国土も住まいも焼き払われた
経済も壊れた、こう言う状態からスタートを
しなければならなかった。
なおかつ、その後瞬く間に0からの階段をもう一度
やり直して、登ってきたと言う歴史がある。
高度経済成長と言うのがあった。
10%以上ずつGDPを10年以上続けてきた。
人類の歴史上こんな国家はなかった。
ローマ帝国であろうがマケドニアなど急成長したと
言われる国でも、日本のように経済成長をした国は無い
一時、中国やベトナムがそうなると言われた事もあるが
途中で失速している。
そう言う意味では、階段を駆け登って来た歴史です。
これは何によって待たらされたのか
戦後の食べるものも無い状態
生理的欲求からやり直したのだ。
戦争が終わってひとごこち済んだら
アメリカから色々な情報が入って来た。
当時、中島飛行機現在のスバルが、
アメリカの練習機の製作依頼を受けてその図面を見て
唖然としたと、こんな国と戦争をするのでは無かったと
思った。全く技術レベルが違ったと言う。
当時のアメリカの映画を見て、高校生が車で学校へ通うシーンがあった。
これを見て戦争に負けるはずだと思った。
それと同時に俺たちも、あんな風に自家用車が欲しいと思い
日本のモーターリゼーションの出発点で
まさに、アメリカに追いつけ追い越せで
先人たちはそれを成し遂げて来た。
そして豊かな社会が出来上がって来た。
もちろんこれは悪い事では無いが
この上にもう一つ大事な欲求がある。
自己実現の欲求
何を実現するのか、もしかしたら生き方の実現かもしれない
2004年、中越地震で崖崩れがあり2台の車が埋まった。
その中で救助に向かったのは東京消防庁の職員が派遣された
現場は絶望的な状態で、さらに余震が続き危険なため
上からの指示は、作業の中止を求めていたが
親子が乗っていると言われていた車を発見して
危険が伴う中作業を続けた。
4日目に小さな穴から子供の声が聞こえた。
穴が小さいから小柄な隊員しか入れず
一番小さい隊員が穴に入る事を申し出て、
見事に救助出来た。
救助した子供を、愛しむように隊員が一人一人
リレーして現場から運び出した。
この人たちのもらっている報酬はなにか
もちろん消防隊員としての給料はもらっている。
命がけの仕事をしての、お金をもらっているだろうか
F1のドライバーが命がけで走って何億、
ブロボクザーのファイトマネーが何億と言う人もいます。
消防隊員はそんな給料をもらっている事は無い。
彼らの家族はどう思っているのか
余震が続く中で危険と隣り合わせで仕事をしている
そこから逃げて欲しいと思っていたかも知れない。
命がけの仕事を成し遂げて帰って来たときに、その家族は
もうそんな仕事は辞めて欲しいと言う様な家族では無いから
こう言う仕事が続けられるのであろう。
実際、そこで救助にあたった隊員は、その後の東日本大震災にも
救助に出ている。
これから出動すると、奥さんにメールを送ったら
『日本の救世主になって下さい。』と返信が来たと言う。
この人達の最大の報酬は何か、もしかしたら
助け上げた命を抱きしめるほんのわずかな時間
ほんの一瞬に、それまでの苦労や大変な思いを
全部拭い去る、その瞬間が来ているのかも知れない。
私達の仕事は、彼らの様にヒーローでも無く
ドラマチックな仕事でも無いが、仕事をしていて
ある時そんな場面があるのでは無いでしょうか?
ある靴磨きのおじいさんが居て、
他の靴磨きよりも安く営業していた。
金銭的に困っているわけでも無い。
身障者の手帳を持っていて、なんでも割引にしてもらえる
だから、安く営業して世間に返そうとしているとの事だった。
どんな仕事でも、自信を持って誇りを持ってやっている人
素晴らしく、かっこよく思えるだろう。
世の中のくだらない人は、社会的地位が高いとか低いとか
言い方をする、大企業の社長とか国会議員であっても
恥ずかしい事はをやっているものはいる。
それから見れば、このおじいちゃんの仕事は
道端で座って道いく人の泥にまみれた靴を磨いている
でも、この人の仕事は、磨き上げた靴の様に
このおじいちゃんの仕事は、ピカピカだと思うのです。
仕事は沢山大変な事があり、楽しい事より苦しい事の方が
多いかも知れない。
もしかしたら仕事は楽しくやるのではなく、楽しくなるまでやる。
やり切った時に大きな喜びを与えてくれる物かも知れない。
そう言う意味では、東京消防庁のレスキュー隊と同じ様に
私達も手応えを感じられる場面があるのかも知れない。
自己実現の瞬間と言うのは、仕事以外にもあり様々な人生の中での
自分自身の生き方の中に、こう生きたいと言う生き方を実現させる事、
これを自己実現と言うのかも知れない。
自己実現に向かって何段の階段があるかわからないが
その階段の上に自分がしっかり立って、一歩一歩踏みしめながら登って
いると感じられる時に、幸せと言えるのではないでしょうか。
幸せとは、なにが出来上がった状態とか何か達成状態ではなく
プロセス一つ一つを言うのではないでしょうか。
貧しかった時代に比べて、
今の大変な豊かな時代、何不自由ない生活が出来る様になり
自己実現の階段が見えているだろうか。
この一歩一歩登る階段を作って行く事が大切で
一番上まで登れば、また次の階段を作って行く。
この繰り返しで生涯幸せになり、豊かな人生が送れる様になる。
それは仕事でもサッカーでも家庭でも同じ事です。
常に自己実現の階段をつくりましょう!
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