先日、建具を取り付けた現場が土壁の家だったのですが、
この工法、素材が今迄に無いスグレものだったので紹介します。
普通、土壁の家というと下の写真の様に、貫工法で作られた構造材に竹小舞あるいは
木小舞と言われる下地を縄で編みこんでいくという、大変手間がかかる
工程をふまなければなりません。
その後もほぼ柱の太さ分の土を何回にも分けて盛り付け作業
ならし作業、また、土が乾くまでの日数や夏場の乾きすぎや、冬場
の凍結等気候や温度に大変制約が多く、土壁の家が快適で良いのは
判っていても、なかなか実現しにくい工法でした。
ところが今回の現場はまず、筋交い+間柱の上に「木摺り」と
呼ばれる薄い桟を釘打ちしただけ。
そこに中塗り兼、仕上材の「瀬戸漆喰」を塗っていって仕上がり。
おまけに強度は従来の土壁の5倍というから良いことづくめです。
この「瀬戸漆喰」は、今年4月に発売されたばかりで、
その特徴としては
1)牡蠣の殻から抽出した成分を使っている為、強度があり、
リサイクルにもなっている
2)アルカリ性の為、釘が錆びないので、「木摺り」を編まずに釘打ちできる
3)塗りしろが12~15㎜で済むので、少ない量で良い。
(今回の現場が1件分で、およそ2㎥程使用されたとの事)
薄塗りの為、断熱性は低いが、塗りしろが少ない為、従来の断熱材が入れられる。
4)塗りしろが少ないので、壁が垂れ下がってこない。ならし作業もしなくてよい
その他、貫工法で作らなくて良いので、刻みの手間が少なく、
現場で出た端材も「木摺り」に使えるので無駄が出ない等々。
このように大工手間の部分でも、魅力が多いのではないかと思われます。
元々石膏ボートやメッシュといった分別、リサイクルが出来にくい
物を使わなくて済むことを目指して開発されたものだけあって
これからの素材として注目していきたいです。
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