芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

松本研修会 その3

2010-08-01 20:54:39 | 基本用語、基礎知識
研修会報告続き:佐藤さんの講義で初耳の話を2つ3つ

1)刃物に磁石を付けると、たった一回付けただけで刃が磁石化してしまい
刃先に鉄粉と埃がつくようになる。

埃の中の大部分の成分SiO2が硬度6~7と鋼よりも固い粒子なので
刃先に常時研磨剤が付いている状態になる。

電着式のダイヤモンド砥石で刃表を荒砥ぎしても磁石化するので
これからは気を付けたい。

鑿刺しに落下防止の為、磁石が仕込まれた物も要注意
又、刃先の砥ぎ確認にマグネットシートに置いて、拡大鏡を使用するのも同様

2)砥ぎ水に浄水器に通した水を使うと効果絶大だそうだ。(塩素、ゴミ除去)

3)玄翁の柄がゆるんできたら、無理に叩き込まず抜けるまで使用し、
シリコン系の接着剤(コニシのスーパーX等)を少量塗り、仕込み直すと効果絶大。

その外色々知らない情報があったが、又日を改めて徐々に紹介していきたい。



上條氏持参の五厘鑿:治具無しで研がれたのですか?の質問に
「まさか」と笑っておられたので、少し安心した。





武藤さんの変わり鉋





上條氏持参 萬寿翁

同上刃口




上條氏持参 華甲鉋


同上刃口


午後からはミニ削ろう会が催された。ミニといっても全国大会でお馴染みの
豪華メンバーである。


武藤氏の五寸鑿鉋


大御所3人


そのどさくさに紛れて久々に上條氏の鉋を引かせて頂いた。(削っている材は「鉋大全」に載っている、木曽檜)
緊張していたので気付かなかったが、はな取りをやっているのは小吉屋さんじゃありませんか!その隣には梨屋さんの姿も


誰が引いても薄く削れる状態とはいえ、引き方が未熟なのでなかなか均一に屑が上がってこない



自分の鉋での前日の試し削りではこれくらいの屑が出ていたが、
当日はやはりここまでは出なかった。

その外珍しく佐藤さんが鉋を引いている姿を初めて目にすることが出来た
本人は謙遜されていたが、普通に上手に引かれていた。