芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

木と対話する その2

2010-05-16 09:10:33 | 基本用語、基礎知識
皮から虫が入らないように市で仕入れた丸太の皮をむく。



末口径が40cm代の小中径木だと一番外側の目のつんだ所しか
建具には使えない。そこに虫穴があいていると一番よい部分が
台無しになるのでこうした手間をかける。

製材した後でむいた事もあったが、一旦桟積みした山を何度も
積み返すことになり、大変な労力となる。

そこで製材所さんの御好意で土場の一角を借りて、丸太の状態で
皮むきをさせてもらっている。

何日かぶりに落札した材を改めてまじまじと見ると、思っていたより
良い木だったり、その逆だったり。


裏返すと節がびっしり残念ながら2番玉だった。



まず見えている面の皮をむく。むき終わると、木まわしを使い、丸太を
裏返して見ると入札時には気付かなかった節や傷が出てきてがっかり
する事もしばしば。




今更どうする事も出来ず、作業を進める。

2人がかりで、1本むくのに大体4、50分。この時は7本の丸太
だったので時間にして5時間程。結構な重労働である。

畑の真ん中、青空の下で黙々と仕事をしていると無駄な情報が入ってこない分、
目の前の事に集中できる。

傷や節を包んでしまう自然の力、皮の付き方、固さ、匂い、重さ。
その木が育ってきた歴史等々を感じとる。



こうした一見大した価値の無い作業、面倒な事をすることによって、
多くの物が得られ、木への理解が深まる。



また、ここの製材所の息子さんが「木」大好き人間で、お茶の時間や一寸した
会話の端々に丸太の見方を教えてくれる事も大きな財産となる。