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NHKBSプレミアム「羽生結弦オリンピック連覇~メダリストたちが語る最強伝説」を観た感想

2019-03-01 | プロアスリート羽生結弦と日本の未来を応援する!

2月27日: この番組の内容の、文字版がNHKから出ています。

第1回はこちらから。

第2回は、こちらからどうぞ。

第3回は、こちらからどうぞ。

 

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 初掲載 : 2019年1月末

 

羽生選手に関する、NHKドキュメンタリー番組が、BSプレミアムで放送されました。

アナザーストーリーズ「羽生結弦オリンピック連覇~メダリストたちが語る最強伝説」

というタイトル。 

 

NHK公式レビューページ。

 

見られなかった方、NHKオンデマンドで、番組動画を配信中です!こちらから。

 

今まで放送されたことのある、羽生選手のドキュメンタリー系の中では、最も良かった部類に入る、素晴らしい番組だったと思いました。

制作者の熱意と羽生選手への愛情が感じられる、とても温かい番組でしたね。

きっと羽生選手自身も、聴いてみたい内容だっただろうと思うし、私も聞いていて面白かったです。

 

感想をざっと書いてみたいと思います。

 まず、ディック・バトンさんの辛口なプルシェンコ評とクーリック(長野五輪金メダリスト)評。 

ええ、もう、ロシア(旧ソ連)と北米がどのくらいフィギュアスケート界でも対立があったか、20年以上前のことを露骨に思い出させてくださいましたね…  北米人のバトンさんは、ロシアの天才選手たちには、手厳しい発言を。

プルシェンコさんの名物の「頭ブンブンふりスピン」をあんな風に言っちゃって…(汗)いや、あれはあれで逆にとても難しいのでは、と私は思います。羽生選手はリスペクトで今シーズンのフリーにわざわざ入れたくらいだし、バトンさんとは想いがかなり異なることでしょう。(笑)

ディック・バトンさんが、長野五輪で金メダリストになった、イリヤ・クーリックさんの長野五輪のフリーの衣装を「キリン」と呼んで酷評していましたが、すみません、これは私も笑うしかないというか、当時からみんな思っていたことだと思うので… 有名な「伝説のキリン衣装」ですから。確かに衣装が気になって目が離せなくって、あの衣装のせいで、演技や技の内容よりも、衣装しか記憶にない、という状態になっちゃった点は、私も同じでしたので…。(笑)

長野五輪のフリー翌日、普段はフィギュアスケートを見ないような人たちからも、「昨日のフィギュアスケートの男子で優勝した人、衣装がキリンみたいだったけど、ラプソディ・イン・ブルーってキリンが出てくるの?」「いや、あれはヒョウでしょ」「いやキリンでしょ」「警告カラーなのでは?」などの質問や会話がそこらじゅうで飛び交ったのを覚えています。クーリックさんは、あの衣装がもっと違ったら、きっと日本でも人気はものすごかっただろうと思うのですが。(笑)

当のご本人は後日、「衣装が、曲と関係がなければならない理由なんてないだろう?」とか、確かそんなご発言で、発想が凡人とは違うようで笑いましたけど… いや、それでも、だからってなぜあの模様・あの衣装になったのか?を知りたいですね!(笑)

よくタラソワコーチがあの衣装を許したなと、今でも思うほど謎です…(笑)

 話がそれました!

 

と、そんな辛口のバトンさんがご紹介されてから、羽生選手の評価へと移っていきました。

 バトンさんは、フィギュアスケートは「魅了する」ことが重要で、観客の目を惹き付けて離さない、羽生選手はそれが誰よりも出来ている、という評価。

「羽生劇場」って言葉は、羽生選手のアンチの皆様が、批判するときに使っていますけど、バトンさんの言葉はそういう意味では全然なく、むしろ正反対の意味でしたね。彼のいう「劇場」になっているという、良い演技の「例」は、日本でも有名な伝説のジャネット・リン選手(札幌五輪銅メダリスト)や、伊藤みどり選手、浅田真央選手なのだそうで、それを上回る完全な「別格」が、羽生選手だとのことでした。

「別格」を強調されていましたね。 …羽生選手、良かったですね~!(笑)

一方で、他の4回転ジャンパー選手たちは酷評されていて、いや、そこまで言わなくても…と私は思いました。

「転んだら劇場じゃなくなる」ということを仰っていましたけど、羽生選手の伝説の2012年の世界選手権「ロミオとジュリエット」は、「転んでからが凄かった!」のは間違いなく、転んだことがさらに「本当の劇場」に変えたわけでしたので、(うーん、どうかな…!)というのが、私の感想です。

伝説の選手はみな、転んでからが凄かった、あるいは転んだことを忘れさせるほどの、ものすごい演技を見せたことがあるし、もし転ぶことを恐れていたら、羽生選手の今日の演技は、何一つなかっただろうと私は思うので。

宇野選手やネイサン選手やボーヤン選手が見たら、ちょっと嫌な気持ちになるかな…という辛口(毒舌)ぶりでしたので、4回転ジャンパーを評価している私としては、まあ、話半分くらいに聞いておこうね♪

と思いました。

 

次、プルシェンコさんの話に移り…

プルシェンコさんは、今回の番組では挑戦的だったり挑発的な発言が多かったですが、(笑)、羽生選手も明かしているように、ずっと前から羽生選手を高く評価し、「俺を超えろ!(笑)」と羽生選手にけしかけて、でも同時にこっそりと技や演技のアドバイスをしてあげては、羽生選手をますます熱狂させていた文字通りの「皇帝」でありスーパーマン(いやウルトラマンか)状態でしたので、私は驚きませんでした。

でも、「優しいプル様」だと思っていた人には、ちょっと驚く内容だったかもしれませんけど、私は当時、プルシェンコさんが絶対に羽生選手に負けないつもりで試合に臨んでくることは、五輪会場でもある「ロシア」代表の選手に課せられた当然の重責でもあるので、強く感じとっていました。 

羽生選手もそれは「五輪という勝負の場」なのだから、当然良くわかっていたと思うし、羽生選手も「絶対に金メダルは自分がとる」というつもりで五輪に臨んでいたわけですけど、でも、五輪4度目の大ベテランのプルシェンコさん相手でしたから、さすがの羽生選手も、プルシェンコさんの横にいると「皇帝」対「王子」に見えてしまうのは仕方がない感じでしたね。(笑)

羽生選手は長年の憧れのプルシェンコさんと同じ試合で滑れることに大興奮して、公式練習で嬉しさを隠し切れずに照れまくりで舞い上がっていたので(笑)、見ているこちらが恥ずかしくなるほど嬉しそうだった羽生選手のあの時の様子を、私は二度と忘れないと思います。(笑)

プルシェンコさんの話を聞いていて、ソチ五輪前のことを、私はいろいろ思い出して懐かしく思いました。

プルシェンコさんと羽生選手は12歳差なのですが、プルシェンコさんは、その全盛期あたりから、「12年に1度の天才」などと呼ばれていました。

だから、もし本当にプルシェンコさんが、「12年に1度の天才」ならば、そろそろ神様がご用意なさっている後継者が出てくるはず… という、まさに抜群のタイミングでシニアの表舞台に登場してきたのが、羽生選手。(笑)

ソチ五輪は、やはり会場が「ロシア」でしたから、羽生選手にとっての本当の強敵となるのは、パトリック・チャン選手ではなくて、プルシェンコ選手だろうと私は当時も思っていました。

ところが! 個人戦では直前6分間練習で、30年は折れないと言われたはずの背中のボルトが折れてしまって、まさかの棄権となったプルシェンコ選手。

ロシア国内の批判を浴びて、大変な目にあったプルシェンコさんでしたけど、私は逆に、「そこまで神様に信頼されていたのか!」と、プルシェンコさんと神様の絆の強さ、プルシェンコさんが神様から任されていた「彼にしかできない役割」のあまりの大変さと凄さと、「皇帝交代劇」の神様のなさり方、そのご計画の完璧さを見て、逆に驚かされたというか、改めて震えるほど感動しましたので…。

羽生選手の、「4年後の平昌五輪も目指します」発言で、プルシェンコさんは大喜びしてしまったそうですけど、ソチ五輪から平昌五輪までの4年間、プルシェンコさんは本当に羽生選手を陰ながら…いや、むしろ「わかりやすく」応援し、守って下さいましたよね。

Continues with wings の時にも、プルシェンコさんは、「君もわかっている通り、僕らにとっては、金メダル以外はみな敗北だ」などと羽生選手に向けて語っていたと思うので、プルシェンコさんと羽生選手はそういう意識であり、それをプルシェンコさんはわかっていて、その意識は、神様から与えられている使命ゆえ、だと私は思っています。 

すべての人が、そうでなくてはならないわけではなく、ハビエル選手みたいに、銅メダルでも十分幸せで、それでこそむしろ美しく輝く人たちもいて、今回のハビエル選手はその手本みたいな感じです。

 

プルシェンコさんは、羽生選手を「史上最強」と呼び、「オリンピックの舞台に立てさえすれば、必ず彼が勝つ」と思っていたと、カメラに向かって語りました。

番組の最後で、プルシェンコさんは、羽生選手について、「日本のスケート界が羽生選手をオリンピックに集中させてあげられれば、少なくとも、五輪4連覇までは可能だと思う。5連覇だって、無理じゃないね」などとまで仰ってて、

私はそこだけは(ぎゃ~!(笑))って感じでした。(笑)  

いや~、羽生選手はどう思ったでしょう。(笑) でも、ここまでものすごく高く評価されて、嬉しいですよね。4回五輪に出て4回とも金銀のメダルを取った自分を絶対に超えられる、という意味も込められているのかな。

プルシェンコさんは、昨年11月のロシア杯後、羽生選手と何度か連絡とって話したりしているそうだから、いろいろアドバイスをして下さったのでしょう、その上でのこの発言ということですね。この間までは羽生選手の弱点について触れていたけど、今回その発言はありませんでしたし、さらに羽生選手への評価が上がっている印象。

しかし、プルシェンコさんの作られたスケート学校「エンジェルズ・オブ・プルシェンコ」は、「打倒・羽生結弦」(笑)を目標に掲げたスケートの英才教育をするんだそうで…  サーシャ君も、とんでもない指導で育っていくのだなと思うと… 末恐ろしいですね。 ロシアのちびっこたちがみんな、自分を目標にしてくれるような状態は、羽生選手は嬉しいに違いないですけどね…!!

 

最後に、ハビエル・フェルナンデスさんが登場。

メダルセレモニーの直前に、羽生選手と宇野選手と3人で抱き合ったときに、二人におめでとうを言ったそうですけど、そのあとで、何かを羽生選手に語ったら、羽生選手が「You are so bad!」と言って泣き出してしまったというシーンを映し、あの時に何を語ったのかを番組が聞き出しました。

羽生選手と最高の闘いが出来て光栄だったということや、これが羽生選手と闘う最後の試合となったということ、これで引退するつもりだということを羽生選手に告げたハビエル選手。

うーん、なるほど、これは泣ける、と思いました。

羽生選手も、きっとハビエル選手の引退はわかっていたと思うけど、その言い方とタイミングですよね…(笑)

宇野選手は、この事態(羽生選手が泣き出した理由)をあまり理解してはいなかったのではないかという風に見えましたけど…

ハビエル選手は、確かにあの五輪で、彼史上最高の演技をしたと、私も思うのです。フリーは4回転が2回転に抜けてしまったものがあり、あれこそが彼のメダルの色を決めてしまったけど、でも、それ以外は凄い出来でした。本番でもものすごく落ち着いて集中しているように見えましたし、五輪のショートが終わった後、フリーが終わるまで、私が一番警戒していたのも、ハビエル選手でした。

羽生選手によって、一番鍛えられたのは、間違いなくハビエル選手だったと思います。

しかし、練習の時、「結弦よりももっと速くうまく滑れると思って頑張った」発言と、五輪でもライバルは結弦だけ、と思っていたというのには、(ええ?!)というのが私の感想。(笑)

ハビエル選手が、五輪での羽生選手の演技を、この時まで見たことがなくて、初めて映像で見る、というのにも驚きました。…さすがスペイン人、羽生選手とはいろんな意味で対照的だなと。(笑)試合本番でも、バックヤードでライバルとなる全選手の演技を(落ち着いて)見ているという宇野選手とも、全然違っていて、色々と面白かったですね。

 

怪我した後のトロントでの羽生選手のことも少し触れていましたけど、怪我のことを詳しくはお互いに話したりしない、と言っていましたけど、そうでしょう。

羽生選手が大怪我の当時、五輪前の年のまだ12月上旬の、羽生選手がまだまだ一番大変で、氷に乗ることさえ出来なかった時期に、羽生選手が滑る練習をしているみたいな発言をハビエル選手が言っちゃった(という情報が流れていた)時は、私は内心ものすごく怒っていました。いろんな噂が流れたとハビエル選手も番組内で言っていて、それが日本のフィギュア熱が高すぎるからだと言っていたけど、確かにそうだけど、その原因の一つにハビエル選手の発した(とされる)発言もあったように私は思っていましたから。

羽生選手は、五輪直前の2月上旬に、オーサーコーチが羽生選手についてマスコミ向けに、羽生選手は(4回転ルッツ以外は)もう大丈夫でバッチリかのようにわざと発言していた時期も、トロントでそれを聞いて焦りながら、痛み止めを飲みながら必死で4回転の練習をしていたのだから、12月の頃に間違った情報が日本国内で何度も流されたことは、羽生選手には精神的にはきつかっただろうと思います。

でも、番組の最後のハビエル選手の羽生選手への言葉は、素晴らしかったですね。 

「まずは、今の怪我をしっかり治してほしいです。怪我さえ治れば、あとは好きなだけ前へ、前へと目指していけばいい。そして、もし引退をする時が来たら、その時初めて、後ろを振り返ってみてほしい。君が登ってきたのは、今後、永遠に語り継がれる道のりだ。 その道のりの途中に…僕の名前があるのも、お忘れなくね。(笑)」

ハビエル選手については、吹替の方の声の演技力が良かったと思うので、ご本人の肉声と字幕だと、どんな印象に変わるのか、あるいは変わらないのか、ちょっと知りたいですね。

五輪を終えて、やりきったという清々しいハビエル選手の笑顔も素晴らしかった!(笑)

 

そして、最後に話したプルシェンコさんの羽生選手への、ものすごく高い期待の発言に、私は一番… 色々なことを感じましたけど(笑)、 

その直後にこの言葉を受けるようにして映像をつなげられた、

「誰だ、そんなことを言っているのは! 彼はもう別格なんだから、好きにさせてあげなさい」 …という、バトンさんの言葉も、どちらも、羽生選手にとっては、本当にとても有難いことですね…!!

 

本当に、ご自分で納得できる人生のためにも、大事なことですね!

その結果が、結局どういう道になるかは…  神様はご存知と思いますけど、 

いずれにしても、楽しみですね!

 

だって、あのプルシェンコさんがここまで言うのだから、それだけでももう十分に幸せなものだわ!と私は思いました。

プルシェンコさんは、Continues with Wings の「後日の放送の時」に初めて、 舞台裏で、

「ものすごく高い評価を羽生選手にして下さっているインタビュー」の内容が流されました。

 

「羽生選手自身の自由と、自身の決断を確保してあげるため」に、あえて私は今までそれには触れないようにしていたつもりだったのですが、

プルシェンコさんはまたもや言っちゃった!(笑)

しかも遠慮なく、前回以上のことを言っているよ!(笑)というわけで、

私は今回、(ぎゃ~!(笑)) という感想になりました。

 

プルシェンコさんは、この番組で、「最高の演技というのは試合でないとできない」という趣旨のことを言っていましたけど、

うーん、これはどうだろう… 羽生選手については、必ずしも当てはまらないのでは? というのが私の今までの印象ですね。

 

「最高難度」の演技を最高の形でやるには、という意味では、確かに試合でなければ… と思います。

(プルシェンコさんの言っているのは、この「最高難度」の演技のことを当然のように指している、とは思うのですが。)

 

でも、

その人にとっての「最高」の価値をもつ演技、という意味での「最高の演技」というのであれば、

試合でなくてもできるし、「特に羽生選手は」いくらでもできる!というのがずっと見てきた私の感じる、確かな感想です。(笑)

 

私自身は、羽生選手の演技の中でも、「特に優れている」「素晴らしい」「最高の価値がある」 とまで思うものは、

かなり「エキシビションでも」、沢山見せてもらってきたという強い実感がありますので…。

 

ショートの演技については、難易度自体でいえば、試合ではなく、アイスショーの中で披露した「バラード第一番」が

羽生選手史上の最高難度だったこともあるし、

普通の選手やスケーターは、アイスショーで最高難度などには挑戦しないものですけれども、

羽生選手は、全く関係なくやってしまうところがあるので、そういう姿勢が本当にすごいと思うし、素晴らしいと思います。

 

…とはいっても、怪我していて治っていない時に、無理はあまりしないでいただきたいですが。(笑)

 

 

五輪連覇の舞台裏、というのは、本当の本当のところは、

前にも書いたように、羽生選手本人が本音でもって、その「すべてを」語らない限り、一番肝心なところは決して見えてこないと思います。

 

でも、今回の番組は、ご本人ではないながらも、羽生選手を高く評価してくれている、身近な、目の肥えた、

本当に実力あるスケーターの3人によって、

羽生選手の良さや凄さは、今までよりもは伝わったのではないかな…と思うので、

その意味では、とても良い番組でした!

 

あとはやはり、温かさでしょうか。

この3人の羽生選手への想いの深さ、本当の愛情があるかどうかというのは、表情などから、良く伝わってくるものがあったと思いますので。

 

BS限定ではなくて、地上波でも放送してくださると良いのにね…! 

と本当に思います!

 

羽生選手への大きな励ましになったことでしょう…!

 

この番組を制作された方々に感謝します!!

 

 

 

 

 

 

 

 


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