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花の旅人8 ~けもの道の向こうに

2011-05-07 04:30:11 | 日記・エッセイ・コラム
   昔、直接土に植えたいと思ったけれど  
         土だらけの庭は悲しすぎる!
    パッチワークは趣味だったけど、 
  芝生1200㎡はきつかった!
3年間、庭作りの夢や希望は全くお預け状態でしたし・・!
           でもなぜ
  夢の庭に向かって開拓し続けられたのか・・?
         それは退職直前、
  『新しい道をどう歩むか・・』を考えさせられるような    
・・・  いろいろな出来事が偶然起こったからです。
          
              
             
その内の一つはPTA広報のコラムに載せられましたので  
  そこから引用させていただきます。
 
             
                    
 ** 「けもの道の向こうに」  1990年3月10日号 **
           
 はじめ道がなかった山野に、何度も動物が行き来するうちに、枝が折れ草が踏まれて次第に道が出来ていく。これをけもの道という~
 ・・・この1月半ば、能勢の野外活動センターでけもの道を観察する機会があった。
夜、山道の傍らの茂みに懐中電灯を当てると、光の輪が数メートル向こうまでスポッと届いた。木の枝や草に邪魔されることなく、高さ50cm位のトンネルが浮かび上がった。
 闇の中にすっぽり抜けた横穴・・・。未知の動物の生活の場がそこにあった。
               
 I 
(けもの道から現れたタヌキ~大阪府能勢にて T先生撮影)
 そのけもの道を小学生達はタヌキになったつもりで四つん這いになってくぐりぬけ、「トトロの道」と呼んでその体験に目を輝かせたそうだ。
身体に枝や葉をいっぱいつけ、ひっかっかれながら、周辺に住むタヌキやテンが自分の命をかけて歩んでいる道に勇気をふるって挑戦した。
~自然には子供達にそんな勇気を発揮させる何かがある。
そしてけものは容易には姿を見せないけれど、道の向こうに足跡や糞を発見する時、彼らが確かにいるという感動につながってくる。
 我々、人の歩む道は舗装され歩きやすい道になった。人生の道さえも、見通しが利いて安全な道がいくつも準備されている。
しかしけもの道が、何度も苦労して通り抜けることによって作られるように、自分の道も足もとを一歩一歩踏みしめて歩み続けることで作りたいものだ。
そんな努力を積み重ねることによってようやく、自分のサイズにあった空間が道の周りに開けてくるだろう。そして別の道を発見したとき、一歩を踏み込む勇気につながったり、他の人の歩む道がとても大切に思えてくる。
          
 ** 豊中14中PTA広報せせらぎ「リレー放談」より ** 
                
                
       
 当時、中学理科教師だった私は 大阪能勢にある野外活動センターでの自然観察会に参加しました。
 目的はガイドブック作りのための生態調査で、 この日は、赤外線カメラを仕掛けるなどして、普段はなかなか目にすることのできないけものの姿や生活の痕をとらえようとしたのでした。
・・・当時はバブル真っ只中 受験戦争や経済戦争の名の下、効率化、高収入を目指して、安全なレールの上を突っ走る時代。
いい高校、いい大学、そしていい会社を目指して、皆まっしぐらでした・・・       

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ところがその夜、闇の照らし出されたけもの道は、3月末での退職を決心していた私にとって、新しい人生の道を示唆する強い印象を与え、心に深く刻み込まれていったのでした。
           

(ガイドブック裏表紙の一部) 

                
                                        
   ~ ペンション「フィールドノート」の由来 ~
このような野外観察のときに携帯してメモするノートが
      フィールドノート(野帳)です。
このペンションに泊まって、自然の中へ入って、何か心にメモしていただければ・・という思いを込めて 「フィールドノート」と名前をつけました。