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ソフトグランドについて ~銅版画

2014年12月22日 | 銅版画について
銅版画にはソフトグランドという材料を使って作品を作る技法がある。
この技法は、柔らかいので、指の指紋や葉っぱの葉脈やレースなどを写したりできるのが特徴である。

私の憧れであった。うっかりすると意図しない線だの汚れだのを表現してしまう。繊細な技法なので、敷居が高かった。
それに私の受けた銅版画の初級講座ではハードグランドを真っ先に学んだ。ただ単になじみがなかっただけだ。

銅版画仲間さんが気軽にソフトグランドをやっているのを見て、ようやく取り組んでみたら案外に簡単であった。
なんで、もっと早くやらなかったのだろう。

お仲間さんは、銅版画作家の山本容子さんのやり方で、温めた銅板に、固形のソフトグランドの塊を塗る。固形のソフトグランドはろうそくのろうみたいな質なので、温かいと溶けて塗れる。それだけだと、まだらだから、ローラーで均質になるように押さえるというのかな。

初ソフトグランドはそんな風に始まった。お師匠さまに聞いたら、固形のソフトグランドを細かく砕いたりして、ガソリンかリグロインで薄めて、ソフトグランド液というのを作るといっていた。そのイメージがつかなくて、お仲間さんたちがやっているように、銅板を温めて塗ってから、ローラーでのしてみた。

お仲間さんたちは山本容子さんを模しているので、ソフトグランドで下絵を描くときに使うのは、9Hの鉛筆だそうだ。しかし、お師匠さまの工房兼画材店には、6Hまでしかなかったので6H鉛筆を調達。やってみると6Hでは確かに物足りない。近々9H鉛筆を探しに、東京の銅版画作家の御用達、文房堂に行かねばなるまい。

そう思っていた矢先、家に固形ソフトグランドを置き忘れてしまった。また無くなったら買うんだしと、工房兼画材店の店主でもあるお師匠さまに、ソフトグランドまた買いたいんですと言ったら、お師匠さまは商売っ気のない店主なので、ご自身のソフトグランド液を貸してくださった。

百聞は一見に如かず。扱いはハードグランド液と同じような感じ。イメージがはっきりした。

そして、固形を塗るやり方だと、ローラーで薄くのしても、なお厚いのがわかった。ソフトグランド液はリグロインで薄まっているので、厚くならない。これだと、6H鉛筆でも強すぎる。4Hや3Hぐらいでもよさそうだ。お師匠さまが鉛筆にこだわりがまったくないわけがわかった。


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