線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

中央アジアの草原にて

2008年06月27日 15時31分57秒 | 音楽
クラシックを聴くジャンルの範囲は狭いのだが、どうも民俗音楽やおまつりの好きな自分は、19世紀の民族主義スタイルには関心があった。そして忘れられないのがロシアの国民楽派。今日たまたま、リムスキー=コルサコフ≪シェヘラザード≫、ボロディン≪中央アジアの草原にて≫等の入ったCDを聴いた。特に≪中央アジア…≫が、久しぶりに聴いて、ジ~ンとした。

≪中央アジアの草原にて≫は1880年の作品。リストに献呈された。スコアには、こんなことが書かれているという。

…見渡す限り広々と広がる中央アジアの平原を平和なロシア民謡が聞こえてくる。遠くから馬とらくだの足音に混じって、東洋風な旋律が響き渡る。そしてアジアの隊商がロシア兵に護衛されながら果てしない砂漠の道を、安全に進む。征服者と征服されたものたちの歌…ロシアの歌とアジアの旋律が溶け合って、不思議なハーモニーを作る。そのこだまは次第に平原の空へ消えていく。

モティーフは2つ。ロシア民謡の歌とアジアの隊商の東洋的旋律。特に印象的なのは、イングリッシュホルンで奏される東洋的旋律は、どこかの民謡等のメロディなのであろうか…とてもエキゾチックな雰囲気でいい!やがてロシアの歌とアジアの旋律が溶け合う場面となり、2つの旋律が楽器を替えて、対位法的にそして副旋律のように演奏される。

この曲は「交響詩」というジャンルに分類されるが、全音から出版されているスコアには「交響的絵画」とされている。詩的というよりは絵画的な作品という意味だ。またそこには西欧絵画、油絵というよりは、東洋の水墨画の世界だといった内容の解説があるのだが、その通りだと思う。淡い色の透き通った世界が、美しく描かれた曲だと思う。


 ●リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェヘラザード」
 ●ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」
 ●バラキレフ イスメライ (S。リアプノフ編曲)

キーロフ歌劇場管弦楽団/ワレリー・ゲルグエフ 指揮
 【フィリップス UCCP-1060】 
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