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線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

震災のためのお祭りの自粛

2011年03月26日 15時58分03秒 | おまつり
東日本大震災から約2週間。行く先の見えない惨状を映像等で見るにつけ、心が痛む。復興にむけ努力されているものの、あれだけの被害状況では一体何年かかるのだろうと、遠い地からも感じる。

コマーシャルでは「AC~♪」に抗議があったとか、いろいろな話題にことかかない。慎むべきは慎むということは大切なこと。

さて、これから春祭シーズン。
あちこちで話題になっているが、お祭りの中止や縮小ということが広がっている。もちろん直接的な被災地では難しいことは当然。

さて、遠い地域での自粛については、賛否両論があると思う。自分もどういう選択がベストかは何とも言えない。
ただ、祭礼を何のためにやるのかな?と考えることが大切だろうなとは思っている。

奥三河の花祭や下伊那のお潔め祭り等の霜月神楽がある。これは何か重要な「願」があるときに盛大に祭りをする「臨時祭」という性格の祭りが、例祭的に位置付いているものだという。

祭りって、本来そういうものだろうなと思う。豊作を祈るとか大漁を祈る等、民衆の祈りがベースにあるはず。


一方で「芸能」的な部分がクローズアップされ、更に「イベント」になっていった祭りは数知れない。
今回の自粛は、どうなんだろう。個人的には「イベント」的なものはともかく、人々の「祈り」の部分は、大切にされるべきだろうと思っている。物質的な問題はやむを得ないが、精神性の問題は豊かにしておきたいと感じている。


かつて、昭和天皇崩御のとき、世の中は「歌舞音曲を控えるように」というお達しであった。
自分は、平成元年1月14日に下伊那郡阿南町「新野の雪祭」に行ったのだが、この時は神様のお出ましを打ち囃す「乱声」という行事を自粛したことを鮮明に覚えている。

すべてを忘れてバカ騒ぎ~ばかりが祭りではないことは、みんな承知である。大切なものは何か…ということを共有して、我々日本人の精神性だけは高めておきたいと願う。