Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

Welcome to the Jungle ②

2013-05-25 18:42:13 | アート

「チャン・ユンチア」
    伝統的陶器の散蓮華は中国系マレーシア人である作家の
    アイデンテイティーを表すオブジェ
    そこに紙芝居のように物語を描いて
    伝統的な物語絵にしています


    これは、アジア人文化によくある伝統的な道徳説話---
    息子に置き去りにされ、見捨てられたと思い込み
    不安と悔しさにさいなまれる母親のはなし
    息子はちゃんと母親の傍らにいるのに
    その存在が見えていないのは、母親の方だったというもの

    美しく並ぶオブジェの様な蓮華と
    そこに描かれる絵の、こころの闇のような世界の対比
    がおもしろいです。
   
    疑心暗鬼----疑う心から生まれるのは、怖れや不安
          ここから、プラスになるものは何も生まれません。
          誰にでも 少なからず、心当たりありますよね・・・

    「ロベルト・フェレオ」
    200年前スペイン人に支配されていたフィリピン-----
     これはフィリピン人の反乱を表しています
     キリスト教やフィリピンの神話にもとづく、10個の彫像は
     ピラミッドを逆さにした逆三角形に並べられています

     作者は、自国の歴史を形にすることによって
     遠い過去のそれを風化させないように
      しているのでしょうか----
     支配からは、何も生まれないのです


     「ポクロン・アナディン」
     被写体に鏡を持たせて太陽の光を跳ね返しています

     風船を売る人、ただ街角に佇むひと・・・
     顔を隠す光のせいで神々しくも見えたりします

     見えないことで膨らむイマジネーション・・・
     同時に光以外の背景にしっかり意識が向いたりもします

     勝手な物語が浮かんできそうです

     「リー・ウェン」
     シンガポール初のビデオ インスタレーション
     この作品が発表された時、大きな議論を巻き起こしたそうです
     白い布の中を覗くと・・・

     銀行員を辞めた作者が 銀行員を揶揄する
     ことばをカメラに向って繰り返し発しています
     「ワールドクラス。。。世界標準とは何か。。。グローバルスタンダード」
     世界基準で守られる、自分たちの生活。。。
     小さなコミュニティとワールドクラス
     
     そこに、矛盾や不可避---共通項までも、作者は見つけたのでしょうか?

     「フランク・カリャガン」
      移り変わる都市と自然の関係
     フィリピンの首都マニラは 都市と森が隣り合うまでになっています
     貧困・人口過密・劣悪な衛生状態など
     フィリピンの都市環境に対する社会問題へ
     作者はあえて、直接言及はしていませんが。。。

     せわしない雑踏と騒音の街の中で、照明を使わず、加工もせず
      むしろ「意図しない美」という偶然の美しさを写真に収めているのです

美に反するものを美しく映す
     その方が見る者を惹きつけて
     その物を際立たせるのかもしれません

     偶然の美しさは、作者の自国への愛、故の結果です

     アーティストの、アジアへの愛が伝わってきます
     アジアが抱える問題、歴史。。。作品からたくさんのメッセージが
      投げかけられています
  

     
     
     

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