確か秋晴れのすがすがしい日だったと思う。チュンチュンと雀の声が大きくするので、見るとはなしにその方向に目をやると、雀が数羽青ススキに乗っていた。
ススキに乗っているのでススキはその重みでゆっくりしなう。すると上に乗っていた雀の足が、茎の上をス~ッと滑り降りるのである。
はは…と、妙におかしく見ていたら、その雀がしないで下がった茎から飛び上がったかと思うと、またそのススキの上に乗って、しなった茎の上を滑り出した。これを他の雀も繰り返したのである。明らかに遊んでいるのだ。
そうか雀も遊ぶのか…と、一種の驚きにも似た発見だった。
また後日再び雀の遊ぶ姿を見た。
柳の枝を捕まえた足で、スルスルと伝い降りてゆくのである。雀の体もクルクルと回りながら降りてゆく。2~3羽いた雀もこれに続いた。
そのときは一度ずつだったが、私はニンマリしながら落ち着いていた。
最初に見て以来、雀に限らずあらゆる動物に向ける我がまなざしは、
変わっていたのである。
今まさに雀と一緒に遊んでいた。
■ 影たちの雀と遊ぶ冬日向 by issei
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます