つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

退職俳句

2022-01-10 04:00:14 | 俳句
部屋の色々な引き出しの整理をしていたら、
以前会社を退職するにあたっての心情などを
綴った俳句が出てきた。

•手を擦って仕事始めの火を起こす
•どこかで誰かが見ている冬の汗
•早番の一人ぼっちの白き息

この辺は、冬場の仕事の様子だ。

漫画家をリタイヤした後、中途採用で、
不慣れな会社勤めを始めたのだ。

•ざわめきの春波となってパート来る
•目借時「無駄」と書かれし会議室
•睡眼の初蝶に会う夜勤明け
•捨てゼリフ残し行く鴨後濁す

私の後に中途入社した人が、
パートの人とうまく行かず、
辞めてしまったのだ。

•その時の来たりし熟柿男坂

ついに、心身の疲労の極みに達して、
退職の決意を固めた一句である。
•俺なんぞ引き留めるなよ温め酒
•今更に早出残業秋の汗
•星飛んで心残りの有るや無し
•秋灯「一心上」と書き損ず
•代表に渡せぬ辞表胸に冷ゆ
•辞表持つ一歩一歩の秋深し
•冷まじや退社を告げし夜の背筋
•爽やかに言うや「お世話になりました」
• 「お疲れ」と背に触れし手の温かし

そして、退職の当日となった。

•朝寒の退職の日のドアのノブ
•秋惜しむいつものようにいつもの日
•水澄みて立つ鳥名札裏返す
•残業の夜食最後の晩餐に
•工場の湯気振り返る鉦叩
•返したる踵の渡る天の川

これにて、二度と会社に帰らぬ
天の川を渡ったのだった。

思えば、中途採用だった私が、慣れぬ
会社勤めを十数年勤められたのは、代表の
他、周りの人達に可愛がってもらった
お陰だと、今でも深く感謝している。

退職後も、時折り通り過ぎる会社を
見ては、懐かしい思いが過ぎっている。

しかし、未だに見る勤労の夢は、勘弁して
もらいたいものだ。

ましてや、今年の初夢で悪戦苦闘で働いて
いる夢を見てしまったのであるw

今年の一年の計が思いやられるところなのだ。

目を覚ます 激務の夢に 寝正月
                issei

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