もう俳句を始めてから10年以上になるが、始めた頃より進化しているかと言われれば、進化している気もするし、案外していないような気もする。
最初は、旧仮名遣いの伝統俳句系の先生と俳句誌で学んだ。
■ 名月をくはへそこねし波紋かな by issei
しかしやっていくうちに、新仮名遣いのほうが自分らしさを表現しやすいと思うようになっていった。
■ 身を起こす春野くらりと無重力 by issei
俳句の最初の発表会のとき、皆さんは短冊で発表していたのだが、私だけ色紙に俳句と漫画を組み合わせた作品を展示した。
ちょうどその時地元のケーブルテレビが来ていて、
「ここに面白い作品があるんですよ」と言って、私の作品をアップで映したのである。自分としては嬉しかったのだが、先生や他の人たちの短冊の作品が目立たなくなってしまったので、内心困ってもいたのである。
その場にいた私にケーブルテレビの人が
「あなたがこれを描いた方ですか」とマイクを向けてきたので、
「いや、あの…」としどろもどろになってその場を逃げ出してしまった。
もともと色紙に俳句と漫画を組み合わせて描いたのは、俳句という文芸が一般の人に発表した時に文字だけではあまりにも地味な感じがして、もと漫画家の私としてはそれを何とか自分なりに表現したかったのである。
思えば、これが『はいまん彩』の最初の姿だった。
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