わたしは大体のアルコールはいけるのくちである。
若い頃は、ジンライムをよく飲んでいたし、居酒屋では、ホッピーや酎杯、
スナックやバーではウイスキーの水割りだった。
今は大体シーズンによって単純に飲み分けている。特に晩酌など、
冬は日本酒の熱燗か焼酎のお湯割り、夏はビール(正確には発泡酒)か
酎杯と決まっている。
しかしこれが今頃の秋半ばになると、ちと困るのである。つまり暖かいのか
寒いのか中途半端なので、何を飲んだらいいのか迷うのである。
先日など、朝の出勤時に寒々としていたので、きょうは久々にお湯割り
だな…と、もくろんでいたところ昼過ぎてえらく暖かくなって、結局ビールと
あいなった訳なのだ。
のんべえにとってはちと困る時期なのだが、わが飲み友の中には
一年を通して熱燗でなければ気がすまないのもいるし、ビール・オンリー、
お湯割りオンリーもいる。アルコールを呑むのも、けっこうその人なりの
個性が出るようである。
わたしもそろそろ一年を通して飲むアルコールを決めたほうがいいのかも…
などと、この秋の夜長に思うこの頃なのだが、
おい癌め おれと酌もうぜ 秋の酒
という江国滋氏辞世の名句があるので、(この場合燗酒)わたしもせめて
秋に飲む専用のアルコールを考えたほうがいいかな…と思いつつ
焼酎のぬるま湯割り、という中途半端なものをチビリ、チビリ…と中途半端に
飲んでいるのだった…。