前向きな人生の整理整頓

人生も後半、一日が短いです。明日やると思っても、若者のようには明日はたくさんないのかもと気づいた今日この頃

あなたから見れば脇役のわたし

2019年06月30日 18時00分13秒 | わたしの見かけた人

最近は本屋さんに行かなくなりました。まあ、近所にないし。

大体の調べ物はパソコンのお陰で本の必要もなくなったし、

立ち読みも疲れるし・・・・図書館で節約。

 

昔は本に目がなくて、本屋さんは大好物がたくさん並んでいました。

 

今ふと、昔のことを思い出しました。

ある画集が欲しくて探し回っていたのですが・・・・

欲しかった本、ようやく見つけたのです。

その本を手に取り、もう一つ側にあった本が気になって

平積みになっていたその本の中身を確かめようと、手を伸ばした時でした。

隣から、背は高くないけれど、がっちりとした固太りの男が、

わたしを押しのけるように出てきて、大きな声で話し始めました。

 

平積み本の向こう側ににスラリとした女性が雑誌を

見ていたのですが、その人に向かって、

「○○○○さん」と。

周囲にわたしの他、二人位いたと思いますが、

いかにも体育会系の大きな声だったものでみんな振り向きました。

 

美人とまでは思いませんでしたが、スタイルがよく、

ちょっときれい目に見えるその女性は、

戸惑う様子もなく、男性に目を向けました。

男「いつも〇×図書館で見かけます 自分は・・・(自己紹介)」

女「ああ・・・・・」見覚えがあるのでしょう。

男「少し話をしてもらえませんか、お願いします」懇願

女「わかりました」自信満々

男「いいんですか」

女「少しなら」

傍から観察するに、男はスポーツマンの真っすぐな青春を演じ、

女は自分に自信があり、ちょっといい女を演じていました。

 

しかしですね、朝からずっと歩き回って本を探していたわたしにとっては、

その男が邪魔で、手に取りたい本が取れないのよ。

まるで無粋なやつがそこに立っているみたいだけど、

別にあなたの恋路を邪魔する気はないのよ。

そりゃ、あなた方にとっては、わたしは脇役で目にも入らないでしょうけれど、

わたしは、一応わたしが主役の目であなた方を見ているのよ。

 

男は爽やかな男を演じていますが、見た目はそう爽やかではなく、

女はその以前から、、男が自分に気のあることを知ってか知らずか、

選択権は彼女のみにある雰囲気で、顛末はどうなったことやら・・・。

 

わたし以外の脇役たちもどこかシラケた目。

他人の真剣な恋心を嗤うのは品のないことだけど、

まだわたしも若かったもので、田舎芝居を見ているようでした。

 

人生って常に自分が主役だけど、ちょっと脇に逸れて

同じシーンを見たならば、全然違ったものになるということが

年を重ねるとよくわかります。

 

あの人どうなったでしょうね。

もうすっかりそんなことは忘れているかもね。

あの人から見たら脇役のわたしが覚えているのに。

案外うまくいって、結婚していたり・・・・

物語はどんな広がりを見せたことやら。