無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

塞道絵幕

2022-01-08 17:27:43 | 酒田


酒田市の山王クラブで、今日から1週間、塞道絵幕が展示されている。
塞道と言えば、町内の子供達が集まって「さいどーさいど!」と言いながら練り歩き、1軒の家に集まってご馳走を食べたり遊んだりした。


その頃の町内の子供達は、小さいのから大きいの(多分小学生)は何をするのでも一緒に遊び倒したものだった。
夏には鬼ごっこから隠れんぼ、石けりから陣地取りと忙しく、冬分には竹スキーに竹ジョンバ、ソリにスケートで、町内の坂道で凍えるまで遊んだ。
皆が数珠繋ぎになって滑るのを、ズンズク隊とか言っていた。
塞道は冬の寒い中、何の行事か判らぬが、家の中で思いっきり遊べるし、お腹も一杯になるしで楽しかった記憶がある。


山王くらぶは傘福で有名だ。
大広間や廊下に、塞道幕が飾られている。
酒田市資料館と共催で、展示しているが、今日は特別に資料館の学芸員のSさんが特別講演をしてくれるのだそうだ。


階段を上って大広間に行く。


舞台には、紫色の布で覆われた道祖神さんの御神体が飾られている。
この御神体は町内で持ち回りで、1年間神宿の家に運ばれる。

塞道幕絵は、町内ごとに板塀の前に飾られ、見物客に披露される。


幕に描かれる絵は、町内ごとに決めており、歴史上の出来事や相撲絵など多岐に渡る。



この相撲絵は保存している中でも古いもののようだ。


雷電もいるね。


塞道幕は大きくても高さが2mほど、長さは9m。
戦いの時の陣幕の寸法だそうだが、塞道の道祖神さんは外からの悪を弾く力もあるそうで、陣内を保護する意味もあるようだ。





これは迫力があった。


描かれている物も緻密だった。






これは「大壽和里大祭事・おすわりだいさいじ」で、庄内藩の酒井公が三方国替えを幕府から命じられた時に、
領民が阻止するために起こした直訴により、国替えは取り消された。


その時の町民たちが喜んでいる様子の、酒田の町が描かれている。


絵の上部に描かれてあるのは本間家本邸。
白い土塀で囲まれているのは現在と同じで、他の町家の屋根は杉皮葺き石置きであるのに、本間家の屋根は赤瓦(豪商や神社仏閣だけに使われた高級品)である。



この塞道幕は、酒田祭の神宿でも見かけたことがあった。
ところで、この幕の染師の土門與一郎だが、かの有名な写真家の土門拳の祖父だそうだ。





明日9日は、町内の塞道が行われるそうだ。
昔のように、子供達が集まることはないだろう。
そう言えば、今日の講演の聴衆者に、子供の頃の塞道を知っている女性がいた。
きなこ餅を振る舞われた記憶があるそうだ。


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