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世界遺産登録にまで「アベ友」が関与していた!

2020年09月04日 22時39分39秒 | ●政治・経済・社会問題


世界遺産登録にまで「アベ友」が関与していた!

通訳ガイドとして、「明治日本の産業革命遺産」が2015年に世界遺産に登録された経緯を説明する時には、下記の事実を踏まえてきちんと説明していただきたいと思います。

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「公私を区別すること」 子どもたちには学んでほしい
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前川喜平氏(毎日新聞9月4日)

安倍晋三首相が熱心に取り組んだテーマの一つが「教育」だ。政府に「教育再生実行会議」を設置し、さまざまな教育政策を実行してきた。
安倍首相の狙いは何だったのか。
文部科学省の幹部として安倍政権の教育政策に深く関わる一方、退任後は加計学園の獣医学部新設問題で「総理のご意向」文書の存在を認め「行政がゆがめられた」と語るなど、政権を厳しく批判してきた元文科省事務次官の前川喜平さん(65)に聞いた。
【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】

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「教育勅語」の復権をめざす
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――安倍政権の教育政策とはどういうもので、何を目指したのでしょうか。

◆国家のために忠誠を尽くす国民を育てようとする「国家中心主義」を進めるものだったと思います。その手段として政権は、「教育勅語」を復活させようとしました。教育勅語は明治天皇が1890年に示した「朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト……(私が思うに、私の先祖である歴代天皇が国を始められたのは……)」で始まる教育の基本方針です。「親孝行しなさい」「夫婦は仲良くしなさい」などと書かれているのですが、単なる親孝行や夫婦円満の推奨ではありません。その後には、何かあった時には公のために奉仕し、永遠に続く皇室を助けなさい、と続くのです。教育勅語の根底には「国体」という観念があります。国家を家族に見立て、天皇を親、臣民を子と見なし、親を敬う家族のように調和しよう――という考え方です。

教育勅語は1948年に国会で「憲法・教育基本法と相いれない」とされて失効しました。ところが安倍政権は、憲法・教育基本法に反しない形で用いるのはよい、という理屈で教育勅語の考え方をさまざまな形で復活させようとしました。

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「国への愛」を規定した改正教育基本法
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――具体的には?

◆まず、第1次安倍政権が発足した2006年の教育基本法改正です。
47年に制定された教育基本法を大幅に変えてしまいました。
教育勅語の考え方が垣間見えるのは2条5項と10条です。

2条5項には教育の目標として「我が国を愛する……態度を養うこと」とあります。
しかし、愛するかどうかは個人の自由であり、国に規定されることではありません。
この規定は、憲法の定める個人の内心の自由を侵しうるものです。

また、10条は父母らが子に生活習慣などを身に付けさせるよう努めよ、と規定します。
国が家庭教育に義務を課すだけでも問題ですが、家庭教育への介入の危険性も否定できない文言です。

この改正を経て第2次安倍政権で教育政策は国家中心主義へ急傾斜していきました。

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道徳教科書で「二塁打を放った星野君」が怒られた理由
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――「道徳科」もできましたね。

◆「道徳の教科化」は、国家中心主義を示す象徴的な出来事です。
道徳科は小学校で18年4月から、中学校で19年4月から始まりました。
最大の変更は、検定済み教科書の使用を義務づけたことでした。


教科書作りの指針となる道徳の学習指導要領には父母、祖父母を敬愛することや、国を愛すること、礼儀、規則、公共の精神など、集団を束ねるための規範が、これでもかというほど並べられています。
何かに似ていませんか。そう、教育勅語です。ここに「天皇への敬愛」が入ったら、ますます近づきます。
この学習指導要領は、個人と自由を尊重する日本国憲法の精神に反する点で大問題です。

――子どもたちは、その学習指導要領に沿った教科書で学ぶわけですね。

◆教科書は当然、学習指導要領に沿った内容になります。ある教科書には「星野君の二塁打」というお話があります。
野球の試合で監督から送りバントを指示された少年、星野君は、調子がいいのでバントをせず、とっさに二塁打を放ち、チームは勝利します。
ところが翌日、監督は選手を集め、指示に反したとして星野君を重々しい口調でとがめます。
監督は「犠牲の精神の分からない人間は、社会へ出たって社会をよくすることなんかとてもできないんだよ」などと語り、星野君に次の大会への出場禁止を言い渡すのです。
そして教科書は「決まりを守り、義務を果たすことの大切さについて考えましょう」と促します。

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道徳科に「自由」を潜り込ませた文科省の抵抗
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――憲法と政治の板挟みになって難しい判断を迫られたのではないですか。

◆教育基本法改正の作業は、38年間の官僚生活を振り返って、最もやりたくなかった仕事です。
しかし、結果的に道徳科には自由の精神も潜り込ませてあるのです。

学習指導要領には実施するにあたってのガイドラインである「解説」が付いています。
文科省はここで特定の価値観を児童・生徒に押しつけないこと、自分で考えさせ、議論させることを示しました。
つまり、「星野君の二塁打」も「書かれた結末が正しい」と教え込まずに児童に議論させるべきなのです。

解説ではまた、教科書だけでなく、ほかの書籍や映像も教材として広く利用するよう求めました。
そうすることで、文科省は憲法に沿った、個人に立脚する教育の実現を目指したのです。

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友達を大事にする首相は国家権力を友達のために使った
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――前川さんは加計学園問題にも振り回されました。

◆日本の最高権力者・安倍晋三首相による公権力の私物化を、加計学園と「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録という二つの問題を通じ、私は目の当たりにしました。

安倍首相が旧知の理事長から獣医学部新設について頼まれた加計学園問題は、さまざまな文書から真相はほぼ明らかになっています。

また、「明治日本の産業革命遺産」が15年に世界遺産登録された件も、登録活動の中心人物と安倍首相は子どもの頃からの友人。
通常、世界遺産登録に何を推薦するかは文化庁で審査しますが、この時だけはわざわざ内閣官房に審査の場が設けられました。
文化庁で審査すると通らないから、官邸主導でそうしたのです。

――首相は何のために、そういうことをしたのだと思いますか。

◆友達を大事にする人だったから、自分が持っている力――それは国家最高の権力だったわけですが――を友達のために使った。
それ以上でも以下でもないように思います。

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次の政権には期待しないが子どもたちには希望
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――次の政権に期待することは。

◆7年8カ月も続いた悪夢はようやく終わります。夢の続きは見たくないのですが、安倍首相は総選挙で負けたわけではなく、病気による辞任です。
支持母体は何も変わっていませんから、今の体制が次の首相にそのまま引き継がれるだけだと思います。
ですから、期待はしていませんが、子どもたちには希望を持っています。
安倍首相を反面教師とし、憲法をゆがめて解釈しないこと、公私はきちんと区別することを学んでほしいですね。

●前川喜平
1979年、文部省(現・文部科学省)入省。
大臣秘書官、官房長、初等中等教育局長などを経て2016年事務次官に就任。
17年に天下りあっせん問題で辞任。現在は全国で講演しながら夜間中学での指導にも当たる。
著書に「面従腹背」(毎日新聞出版)、共著に「官僚の本分」(かもがわ出版)「これからの日本、これからの教育」(ちくま新書)など。


以上



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