マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

インフルエンザの治療について

2013年01月11日 | 診療
朝に水ぼうそうとおたふくが。。。とコメントしていると、
某小学校から電話が。

とうとう当院小児科周辺にもインフルエンザがやってきたようです。

今年も検査検査、そして治療どうする??なシーズンの始まりですかね。

昨年・一昨年とあまり変わりありませんが、外来でもお渡しするので改めて。


☆ インフルエンザの治療について 

インフルエンザにかかった場合、確かに明らかに「しんどい」ことが多いですが、
それほどでもないケースも多く、ほとんどは自然経過で治っていく感染症です。

しかし、稀には脳炎・脳症になる場合や、急速に呼吸状態が悪くなる場合もあり、
そのような可能性がある場合は慎重に経過をみていく必要があります。
以下、治療をどうするか判断する際に参考にしてもらえればと思います。


1.元気だけど、調べたらインフルエンザだった。

  ある意味このケースが一番悩ましいでしょうか?
  今は元気そうだけど、そのまま元気がどうかは誰にもわかりません。
  でも元気なのにインフルエンザの薬は必要なんだろうか?
  投薬なしで経過をみるのは決して悪いことではありません。
  もともと薬なんて飲んでくれないような子どもたちならあきらめやすいかも?

2.漢方薬

  飲めるなら、1つの選択肢になります。
  味はまあそれなりに。。。というところでしょうか。
  うちでもちょこちょこ処方しており、効果については、ある程度以上期待していいと思ってます。
  タミフル並みとかそれ以上とか。。。な話も聞きます。
  小さい子でも飲める子は普通に飲んでくれるようですよ。

3.タミフル

  1日2回5日間内服します。
  タミフル耐性ウィルスだと効果はかなり落ちることになります。
  耐性ウィルスについてはあまり大騒ぎする必要はないということですが。

  タミフルと異常行動の関係の問題で一時問題になりましたが、
  直接的な関連性は否定的とのことになっています。
  ただし、副作用としての精神神経症状の報告が10代ではやや多くなるようですので、
  基本的に10代のお子さんには漢方薬あるいは吸入薬が選択肢となります。
  
  1歳未満への投与もあまり積極的にはできない状況ではありますが、
  乳幼児では選択肢が少ないので投与する機会は多くなるかと思います。

4.吸入薬(リレンザ・イナビル)

  リレンザは以前よりありました。1日2回、5日間吸入します。
  イナビルは1回だけ吸入したらそれで終わりな薬です。
  いずれもちゃんと吸入できる年齢であるなら、特にダメな理由はありません。
  当然、きちんと吸入できないと効果はほぼないと考えていいかと思います。
  実際に吸入薬を使っても熱が下がらない子もちらほらみかけます。
  何歳からOKと言いにくい薬ですね。 

  吸入薬でも異常行動の報告はあります。
  タミフルより安全と考えていいものではありませんのでご注意ください。

5.注射薬(ラピアクタ)

  重症の場合、もしくは重症化が予想される場合や、
  飲み食いできず、薬が飲めない、吸入もできない場合には注射薬も検討されると思います。
  内服や吸入ができるのに点滴を選択するというのはあまり意味がない薬と考えています。
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