マキノ病院小児科ブログ

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子宮頚癌ワクチン

2015年08月27日 | ワクチン その他
久しぶりに会った、とあるママさんから、先生のところはどうしてるん?と質問が。
ちょうど下書き途中で投げ出していた話だったので、いいタイミング。

2009年12月に日本でもサーバリックス(2価ワクチン)が接種可能に。
個人的にも癌がワクチンで予防できるのか~と感動してたのは事実です。

2010年度から、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンに便乗というか、割り込むような形で、
「ワクチン接種緊急促進事業」の対象となり、接種に対して助成が得られるように。

2011年8月にはガーダシル(4価ワクチン)も接種可能に。

そして、2013年4月に「定期接種」に。
あまりにも急に定期接種化が決まった印象がぬぐい切れませんでしたが。。。

ところが、接種数の急増に伴い、
全国から、子宮頚癌ワクチン接種後にさまざまな症状を訴えるケースの報告が相次ぎます。

結局2013年6月に、定期接種の扱いは継続するものの、「積極的勧奨の中止」と。

ワクチンに含まれるアジュバントと言われる免疫獲得効果を高める物質のせいとちゃうかとか、
個人の性格や生育環境によるものが大きいのとちゃうかとか言われたり、
複合性局所疼痛症候群(CRPS)ではないかと言われたり、
「HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)」という新しい疾患概念が提唱されたりとか。。。

ワクチンとの因果関係の解明には「数年はかかる」との話も。
積極的勧奨の再開はあるとしても当分先になるのかもしれません。

そんな中、先日、新たに「9価」の子宮頚癌ワクチンが申請されていたりします。
いずれ接種可能ということになるのでしょうけれど、
2価ワクチン、4価ワクチンで騒動になっている中で、
9価ワクチンだけ安全性に問題ないなんてことは。。。?

ちなみに。
積極的勧奨は中止ですが、接種は可能なままです。
お子さんが、というより、保護者が希望された場合は接種できます。

とはいえ、
これまでのところ、うちでは是が非でも接種しておきたい!という声は聞こえてきませんし、
個人的にも当分見合わせするしかないなと思っていますので、
もうかれこれ2年ちょいですか、「接種なし」が続いています。

日本では毎年約1万人が子宮頚癌を発症していると言われてますので、
検診とワクチンの両輪でいい方向に進めるようになるといいのですが。
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