みなりんの紀行文

写真とともに綴る、旅の思い出を中心としたエッセイ。
主に日本国内を旅して、自分なりに発見したことを書いています。

蔵の街栃木パート3:岡田記念館~旧代官屋敷

2014年01月24日 22時51分04秒 | 旅行記

このあたりを、嘉右衛門町というほど有名なのは、岡田家が現当主岡田嘉右衛門をもって26代を数える栃木市屈指の旧家だからです。

さて、この岡田家ですが、古くは武士だったものの、帰農し江戸時代の慶長年間、士豪として栃木に移住し、荒れた土地を開墾したため、徳川家から「嘉右衛門新田村」という名称をいただき、以後代々当主は嘉右衛門を襲名しています。

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日光例弊使街道の開設に伴い、名主役を務めて、武蔵の国の管領の畠山氏の知行地となると、屋敷内に13ケ村の陣屋が設けられて、代官職も代行するなどし、地域発展に尽力したといわれます。

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Dscn7696_2 こちらのお宅の娘さん二人は、徳川の大奥に見習いに入っていたそうです。

一方で、代々当主は芸術面にも造詣が深く、 巴波川の舟運や街道の往還を通して、多くの文人や墨客と交流がありました。

明治時代には、富岡鉄斎と特別な親交があったそうです。

蔵には、栃木県文化財、韓信堪忍図をはじめ、多くの文人の作品が展示されていました。

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徳川家から賜ったもの、そして、水戸の徳川斉昭からいただいた書状がありました。

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Dscn7710 左は、ペリー来航の折に、徳川家からいただいたもの。

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岡田家の家紋は、後醍醐天皇が滋賀に行幸された途中で、病気を患われ、岡田家の先祖の蔵人大夫高吉が車前草(おばこ)を採って、薬として調合して謹んで献上したところ、天皇は平癒なされて、相州西郡地を少しいただいて、さらに、車前草(おばこ)を紋にせよとのお言葉があって、これを意匠したと言われています。

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Dscn7704陣笠の紋が、おばこ。

 

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宝暦10年から146年分の日記も保存されています。

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Dscn7717現当主は、医院を経営なさっていて多忙らしく、前当主の奥様が今はこちらの記念館の管理をなさっておいでだそうです。

左は、古木の渡り廊下です。

上の写真の龍の絵は、雪舟の絵だそうです。

前にある緑の布に、岡田家の家紋が入っています。

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上は陣屋。陽月亭。

ここに日光例幣使者として日光東照宮へ参宮になる際にご休息になった、参議右衛門督万理小路正房公がお詠みになった歌碑がありました。

「ゆたかなる池のこころに住む亀はげに万代もやすくぬべし」

(天保15年4月12日)

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Dscn7722上杉家寄進の灯篭まであって、歴史を偲ばせるお宅でした。

庭には文化財指定の立派なケヤキの木もありました。

次は、翁島(別荘)に行きましょう。

続く。



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