みなりんの紀行文

写真とともに綴る、旅の思い出を中心としたエッセイ。
主に日本国内を旅して、自分なりに発見したことを書いています。

城ケ島~水仙の花ロードと馬背洞

2011年02月12日 11時34分12秒 | 旅行記

先日、雪の降る東京をあとに、三浦半島を旅してき135 ました。

城ケ島へ京浜急行で日帰りです。

北原白秋の「雨がふるふる、城ケ島の磯に、利休鼠の雨が降る。」という歌が有名です。

右の写真は、その碑になります。

ここの水仙は見事らしいので、海沿いの海岸線をまず歩き、小学生が大勢遠足している中、自分一人でランチのマグロ丼をいただいてから、歩き始めました。

最初は、灯台からスタートし、京急ホテルでバスの時刻や入浴の時間をチェックし、三崎口からバスで30分かかるので、注意していきました。

小さい灯台ですが、江戸時代が終わり、明治に175_2 船が入港するのにかかさないもので、海難016 事故などを起こさないように大切な灯りだったのです。

灯台の近くは、公園として整備されていて、恋人同士でバスで来る方も多いかと思いますが、冬に訪れたら、是非城ケ島公園や、海岸線を歩いてみてください。

京急の一日フリーパスで行くと、お得感があります。

貝殻を集めて、彼女のネックレスを作ってプレゼントしたら、喜ばれますよ。

ここで、遊んで白秋記念館の有名な松の株をなでてくると、良縁に恵まれると言われています。

公園として、綺麗に花が植樹されて、来た観光028 客の目を楽しめます。

水仙の花がここでも見受けられました。

この先が海岸になり、岩礁の上を歩くことができました。

海岸沿いは、まるで貝殻が桜の花を敷き詰めたように綺麗で、貝殻をひろうと目を凝らしましたが、ほとんどが砕けていました。040

時間があれば、貝殻を集めるのが楽しいだろうと思いました。

磯の香りがして、曇天でしたが、しばらく馬背洞に向かって行くと、日差しがさしてきました。

潮が引いていて、岩礁は滑りやすく、手をついてしまったりしましたが、無事に歩いて行けました。

馬の背の洞は、第三紀層で、高さは8メートル、030 横は6メートル、厚みは2メートルあります。

傍まで行くことができましたが、形がおもしろく、崖を上って、撮影した上の背には、残念ながら地層が脆いので歩くことはできませんでした。

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非常に危険なので、絶対歩いてはいけません。

穴から海を眺めたり、遠くからどんどん近づく時は楽しみでうきうきしました。

小学生たちが、先生に引率されて、歓声をあげて歩いてきましたが、私は、マイペースで拝見していました。

048 岩礁には藻がついていて、すべりやすいところを歩いていた自分と違って、小学生は安全な歩きやすい場所をさすがに歩いていましたので、安心しました。

遠くに船が見えて、広い海に岩礁の造形もおもしろく、海蝕でできた自然な形で、一度ご覧になるといいと思います。

傍にあった山への道を歩いてゆくと、上から馬の背が見えましたが、なるほど馬の背のようで

興味深く、馬にまたがっている雰囲気に包ま058 れました。

山をそれからどんどん登っていくと、今度は、水仙ロードになりました。

ここから城ケ島公園までずっと

道の両側に水仙が咲いています。

雪中花というように、この寒い雪の時期にけなげに咲いて、水仙の香が漂っていました。

ここの水仙は、八重咲きで、日本水仙ではないと思いますが、眺めながら香りに包まれて歩いてゆくと、冬なのにもうじき春なのであろうと、元気をもらうことができ、城ケ島は今が訪問にいい時期だと思います。

067 夏はこの道に藪蚊が多く、やはりこの冬の時期が歩いて爽快だと思います。

084左は、頑固で気まぐれな家族のお気に入りの猫ちゃんです。

特別出演になります。

けして兎ではなく、猫ですから、勘違いなさらないでくださいね。

しばらく行くと、展望の開けているところがあり、海の向こうを眺めると、美しい紺碧の海が目の前に広がり、日差しも出ていて、非常に綺麗でした。

話戻って、水仙は、だいたいお茶席で大寒の頃、茶花として生けられるのは、なかなか風流なことだと思います。

ここをずっと歩く先には、県立城ケ島公園があり、松と水仙が一緒に鑑賞できます。

先は灯台へと続く道です。

今はまだ修築中のところが多少ありますが、水仙の花はまだ見頃でした。

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県立城ケ島公園には、鳶が数多く上空を飛び交い、この先にも灯台があります。

また、展望台は二つあり、宮柊二さんの碑もあります。同じ句を詠んだ書は、京急ホテルのロビーに飾ってあります。

松の常盤の緑に、操堅く、磯の風雪に耐えて、水仙の甘い香りも漂い、甘美で優雅と言うより、

075凛とした雰囲気があたりを粛然とさせて、とても毅然とした花に見えるから不思議です。

公園は猫が結構いて、まるまる太っていました。

猫はなかなかふてぶてしいくらい人間慣れしていて、撮影しようとすると、ぷいと違う方向を向いてしまい、なかなか撮影がたいへんでした。

灯台までは、歩いて降りて行くことができますが、今回は私は時間の関係上、遠くから眺めて失礼しました。

白い灯台に青い海、青い空。

私は、ひとりで行動しても、結構平気で堪能できましたが、友人と来てもいいですね。

ここは、2月上旬に行けばいいかと思います。

皇太子殿下のご成婚碑もあります。

波は静かで、穏やかな気分になれます。

110  宮柊二の碑には、下のような句が刻まれていました。

107_2 ほかにも、松本たかしという夭折した俳人が、「松虫やささで寝るや城ケ島」という句を残し、碑になっています。

「ささで」とは、「戸締りしないで」という意味で、三崎の人の優しい気持ちが表れています。

ほかにも、今の角川書店の創立者の角川源義さんの句もあり、「雲母」という俳句誌を創刊したりしました。

角川さんは国学院大学を卒業なされていて、国文学に造詣も深かったのでしょう。

宮柊二さんの句の言葉を写真で表現できないか、090 海の撮影も致しました。

途中、京急ホテルへ行く山道は、若い娘さんにはお勧めできません。グループか恋人同士で歩いてください。

ちょっと私でさえ、誰も通らないので気味が悪い感じでしたが、腹をくくってのんびり行きました。

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トンビを撮影しようと思いましたが、すぐ近くまで来るのですが、うまく撮影できませんでした。

松に鳶、これが鷹ならなんと素晴らしいことでしょう。

馬の背の洞までなら人通りもあるので、ここから眺めて、山道は通らなくていいかと思いますが、自分は結構楽しんで歩いていました。

128 城ケ島公園の先には、そうそう白秋記念館があり、黄色い水仙が綺麗に咲いていました。

バスで通る、大橋のたもとにあります。

小さな記念館ですが、無料ですから気楽に伺っていいかと思います。

白秋の城ケ島の詩を覚えておいでですか?

私は、子どもたちにCDがなくて、自分で歌って紹介したことがあり、よく歌を歌いました。

利休鼠はグレーに近い色合いで、抹茶とは違う色合いかと思います。日本の色の表示名はいろいろあり、とても優雅だと思います。

130 133_4 遠くには船があり、大橋も見えますが、今は修築修理中で、あとで夕日のさすバスからの車窓をご覧いただけます。

白秋記念館はマリーナの奥にあるので気がつかない方も多いかと思いますが、白秋記念館から県立城ケ島公園はすぐ傍にありますから、ここからスタートしたほうがいいと思います。

145  きらきらと光る海、これを宮柊二は「きら(雲母)」と表現しました。

この写真は山からの眺めですが、海が銀台のように光り輝いて、自然の風景に恍惚となります。

その道には水仙の花が咲いていて、ひとりでも十分楽しめます。

ただ、タヌキとか飛び出してきそうで、恐怖感のある方にはお勧めできません。

この場所から山を下ると、京急のホテルのほうへ降りて行けます。私は、ここで温泉に入り、芯まで冷えた身体を温めました。

帰りはしっかり予定通りに夕方になり、バスの車窓からは夕焼けの景色が見えました。

バスを待っている間は港に立っていて、夕暮れ190_2 の風景を眺めていました。

さようなら、三崎市。多くの方がマナーを守り、花を愛で、優しい気持ちになって帰路につくことを祈っています。

ひとりひとりが悩みを抱えているけれど、みんな悩みのない人なんていない、だから一期一会

そういう思いをブログを書いて思いました。

海岸には、美しい小鳥が一羽休んでいました。

心穏やかな日々をお送りください。願っています。この写真を見る