みなりんの紀行文

写真とともに綴る、旅の思い出を中心としたエッセイ。
主に日本国内を旅して、自分なりに発見したことを書いています。

旧横須賀鎮守府長官官舎の桜の時期の一般公開

2012年04月24日 21時52分15秒 | アート・文化

現在は、海上自衛隊横須賀地方総監部が管理187 して いますが、田戸台分庁舎は横須賀府司

令長官の官舎として、1913年(大正2年)に建

設されました。

企画設計に携わった桜井小太郎は、ロン

ドン大学で学び、日本人初の英国公認建築士

の称号を得、海軍技師となって、1908年(明

治41年)から三年間横須賀海軍経理部建築科

長を務めました。

この方は、私も伺ったことがある、呉鎮守府司令長官官舎(国の重要文化財)も1905年(明治

38年)に設計したことで有名です。こちらは入船山記念館として一般公開されています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

118 190

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

桜の美しく咲き誇る時期に公開されます。歴代長官邸居者を眺めて、戦争終結に奔走した野

村吉三郎と、米内光政に自然と目がゆきました。

お顔は、こいう方々です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

133_3 134_2 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

野村吉三郎は、第二次世界大戦の最中、駐米大使として、ハル長官に面談に行き、なんとか

戦争を終結する努力を試みましたが、食い止めることはできませんでした。

戦後、松下幸之助の援助なども受けて、自由民主党の国防問題を担当していた方だったと記

憶していますが、父に「おまえは国防問題に深入りしないほうがいいから、知らないでおけ」と

言われて読書を中断しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

128 129

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

131

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上は、東郷平八郎の銅像が置かれた飾棚です。

洋風館は、会議室的な要素が強く、接続されている和風館には、東郷平八郎の書があり、な

んとなく意味がわるものの、一字がどうしても何と読むかわからずに苦慮しました。

「窮理以てその知を?」

首をひねってしまいました。達筆です

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

135 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

家で調べてみたところ、これは朱子の言葉でした。

儒学者の朱子の「主敬以立基本、窮理以致其知」という言葉から選んで書かれたものです。

「君主を敬うことを以て国家の基本が成り立ち、窮理を以てその知に至る」という意味でしょうか?

誤りがあればご指摘ください。お願いします。

はーと頭が下がりました。昔の軍人さんは、高い教養人でもあったのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ステンドグラスは、慶應義塾大学の図書館も手掛けた小川三知のものもあり、綺麗に輝いて

いました。明治時代に渡米して技法を学んだ方だということです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

195_3 196

199

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

左の葡萄のステンドグラスもそうだったかは、忘れ

ましたが、品よく飾られてありました。

この庁舎の庭からは、東京湾が一望できて、みなさ

ん昔はどんな気持ちで眺めていたか、ちょっと複雑

な気分でした。

晴れた青空に桜が咲き誇り、海の青さがますます

美しく映えて、平和な時代に眺めるとのどかなもの

の、非常時には厳しい視線が飛び交ったと思われます。

国防の問題は、今でもたいへん大事な問題で、ここでは黙って海を眺めて去りました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

198 155_2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

177


新宿御苑の花咲き乱れる春の到来(桜・桃など)

2012年04月21日 05時24分40秒 | まち歩き

東京のオアシスのひとつ、新宿御苑は4月に入り、一斉に花が咲きほころびました。

入場するのに花見客がお酒を持ち込まないようにするための手荷物検査が入り口でありました。

みんなが楽しく花見ができるようにというもので、確かにマナーの悪い人はいませんでした。

068_2 奥にはしだれ桜が美しく咲いていて、多くの人が写真撮影をしていました。

まるで大名の姫君のように豪華絢爛で、みなさんは眼を輝かせて眺めていました。

ああ、春が静かにやって来たという思いがして、去年から震災のことで頭がいっぱいでしたが、一時忘れて楽しんでいました。

震災当時、わたしは最初ここに避難したので、どうも新宿御苑とは縁がありそうです。

母を連れて来たかったけれど、今回はひとりで散策を気ままにしました。054_3

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

桜の花ばかりではでなく、休息所にはハナモノノの花が咲いていて、それは素敵でした。

色合いが赤やピンク、白が混じり、桜ほどの人気はなくても、それはそれで見事で、近寄って眺めていた人は、淡いピンク色の花を特にほめちぎっていた人もいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

035 030_2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

031 024

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

花はまだ蕾が多く、桜が一斉に咲いて散る頃が見頃かと思いました。

綺麗な輪郭をした唇に、ぼってと口紅を女性が施したようで、妖艶な雰囲気がありますが、多分に厚化粧ではなくて、楚々とした感じでもあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

003

012_2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

若いころ、わたしは花見と言っても好きな人を考えたり、悩み事で花見どころではなかったので、心にゆとりがなかったのに、年齢を重ねるのにしたがって、家族とも話をするのですが、「後何年こういう景色を見られるのかしら」と言うようになり、今を懸命に咲く花に魅了されて、現在を悔いなく生きることを思案するようになり、花見もゆったりと楽しめるようになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

070 088

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大人になって、毎日は淡々と平凡で、それに小さい幸せを見つけて生きていることを知りました。

子どもには大きな夢への目標もあるでしょうが、年を重ねて青い鳥は身近にあることを感じるようになりました。

足元に咲く花を眺めることも、幸福な時間であることを思い知らされます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

097 098

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

でも、けして年を重ねても、何かに打ち込める人には大きな未来の可能性はなくなりません。グランマ・モーゼスの絵の展覧会に行き、100歳近くで絵を初めて有名になった人もいます。なりtたくて有名になったと言うより、ほんとうに好きなことに熱中できる人に人生はさまざまな希望を残してくれることを学びました。

好きなこと、心を傾ける趣味を持つこと、それは素晴らしいことです。

「もう年だから駄目よ」と言うのではなく、これからもっと人生を深めるということを意識すると、生き方も輝くようです。

新宿御苑も何度も足を運んで楽しめる場所です。今度はみなさん、ご自分の足と目でお楽しみください。お身体の不自由な方は、映像を見て元気を出してください。

花は毎年咲きます。人生を精いっぱい生きていきましょう。