みなりんの紀行文

写真とともに綴る、旅の思い出を中心としたエッセイ。
主に日本国内を旅して、自分なりに発見したことを書いています。

2019年の5月頃の連休の奈良記2~大津皇子の古墳

2020年08月29日 21時58分03秒 | 旅行

奈良の当麻寺から歩いて、中将姫ゆかりの石光寺へ向かう。

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この寺には、中将姫が当麻曼荼羅を作るために、糸を染めたと言われる場所があります。

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使う糸は傍の糸掛け桜にかけられて、染の井で姫自ら染めました。

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寺は牡丹が見事に咲き誇り、藤棚も美しく咲いていました。

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静かな時間を過ごした後、いよいよ大津皇子のお墓へ向かいます。

二上山の頂上に正式なお墓があるのですが、私が調べたところ、ほんとうの墓は、鳥谷口古墳だと

言われていて、時間の都合でここまで足を運びました。

途中、人々が安楽往生を祈ることになった傘堂を見学しました。

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さて、いよいよ凄ーく歩いて歩いて疲れ切ったのに、どうしても大津皇子のお墓に行きたくて、

石光寺から延々と歩きました。

実は、中学生の時に万葉集が教科書に記載されていて、有間皇子と、大津皇子の姉の歌があって、

その悲劇性に魂を揺さぶられるような強い印象を持ったのです。

有間皇子(孝徳天皇の子)

  「磐代の浜松が枝を引き結びま幸(さき)くあらばまた還り見む」

  「家にあれば笥(け)に盛る飯(いひ)を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」

 

大伯皇女(おおくめひめみこ・・・天智天皇の血を引く大津皇子の姉で、伊勢の斎宮だった)

   「うつそみの人なる吾や明日よりは二上山を我が兄(せ)と吾(あ)が見む」

 

 この奈良朝最大の天皇家の悲劇は、皇子たちが腹違いの息子を持つ義母に謀反の疑いをかけられて

死ぬことになったと言うことです。私はそう習いました。

現在の教科書にはないものです。

私は感動して、大人になったらいつか大津皇子のお墓に行こうと思いました。

なぜ有間皇子ではなく大津皇子なのか、当時は折口信夫の名も知らず、理由は自分でもわからない

のですが、姉の詠んだ歌に非常に心惹かれたのです。

今回の旅のメインは、葛城の道を歩くことと、この大津皇子への哀悼の意を表する旅でした。

私は行く前に本を探して読んで、ここがほんとうの大津皇子の墓だと知りました。

 

      

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政治の表舞台から去っても、時をはるかに経て人の心を打つのは歌であると思います。

千年経ても、私には古代の人の息遣いが感じられるのです。

古代人が生きた証が歌なのです。

誰がいけないとか、いいとかではなく、歌の力でここまで来ました。

私は歴史の資料が失われても、文学は永遠に生き続けると信じています。

姉の弟を想う歌にひかれて、とうとう来たのです。

どうか、今は安らかにお眠りくださいとお祈りしました。

私は忘れたことはありませんでした。

若い頃の思いは遂げました。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ひでさんへ、拝見しました。 (みなりん)
2020-08-31 22:05:19
ひでさんへ
先ほど読ませていただき、了解しました。
今度また新たに何かあった時、お言葉をお待ちしています。
ありがとうございました。
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