みなりんの紀行文

写真とともに綴る、旅の思い出を中心としたエッセイ。
主に日本国内を旅して、自分なりに発見したことを書いています。

古河総合公園の大賀ハス

2013年07月11日 22時07分07秒 | アート・文化

7月上旬、古河総合公園へ行き、大賀ハスを見て来ました。

水上の花をご覧ください。仏教には縁が深いお花です。

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148蓮の花が咲いた後、蜂の巣の穴のような実ができることから、昔は「はちす」と言われていたが、平安時代以降に短縮して「ハス」と言われるようになりました。

西方浄土は、神聖な蓮の花の池と言われています。

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以前、川合玉堂美術館で拝見した香淳皇后(昭和天皇のお妃さま)の日本画の「玉蛙」にそっくりの光景を撮影しました。

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174蓮の葉の上の蛙。

小さな生命に愛おしさを感じます。

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157インド原産。

ここで、下手ながら一首詠む。

「日に向かひ すくっと立つ 蓮の花 目覚めし朝の 清き心音」

人間誰しも心の持ち方でいかようにも変わる。

そう感じさせる蓮の花であります。

下手ながら一句。

「目覚めて朝日に匂ふ蓮の花」

暑さ厳しい折、ご自愛ください。

 

 


川口の旧田中家住宅(田中徳兵衛氏宅)見学

2013年05月07日 22時52分51秒 | アート・文化


埼玉県の川口に、昔、味噌などの製造業・木材業などで大成功した資産家で、貴族院議員まで務めた、四代目田中徳兵衛氏の旧宅があり、その旧宅は今では文化財に登録されて、見学可能であった。

用事があって川口へ行く途中、見学することになった。

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建築費用は現在で言うところの二憶五千万円と言われる。

洋館建築は、当時一級の宮大工棟梁(京都の東本願寺本堂を建築した)に建築法を学んだ櫻井忍夫。これに関わった多くの棟梁が、川口の職人さんである。

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011外壁はヨーロッパにあるのと同じく煉瓦造り。

材木業もしていて、屋根には屋久スギなどもふんだんに使用されて、床細工も見事だった。

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005_2さりげなく、そう目立たないところに、ステンドグラスがあって、綺麗で印象を深くする。

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006正面の玄関からは、店先になる。

洋館なのに、左のような神棚がある。(照明の部分の棚)

奥の和館の和室には、仏壇もあった。

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027昔の頑丈そうな金庫。

四代目の徳兵衛さんは、19歳で家督を継ぎ、非凡な商才があったようだ。

二階の和室へ行くと、人柄が徐々にわかっていく。

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029二階で、二重窓になっている造りに感心する。

丁寧に造られていて、大正10年の建築物ということを忘れるほどであった。

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021二階の和室に、「三省」という額字を拝見。

これは多分、「われ日にわが身を三省す」という論語の中の有名な言葉。

忠義を尽くしていなかったのではないか、朋友に対して誠意はなかったのではないか、習いもしないこと述べて言動に無責任ではなかったか、と自分に猛省をするということだったと思う。

政治家としての素質が問われる。

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201部屋の板目に、彫り物がなされて、漢詩が謳われている。

蘭のことを書いていて、君子の心得ではないかと推察したが、詳細はよくわからなかった。

しかし、家主のかなりの向学心と教養が部屋からも考察できた。

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007_2ガラスの透かし彫りも美しく、部屋は上品な雰囲気で、どの部屋も気品がある。

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013グランドピアノのある客間。

明るくて、清潔感のある優雅なお部屋。

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論語を読んでいて、さぞ頭の固い人だろうと思うかも知れないが、やはり多才な実業家で、アールデコ調の装飾の照明器具などがいたるところに見られて、オシャレな感性の持ち主だったようだ。

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019一階の和館へ移動する。

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010_2ちょうど時期は五月だから、端午の節句が飾ってあった。

男子の本懐とは、逆風にあっても怒らず泰然自若として前進し、目的を果たすのみ、という感じ。

要は芯があって凛としている。

べらべらしゃべらないが、やることは果たす。

人形の様子を見て、武士とはこういうイメージかなと想像した。

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002最後に、お庭を歩く。

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004奥にはお茶室があり、集会所にもなっていて、そこで驚く。

大勢が集まる部屋に、スチール製ではなく、木彫りの素朴な椅子がずらりと並び、来てくださった人をどんな人でも大事にする雰囲気を感じた。

中の茶室は、身分相応の簡略ながらも清潔感あるもので、懲りに凝ったものではないが、きちんとしつらえてあって、礼儀や作法にかなってみんなで楽しめそうなお茶室のようだった。

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018お庭には池もあり、菖蒲の花が綺麗に咲いていた。

一方で・・・。

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003枯山水のお庭にもなっていて、ぐるっと歩いて十分楽しめて興味が尽きなかった。

財力があれば政治家になれるというだけではなく、高い教養やセンスの良さや人脈や穏やかな物腰など、すべてが社会では評価されていたのかもしれない。

世の中には各地に名士と言われる方々がいるが、なるほどなあと思って、つくづく建築物を感心して見学した次第である。


世界らん展日本大賞2013鑑賞

2013年02月21日 22時42分19秒 | アート・文化

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みなさん、寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

まだ梅もやっと咲きだしたばかり。日が差しても寒いので、出かけるのがおっくうになりますね。

以前、サンシャインで蘭展を鑑賞して関心をもったので、今年初めて世界らん展に行ってみました。

思ったより混んでいないので、人が押し寄せて身動きできないほどではありませんでした。

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花が好きな方々のせいか、みなさん礼儀正しい感じで、誰かが写真を撮ろうとすると動いてくださったり、たいへん優しい気持ちの方が多く、感心しました。

最初は押されたりしていやな気分になるかもしれないと言うのは杞憂でした。

らんの花を眺めるつもりで、人の温かさを感じました。

視覚障害の方もおいでになっていて、たぶん、蘭の花の甘い香りを楽しんでいらしたのかなと思いました。宮城道雄さんは、目が見えないのにいきいきとした随筆をお書きになっていました。きっと素晴らしい感性を人よりもあって、素敵な鑑賞をなさっ

ているのかもしれません。

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011_11らんの種類も多くて、ディスプレイの多様さに目を見張りました。

これは蘭の愛好家や農業高校などの方々のものも含まれています。

中学校でも栽培が授業の一環としてあったようで、展示物も眺めて感心しました。

花は手をかけてあげると咲いてくれる喜びはこの上ないことでしょう。

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人がいると撮影しにくいけれど、誰もこの大きな会場にいなければ淋しいことでしょう。

033多くの人が「素敵ね」「綺麗ね」「いい香りね」と言いながら、花の美しさを堪能しているのが楽しい雰囲気を醸し出していました。

瞳は優しくて、みんなやわらかな表情をしている方が多かったと思います。

「育てるのが難しいのよ、蘭は・・・」という言葉が飛び交っていました。

育てた方々の工夫がおもろしく、どれも甲乙つけたくないのですが、撮影の良しあしもあるのでご紹介を全部できず、すみません。

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047花の碑。

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025_2ロマンあふれる庭。

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097可愛いお部屋。

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049ちょっと大人びた蘭。

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063和のらんの部屋。

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183都会のテーブル。

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1032013年らん日本大賞。

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175私が最後にこの花の装飾写真を残したのは、人間にとって大事な「間」がテーマだったからです。

「心」という見事なものもありましたが、見逃しやすくて大切なのは、これです。人間として「馬鹿者」と言われるより、「間抜け者」と言われるほうが身に応えるようになりました。

故人の老僧松原泰道さんは、「間」というのは広辞苑では「めぐりあわせ」と言う意味があって、「エゴ」とは他人との関係性を否定することで、豊かに暮らすには「自分は網の目の一目で誰かが存在しなければ自分も今こうして存在しない」という認識を常に持ってることが大事なことだと述べておいででした。

私がこうしてこの会場にいて、花を眺めて目の保養ができたのは、貴方がいてくれたせいかもしれない。

誰かが欠けても今の自分はいなかったのです。

社会の電車の運転手さん、掃除をしてくださる方、店員さん、地域社会のあらゆる方の働きのおかげです。

社会に出て憂き目に遭うこともありましたが、自分が良かったと思える時、それは誰かのおかげでもあります。

誰もいない社会、人とのかかわりがないのは死んだ時だけのような気がします。

「お互いに生かし、生かされている」と松原泰道さんの言葉です。

今日はあなたにとっていい日でしたか?

元気がなかった人も、写真で申し訳ないのですが、生きていれば花も眺められます。

是非、元気出してください。ふがいない自分への言葉でもあります。

見てくださってありがとうございます。


旧横須賀鎮守府長官官舎の桜の時期の一般公開

2012年04月24日 21時52分15秒 | アート・文化

現在は、海上自衛隊横須賀地方総監部が管理187 して いますが、田戸台分庁舎は横須賀府司

令長官の官舎として、1913年(大正2年)に建

設されました。

企画設計に携わった桜井小太郎は、ロン

ドン大学で学び、日本人初の英国公認建築士

の称号を得、海軍技師となって、1908年(明

治41年)から三年間横須賀海軍経理部建築科

長を務めました。

この方は、私も伺ったことがある、呉鎮守府司令長官官舎(国の重要文化財)も1905年(明治

38年)に設計したことで有名です。こちらは入船山記念館として一般公開されています。

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桜の美しく咲き誇る時期に公開されます。歴代長官邸居者を眺めて、戦争終結に奔走した野

村吉三郎と、米内光政に自然と目がゆきました。

お顔は、こいう方々です。

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野村吉三郎は、第二次世界大戦の最中、駐米大使として、ハル長官に面談に行き、なんとか

戦争を終結する努力を試みましたが、食い止めることはできませんでした。

戦後、松下幸之助の援助なども受けて、自由民主党の国防問題を担当していた方だったと記

憶していますが、父に「おまえは国防問題に深入りしないほうがいいから、知らないでおけ」と

言われて読書を中断しています。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上は、東郷平八郎の銅像が置かれた飾棚です。

洋風館は、会議室的な要素が強く、接続されている和風館には、東郷平八郎の書があり、な

んとなく意味がわるものの、一字がどうしても何と読むかわからずに苦慮しました。

「窮理以てその知を?」

首をひねってしまいました。達筆です

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家で調べてみたところ、これは朱子の言葉でした。

儒学者の朱子の「主敬以立基本、窮理以致其知」という言葉から選んで書かれたものです。

「君主を敬うことを以て国家の基本が成り立ち、窮理を以てその知に至る」という意味でしょうか?

誤りがあればご指摘ください。お願いします。

はーと頭が下がりました。昔の軍人さんは、高い教養人でもあったのです。

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ステンドグラスは、慶應義塾大学の図書館も手掛けた小川三知のものもあり、綺麗に輝いて

いました。明治時代に渡米して技法を学んだ方だということです。

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左の葡萄のステンドグラスもそうだったかは、忘れ

ましたが、品よく飾られてありました。

この庁舎の庭からは、東京湾が一望できて、みなさ

ん昔はどんな気持ちで眺めていたか、ちょっと複雑

な気分でした。

晴れた青空に桜が咲き誇り、海の青さがますます

美しく映えて、平和な時代に眺めるとのどかなもの

の、非常時には厳しい視線が飛び交ったと思われます。

国防の問題は、今でもたいへん大事な問題で、ここでは黙って海を眺めて去りました。

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枝垂れ桜から杜若

2010年05月24日 08時08分34秒 | アート・文化

私は、厳しい冬の寒さを経て、いろいろ花のD2x_93962_4 撮影をしてきて、季節の移り変わりを

楽しみました。

山梨県の樋口一葉の祖父の故郷でご縁のあ

る慈雲寺へ伺いました。

里は桃幻境のように花に囲まれて、ドライ

ブをしていて爽快でした。

慈雲寺の枝垂れ桜は非常に有名で、咲き誇っていました。

奥のほうに石碑があり、一葉さんを追慕する文学界のそうそうたる人の名前や、御親

戚方などのお名前が裏に記載されていました。

一葉さんのことを思うと、あ、最近勉強していないなあと反省しますが、ただただ山

間にある里の春は心慰めるものがあり、今

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は 元気のない方にも、何かエネルギーを

得てほしいです。

菜の花、そして奥に山を背景に枝垂れ桜と

いうのは見事でした。

枝垂れ桜は染井吉野と違って、たいへん優

雅で夢幻さ幽玄さを感じます。

高貴な姫君の立ち姿を連想します。

それも絶世の美女でしょうね。

時間がしばらく経ましたが根津美術館で国宝の「燕子花図屏風」(尾形光琳)の日本画を公開していました。

ひとりで拝見し、お庭を散策すると、ちょうど杜若が咲いていて綺麗でした。

実は、私は古代の色に興味を持っていました。

尾形光琳は、実は京都にある上賀茂の里にある大田神社に見事な杜若が咲きますの

で、ここに写生をよくしていたのではないかと Img_3416_3 吉岡幸雄さんは著作で述べておいで

です。

この大田に咲く杜若は野生のもので、古代から群生し、平安貴族もその濃い紫を愛し

たと思われます。

色は多くあるものの、花にある植物の色は人の目に優しく、心を癒してくれます。

花を、こういう風に常に眺められる人は感受性が違うような気がします。

藤原俊成(「千載和歌集」の撰者)も大田神社を訪ねて、「神山(こうやま)や大田

の沢のかきつはた深きたのみは色に見ゆらん」と歌に詠んでいます。

国宝の絵を拝見して、色合いが左と右の屏風の杜若と微妙に色の深さが違うので、違う時期に描いたか、何か意図があったのだろうか、と首をかしげました。

絵の構図が絵画の音符のように動きを感じます。

高貴な色として憧れられた紫、その色を眺めた人はさまざまな思いを抱いたことでしょう。

さて、歌舞伎の演目の「助六由縁江戸桜」

Img_3876 で助六が頭に巻いた鉢巻の紫は、江戸好を

象徴するような色です。

染めたのは江戸とは限らず、京都の紫染屋

に「江戸や」という店名もあり、江戸紫の

語源になったと考えられるそうです。

また、大阪の天神橋にも数軒、江戸にもあります。

武蔵野国多摩郡松庵所川(今の杉並区松庵)あたりで杉田仙蔵という豪農が紫染の衣

装を着た男女に会って感動し、染物屋を始めました。

この紫染には井の頭(東京都三鷹市)の水を使うと美しい色が出るとされ、「江戸川

染御紫」と名付けて販売し、好評を得たと言います。Img_3880

私の写真で、少しはお元気になっていただけたでしょうか。

命ある限り、懸命に咲く花のように、人間もその短い生命を精一杯生きましょう。

ご覧いただきまして、ありがとうございました

下手ながら詠います。

紫のゆかりを思ひしのばるる武蔵野の里憧がるる人

優美なる枝垂れ桜を飽かず見しゆく春惜しむ人優し

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